数寄なモノ目次録

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好きなもの目録 その23 月岡芳年の新形三十六怪撰

NHKの『日曜美術館』で「激動の時を生きた浮世絵師 月岡芳年
を観ようと思いテレビを点けたらトンガ海底火山噴火の影響で放送中止に……。
んで、放送延期になったのを観たんすが、
期待していた『新形三十六怪撰』にはまったく触れられず、
『月百姿』特集って感じで私的には肩透かしを食わされたみたいな。
まぁ、『新形三十六怪撰』以外の月岡芳年も良いからいいんすけどね……。

月岡芳年は、江戸川乱歩三島由紀夫も好きだった
幕末から明治に活躍した浮世絵師。
『英名二十八衆句』とかの無惨絵で有名なんですが、
私は血や内臓を見るのが嫌いなので、
それより妖怪の絵とか美人画が好きなんですよ。
浮世絵の後期というか末期の浮世絵師なんで
西洋絵画の影響を受けたのかは、わかりませんが、
なんか女性の表情がエロいんですよ。

私は、大学生の頃のサークルの先輩方から
夢野久作澁澤龍彦とか教えてもらい、
ファントム・オブ・パラダイス』や
江戸川乱歩全集 恐怖奇形人間』を観せてもらったり、
ダリ展やピーテル・ブリューゲル全版画展行ったり、
(無駄な)知識やサブカルなど色々影響うけたんすよ。
で、その先輩方と古本屋めぐりした時に薦められたのが
『江戸昭和競作 無惨絵 英名二十八衆句』
芳年 狂懐の神々』
なんですよ。
まぁ、『江戸昭和競作 ――』は月岡芳年と落合芳幾より
花輪和一と丸尾末廣がメインといえるんですが、
芳年 狂懐の神々』は良くて
『新形三十六怪撰』が特に気に入ったんすが、
残念なのことに三十六枚全部載ってないんすよね……。


標題:芳年の新形三十六怪撰

分類:絵画>浮世絵

■題名:新形三十六怪撰
貞信公夜宮中に怪を懼しむの図
さぎむすめ
武田勝千代月夜に老狸を撃の図
大森彦七道に怪異に逢ふ図
清玄の霊桜姫を慕ふの図
老婆鬼腕を持ち去る図
鬼若丸池中に鯉魚を窺ふ図
小町桜の精
為朝の武威痘鬼神を退く図
内裏に猪早太鵺を刺図
清姫日高川に蛇躰と成るの図
蒲生貞秀臣土岐元貞甲州猪鼻山魔王投倒ノ図
鍾馗夢中捉鬼之図
地獄太夫悟道の図
藤原実方の執心雀となるの図
平惟茂戸隠山に悪鬼を退治す図
皿やしきお菊の霊
藤原秀郷龍宮城蜈蚣射るの図
布引滝悪源太義平霊討難波次郎
葛の葉きつね童子にわかるるの図
仁田忠常洞中に奇異を見る図
清盛福原に数百の人頭を見るの図
那須野原殺生石之図
業平
三井寺頼豪阿闍梨悪念鼠と変ずる図
蘭丸蘇鉄之怪ヲ見ル図
ほたむとうろう
大物之浦ニ霊平知盛海上に出現之図
小早川隆景彦山ノ天狗問答之図
二十四孝狐火之図
宗祇
源頼光土蜘蛛ヲ切ル図
節婦の霊滝に掛る図
茂林寺の文福茶釜
四ツ谷怪談
おもゐつゝら

作者:大蘇 芳年 (月岡 芳年

発表年:1889年~1892年

製作国:日本

評価:S ★★★★★☆

■雑記:
「清玄の霊桜姫を慕ふの図」
「老婆鬼腕を持ち去る図」
「蒲生貞秀臣土岐元貞甲州猪鼻山魔王投倒ノ図」
地獄太夫悟道の図」
「清盛福原に数百の人頭を見るの図」
源頼光土蜘蛛ヲ切ル図」
「おもゐつゝら」
――なんかが好きかな。
「皿やしきお菊の霊」も儚げで良いんすが、
怪談『番町皿屋敷』のお菊といえば
葛飾北斎の『百物語』の「さらやしき」の印象が強すぎるんで負けるかな。
三井寺頼豪阿闍梨悪念鼠と変ずる図」は
京極夏彦の『鉄鼠の檻』を連想する。
「おもゐつゝら」は、『芳年 狂懐の神々』では誤記なのか「おどけつづら」ってなってる。
水木しげるもパク……オマージュしてる。

『新形三十六怪撰』以外では
「奥州安達がはらひとつ家の図」
魯智深爛酔打壊五台山金剛神之図」
「清玄堕落之図」
なんかも好き。