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好きなもの目録 その392 吸血鬼ゴケミドロと散歩する霊柩車

あの『未来少年コナン』の監督――と言っても劇場版だけど……、
佐藤肇監督の『吸血鬼ゴケミドロ』と『散歩する霊柩車』を目録に。
おまけで『怪談せむし男』も付けちゃう。


標題:佐藤肇の散歩するゴケミドロ

分類:映画>邦画>特撮

■題名:吸血鬼ゴケミドロ

監督:佐藤 肇

特技監督:小嶋 伸介

音楽:菊池 俊輔

出演:
吉田 輝雄
佐藤 友美
高 英男
北村 英三
金子 信雄
楠 侑子
加藤 和夫
高橋 昌也
山本 紀彦
西本 裕行
キャシー・ホーラン

発表年:1968年

製作国:日本

評価:B ★★★○

■内容・雑記:
旅客機がUFOと接触し不時着する。
生き残った乗員と乗客は救助隊を待つが、
乗客の中に潜んでいた殺し屋がスチュワーデスを人質に逃走。
しかし、殺し屋の前にUFOが現われ
誘き寄せられるようにUFOの中に入っていくと……。

<登場人物>
杉坂 英 (吉田 輝雄):小型旅客機の副操縦士
一見すると実直で正義感があるように見えるけど、
機内で時限爆弾が仕掛けてあるかもしれない鞄を開けて薬品を溢すし、
殺し屋の寺岡を銃で撃つのを躊躇しライフルで反撃する時間を与え朝倉を人質に捕られたり、
早めに墜落現場から移動すればいいのに(救助隊は来ないのに)
機内に留まることを強行に主張し状況が悪化していくのをただ待つのみの無能。

朝倉 かずみ (佐藤 友美):スチュワーデス。
寺岡の額の傷からゴケミドロが寄生するのを目撃しショックから一時的に記憶を失う。

寺岡 博文 (高 英男):ブルタニア大使を暗殺した殺し屋。
最初にゴケミドロに寄生される。全身白ずくめで見るからに怪しい。

真野 剛造 (北村 英三):有力な政治家。
ウイスキーを飲み過ぎて喉カラカラ。

徳安 (金子 信雄):武器の輸出をしている会社の重役。
真野に便宜を図ってもらうため金や妻を差し出している。
モンスタークレーマー気質。

徳安 法子 (楠 侑子):徳安の妻。夫公認で真野と関係している。
ゴケミドロに洗脳される。
楠侑子は『怪談せむし男』の宗方芳江役。

百武 (加藤 和夫):精神科医。催眠術が使える。
「段々面白くなってきましたね。
精神分析医の目から見て興味ある問題が起こってきましたよ。
水も食料も無い、といって逃げ出すことも出来ない。
こういう時、人間はどうなる?
自分だけが助かりたくてエゴを剥き出しにする。
そうなったらもはや人間じゃない、獣だっ!
弱肉強食の獣の世界と同じことが起こり、最後は皆殺しだ!」
精神科医なのに乗客を安心させるんじゃなく無駄に不安を煽る。
足を滑らせ崖から落ちたところを寺岡のゴケミドロに血を吸われる。
加藤和夫は『怪談せむし男』の弁護士役。

佐賀 敏行 (高橋 昌也):
UFOの存在を信じ「宇宙生物実在論」を唱える生物学者
矢追純一韮澤潤一郎系の人。
「医学も政治も犠牲者によって進歩してきた。
それは否定できない事実なんだ」と、
宇宙生物の研究者としてゴケミドロの吸血の現場を見たいという欲求を抑えられない、
常識人かと思ったら少しマッドサイエンティスト気味。
燃えた寺岡の代わりにゴケミドロに寄生され真野の血を吸う。

松宮 (山本 紀彦):
世の中が面白くないから、旅客機に時限爆弾を仕掛ける。
ゴケミドロの生贄になり自爆。
サルバドール・ダリの絵が好き。

ニール (キャシー・ホーラン):
ベトナムで戦死した夫の遺体が安置してある
岩国の米軍基地に向かうため旅客機に乗る金髪の外国人女性。
「戦争はいやだ! みんなが悲惨になるから(英語)――」
ヒューマニストのふりをして一人で飲料水を全部飲み、
自分が生贄になりそうになると
死ぬのが嫌だとライフルで杉坂を撃つヒステリー女。


<あらすじ>
旅客機に時限爆弾を仕掛けたという脅迫を受け、
副操縦士の杉坂は乗客の手荷物検査をする。
爆弾は見つからなかったがライフルが見つかり、
持ち主の殺し屋・寺岡がハイジャックをするが、
その直後、謎の光る物体と遭遇した旅客機は制御不能に陥り不時着する。
生き残った乗員乗客が救助隊を待っていると、
死んだと思った寺岡が目覚め、スチュワーデスの朝倉を人質に取り逃走する。
逃げた寺岡の前にUFOが現われ、寺岡の額がパックリ割れると
そこにはぐれメタルみたいなゴケミドロが入り込み寄生する。
一部始終を見ていた朝倉は気絶し記憶を失う。
んで、ゴケミドロに生存者が次々と襲われ、
疑心暗鬼や私利私欲のため人間同士の醜い争いになり、
ほんとに怖いのは人間……かなと思ったら、
ゴケミドロに人類が皆殺しにされて、
やっぱゴケミドロ高英男のパックリ割れた顔)が恐いって話。

「ワレワレハ、ウチュウノアルワクセイニスムセイブツ、ゴケミドロダ。
ワレワレハ、イゼンカラチキュウヲネラッテイタ。
ソシテイマ、ワレワレハチキュウニライシュウシタ。
ワレワレノモクテキハ、ジンルイノミナゴロシダ。
ジンルイノメツボウハモクゼンニセマッテイル」

クエンティン・タランティーノが『吸血鬼ゴケミドロ』好きで、
キル・ビル』の真っ赤な空が影響されたみたいだし、
『幽霊屋敷の恐怖 血を吸う人形 - 山本 迪夫』を制作する時に参考にされたとか。
最初、鳥が旅客機にバンバンぶつかって死ぬんすが高度どのくらいなんだろう?
高英男がゆっくりとUFOに誘導される場面を観ると、
「雪の降るまちを」を脳内で歌いながら向かっているように思える。うそ
タイトルがわからない映画をヒントで教えてくれるってあるじゃないっすか、
佐藤友美が出演してて、殺し屋が登場して、爆弾を仕掛けたっていう脅迫――
だけだと『ある殺し屋の鍵』と間違うかな?
私はマタンゴゴケミドロのどちらかにならなきゃいけないんだったら、
マタンゴを選ぶな、楽しそうだから。

宇宙生物に人間の体が乗っ取られるっていうのは
SFでは古典なんだろうけど、
(『SF/ボディ・スナッチャー』『遊星からの物体X』など)
『ゲゾラ・ガニメ・カメーバ 決戦! 南海の大怪獣』を
ゴジラ・エビラ・モスラ 南海の大決闘』みたいなもんだろうと観たら
『ゲゾラ・ガニメ・カメーバ 決戦! 南海の大怪獣』も宇宙生物が寄生する話だったっす。
「ワレワレハウチュウノホウロウシャダ。
アマリニモコウドニシンカシタタメニテモアシモウシナイ
タノセイブツニキセイスルコトデシカイキラレナクナッタ。
(我々は宇宙の放浪者だ。
あまりにも高度に進化したために手も足も失い
他の生物に寄生することでしか生きられなくなった)」
とか言って、イカカニとカメと人間に寄生。
『ゲゾラ・ガニメ・カメーバ 決戦! 南海の大怪獣』は
本多猪四郎監督だけど特技監督円谷英二じゃないので
あまり面白くないかな。

 

分類:映画>邦画>サスペンス / コメディ

■題名:散歩する霊柩車

監督:佐藤 肇

音楽:菊池 俊輔

出演:
西村 晃
春川 ますみ
金子 信雄
曽我廼家 明蝶
岡崎 二朗
宮園 純子
浜村 純
加藤 嘉
小沢 昭一
花澤 徳衛
渥美 清

発表年:1964年

製作国:日本

評価:C ★★★前後

■内容・雑記:
ネタバレしてるんで注意っす。
タクシー運転手の麻見弘(西村晃)は、妻すぎ江(春川ますみ)の浮気を責める。
麻見はすぎ江が自殺したように偽装し、毛利三郎(渥美清)の霊柩車に乗せ
浮気相手の会社社長・北村由之助(曽我廼家明蝶)と
医者の山越堅児(金子信雄)のところに行き強請る。
麻見とすぎ江の二人は手に入れた金を元手に
養豚でも始めて人生をやり直そうというのだ。
麻見のアパートに五百万円を持ってきた北村は、
帰りに死んだものと思っていたすぎ江を見かけ幽霊だと思い心臓発作で死ぬ。
麻見が山越が来るのを待っている間に、
すぎ江は姿を隠すため五百万円を持って外出するが、
実はすぎ江と山越は共謀していてホテルで密会しようとしていた。
すぎ江の若いツバメ小倉民夫(岡崎二朗)と彼女の松田礼子(宮園純子)が
ホテルですぎ江を見かけ、悪戯心から麻見に電話で知らせる。
ホテルに駆けつけた麻見はすぎ江の裏切りを知り幻滅するが、
山越がすぎ江を毒殺しようと企てていることを知り、
逆に麻見とすぎ江の二人は山越を殺してしまう。
ホテルから死体を運び出した二人は山越の勤める病院に向かい、
遺体安置所に隠そうと忍び入ると、そこには北村の死体もすでに安置されていた。
アパートに戻った二人は一息つくが、すぎ江は麻見に睡眠薬を飲ませ、
五百万円を持ち逃げして民夫と一緒になろうとするのだが、
それがバレ、怒った麻見に殺されてしまい本物の死体になりお棺に。
翌日、毛利がお棺を火葬場に運ぶため再び訪れ、
麻見と毛利は霊柩車で出かけるのだが、毛利は目的地に行こうとしない……。

麻見がすぎ江を本当に殺したことを見抜いた霊柩車の運転手の毛利が
麻見を脅して手に入れた金でタクシーの運転手になろうとして、
タクシーの運転手の麻見が毛利を殺して霊柩車の運転手になるっていう逆転現象。
最後は、民夫と礼子の乗るポルシェが後ろをついてくるのを、
殺した亡霊が乗るポルシェが追いかけてくるんだと思い込み
霊柩車が暴走し木に激突して麻見は死ぬ。

民夫がどーやってポルシェを手に入れたのか謎だし、
ヒラヒラ舞う札束にも無関心。
麻見は自分が小男だからか、太めが好きみたいなんで、
タクシー運転手を辞め養鶏をしようとしていたのを養豚に代える。
西村晃金子信雄をおんぶする姿が『怪談せむし男』みたい。
初めて『散歩する霊柩車』を観た時の印象は、
西村晃渥美清金子信雄小沢昭一春川ますみ
などの癖のある役者が出ていて、
街中を霊柩車が走り回って面白いし、
モノクロ画面が雰囲気あるし、話も凝っていて面白いし――と思ったんすが、
観直したら、新鮮味が薄れたせいか前ほど面白さを感じなかったっす。

 

分類:映画>邦画>ホラー

■題名:怪談せむし男

監督:佐藤 肇

音楽:菊池 俊輔

出演:
西村 晃
楠 侑子
加藤 武
葉山 葉子
江原 真二郎
弓 恵子
加藤 和夫
春川 ますみ
鈴木 光枝
桑原 幸子

発表年:1965年

製作国:日本

評価:C ★★△

■雑記:
モノクロ映像がゴシックホラーっぽくて、
西村晃のせむし男も雰囲気があるけど、
ストーリーが何か取っ散らかってる印象。

宗方芳江(楠侑子)は、
愛人の秘書を焙り殺し発狂して死んだ夫の信一が残した遺産の洋館に
夫が発狂した原因を探りに行く。
洋館は不気味なせむし男(西村晃)が管理していた。
遺産の分け前に与ろうと信一の父で精神病院の院長・宗方圭介(加藤武)や、
信一の発狂原因を探ろうする医師・山下隆(江原真二郎)や、
信一の姪?の白川和子(葉山葉子)も洋館にやって来て、
後から、弁護士の磯部(加藤和夫)が
信一の愛人だった横田あけみ(春川ますみ)を連れて来る。
山下と和子は恋人だったみたいなんだけど、
山下は病院のオーナーの娘・藤井秋子(弓恵子)に乗り換え、
圭介に取って代わって院長の座を狙っている。みたいな設定?
その洋館は戦前は富永男爵の持ち物で、
白痴の妻(桑原幸子?)と住んでいたが
憲兵みたいな男に突然襲われ、男爵は地下牢に閉じ込められ、
愛する妻を目の前で奪われた恨みから、
洋館に足を踏み入れた者は全て殺すと呪いながら死んでいく。
それで戦後は、進駐軍の家族が住んでいて、
ジュディとかいう女性がいたけど亡くなったりしたみたい。
せむし男は男爵の弟で兄に代わって洋館に来る人間を殺してるんだけど、
せむし男に親切な和子だけは助けようとするんだけど、
男爵の霊に取り憑かれた和子は自ら焼死する。

途中で、霊媒師(鈴木光枝)が洋館に悪霊が取り憑いているから
って来るんすが、その霊媒師の表情が不気味。

※ネットの情報
(北村和夫Wikipedia や MOVIE WALKER PRESS や 映画.com など)だと
宗方圭介役を北村和夫とかなってるサイトもあるんすが、
「よし、わかった!」とか言わないけど、
どー見ても宗方圭介役は加藤武なんで、
このブログに記す出演者情報も他に間違っているかもしれないんで信用しないでください。