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好きなもの目録 その404 中平康の月曜日のユカと砂の上の植物群

1960年代中頃の加賀まりこは、
キュートでコケティッシュで最高です!
加賀まりこの魅力全開の中平康監督の『月曜日のユカ』が
ちょっと変な映画で面白いので目録に。
ついでに同年公開のこちらも変な『砂の上の植物群』も。


標題:中平康の砂の上のユカ

分類:映画>邦画

■題名:
月曜日のユカ
砂の上の植物群

監督:中平 康

音楽:黛 敏郎

出演:
(※下記『月曜日のユカ』)
加賀 まりこ
中尾 彬
加藤 武
北林 谷栄
梅野 泰靖
波多野 憲
ウィリアム・バッソ

(※下記『砂の上の植物群』)
仲谷 昇
島崎 雪子
稲野 和子
西尾 三枝子
小池 朝雄
高橋 昌也
福田 公子
信 欣三

発表年:1964年

製作国:日本

評価:
B ★★★★
B ★★★☆

■内容・雑記:

『月曜日のユカ』
18歳のユカ(加賀まりこ)は、
恋人の修(中尾彬)とパパ(加藤武)がいて、
男を喜ばすのが生き甲斐で誰にでも体を許すがキスだけは絶対拒絶!
パパはシップチャンドラー(船舶の備品などの提供をする小売業者)で
商談をまとめるため船長(ウィリアム・バッソン)と寝てくれとユカに頼む。
ユカは修との結婚のため10万円で引き受ける。
それを知った修は船長を刺しに行きロープに絡まり事故死。
ユカは船長と寝るがキスを強引にされ逃げ出す。
待っていたパパと波止場を歩いていると
遠くから音楽が流れてきたので二人で踊る……そして、パパを海に突き落とす!
何事も無かったようにユカは歩いていく。

ユカは頭が弱いみたいで、
母(北林谷栄)がパンパンだった影響からか性道徳が緩くて、
他の男とはお金を払ってホテルへ行くのは平気だけど、
修とだけはホテルは不潔だから嫌で、赤灯台や青姦がいいという価値観。
修の友人のフランク(梅野泰靖)は、そんなユカを困らそうと
ビートニク酒場の若い男達にユカを託し八聖殿に連れて行かせ、
誰もユカを抱かないことで逆に辱めるっていう放置プレイ。
ユカは幼少期に母が男とキスをしているのを覗いて、
それを見つけた神父から「アレはこの世で一番いけない恐ろしいことだ!」
みたいな注意を受けたのがトラウマになりキス恐怖症になったみたいなんすが、
神父の言うアレはキスのことではなく性行為のことだと思う。

「日曜は(パパは)家族と過ごすもんなの」とユカが修に言われて、
「日曜がダメなら、私は月曜」ってことで『月曜日のユカ』。

ユカが警官に懺悔する夢を見る場面や、
ユカと母がタクシーで出かけるも途中パンクして関取に助けられる場面
が突然早回しのコメディ演出になるんで、
コメディ映画繋がりで2014年頃にメモしたまま放置してた
『牛乳屋フランキー』をおまけに。

『牛乳屋フランキー』
経営が危ない親戚の牛乳屋を助けるため、長州から東京へ一人の若者がやって来た。
フランキー・ゴーズ・トゥ・トーキョー――みたいなストーリー。
小五郎とか杉とか、フランキー堺の働く牛乳屋は長州藩系みたい。
ライバルのブルドッグ牛乳に店を乗っ取られそうになるのを助けるのが、
南郷隆盛っていう、どう見ても西郷隆盛な(薩摩藩系の)金持ち。
その娘と(日活をパロった頓活の)映画助監督の青年との交際を認めさせようと、
フランキー堺と助監督は錦の御旗を掲げ官軍のコスプレで説得。
見所は、フランキー堺ブルドッグ牛乳に寝返った小沢昭一の牛乳配達勝負!
牛乳瓶が重そうなんで、当時の配達は大変だったんだろうなぁ。
牛乳屋に下宿している石山金太郎っていう、石原慎太郎をパロった男が出てくるんですが、
なんと! アソコで障子をぶち破ります――アソコとは腕(パンチ)のことです。


砂の上の植物群
化粧品のセールスマンの伊木一郎(仲谷昇)は、
公園のベンチで小説の構想を練っていたが上手くいかず
気晴らしに横浜マリンタワーに行く。
そこで女子高生の津上明子(西尾三枝子)と出会い、
口紅をつけていることを注意する。
大人ぶった明子は伊木を誘い肉体関係になるが
意外なことに明子は処女だった。
明子には純潔でいなさいと言うのに、
姉の京子(稲野和子)が店の客とホテルに入っていくのを見て憤慨し、
姉に対する反発で伊木と寝たのだった。
伊木は明子に姉を誘惑して酷い目に遭わせてほしいと頼まれ、
京子と愛人関係になる。
伊木は懇意にしている山田理髪師(信欣三)に、
亡き父と伊木の妻・江美子(島崎雪子)が肉体関係だったのか尋ね、
妻にも父との関係を告白しろと執拗に責める。
山田から父には芸者に産ませた娘がいて、
伊木の腹違いの妹の名前が京子だと知らされ、
歳も同じくらいで明子とは父親が違うという京子が
自分の妹ではないかと焦る。
伊木は京子との情事を明子に見せつけ、京子とも別れようとするが、
結局、京子は自分の妹ではないことがわかり関係を続ける。

題名の『砂の上の植物群』はパウル・クレーからきているみたいなんで
クレーの絵が引用されてる。
原作者の吉行淳之介は、女優の吉行和子が妹で、
宮城まり子が内縁の妻だったみたい。
原作では、伊木は化粧品のセールスマンをやる前は高校教師だったみたい。

伊木は犬の様に街を彷徨き、脚フェチみたいだし、
セーラー服の妹(明子)をホテルに誘うが拒否され、
代わりに姉(京子)にセーラー服を着せて縛ったりする変態。
伊木の家に警官がやって来たので、
明子との淫行がバレたのかと焦ったら、
友人の井村誠一(小池朝雄)が強姦未遂で捕まったので身元引受人の依頼だった。
釈放された井村と伊木が
「内気だから痴漢になる。気持ちが内向して極点に達した時、突然痴漢に変貌する」
とか痴漢談義。

会話場面で伊木が相手の話に興味が無くなると
途中から口パク(無音)になる演出や、
友人の小説家・花田光太郎(高橋昌也)と伊木と井村の男三人で
素人娘のストリップを観に行くんすが、
暗闇の中で微動だにしない三人の顔の目だけ(口だけ)に光が当たる演出や、
京子が伊木の腹違いの妹かもしれないとわかり
「こんな時、あなただったらどうします? 君だったらどうするね?」
と視聴者に問いかけてくる演出や、
伊木と京子がレストランに行くが
他に客が誰もいなかったのに気付くと突然満員になり、
慣れていない所に来て不満げな京子を食事の途中で連れ出し
人の流れに逆行してエレベーターに乗り
扉が各階ごとに開く演出とか面白い。

※以下、他の映画作品のネタバレがあるんで注意。
主役が仲谷昇なんで、
津上明子――横浜マリンタワーで出会った高校三年生、
口紅をつけ経験がありそうな素振りだったが処女。
その姉・京子を誘惑するため酒場「鉄の槌」に行く……
みたいな日記をつけていると思う。
京子の顔にホクロがあるんで稲野和子も出演している
同年公開の『猟人日記』みたいに伊木の奥さんが化けているのかと思った。うそ
クヒオ大佐 - 吉田 大八』は、
外国人のふりをして女を騙す結婚詐欺師の話なんすが、
猟人日記』の頃でも、日本の女性は外人に弱いってのが常識だったのか……。