サイグレアニマン

サイケ、プログレ、アニメ、漫画、映画などの覚書

気になるもの目録 曽根中生の嗚呼!!花の応援団

曽根中生監督の『嗚呼!!花の応援団』シリーズ
嗚呼!!花の応援団
嗚呼!!花の応援団 役者やのォー』
嗚呼!!花の応援団 男涙の親衛隊』
を八年前に視聴した時に書いた駄文の再録っす。

70年代に一大ブームを巻き起こしたどおくまんプロ原作の同名劇画を、
鈴木清順門下の曽根中生(監督)&田中陽造(脚本)コンビで映画化。
ビー・バップ・ハイスクール』や『クローズ』といった
学園ツッパリものの元祖となった大ヒットシリーズ
――らしいです。
『殺しの烙印』などで知られる脚本家グループ
具流八郎(鈴木清順曽根中生田中陽造大和屋竺、他)の作品は
支離滅裂で玉石混交な印象。

私は、『花の応援団』は読んでいないんですが、
子供の頃、『マカロニほうれん荘』の連載が読みたくて
週刊少年チャンピオンを買っていた時(か、その後)かな、
『熱笑!! 花沢高校』の連載が始まって、初めてどおくまんの漫画を目にしたんですが、
その下手糞な絵と下品な内容で好きになれなかったかな。
私は、『ドラネコロック』の連載が読みたくて
月刊少年チャンピオンも買っていた時があって、
そこで『暴力大将』はけっこう好きで読んでいたなぁ。


標題:曽根中生嗚呼!!花の応援団 役者やのォー

分類:映画>邦画>エロ

■題名:
嗚呼!!花の応援団
嗚呼!!花の応援団 役者やのォー
嗚呼!!花の応援団 男涙の親衛隊

監督:曽根 中生

脚本:田中 陽造

音楽:コスモスファクトリー

出演:
宮下 順子
深見 博 (深見 亮介)
放駒 清一 (龍虎 勢朋)
沢田 情児
坂田 金太郎
香田 修 (※『嗚呼!!花の応援団』『嗚呼!!花の応援団 役者やのォー』)
なぎら けんいち (なぎら 健壱 ※『嗚呼!!花の応援団 役者やのォー』『嗚呼!!花の応援団 男涙の親衛隊』)
丘 奈保美 (岡 尚美 / 丘 ナオミ ※『嗚呼!!花の応援団』『嗚呼!!花の応援団 男涙の親衛隊』)

(※下記『嗚呼!!花の応援団』)
今井 均
水原 ゆう紀
伊佐山 ひろ子
安部 徹

(※下記『嗚呼!!花の応援団 役者やのォー』)
井上 治之
宮井 えりな
片桐 夕子
山本 麟一
殿山 泰司
千 うらら

(※下記『嗚呼!!花の応援団 男涙の親衛隊』)
本間 進
川畑 信三
折口 亜矢
泉 じゅん
絵沢 萠子
原崎 長一郎
坂本 長利
陶 隆司

発表年:1976年~1977年

製作国:日本

評価:保留

■雑記:
シリーズもので、一年足らずで三作品が撮られたのに、
どういうわけか主役の青田赤道役が三作品とも違う役者。
(ネットで検索した不確かな情報では、
青田赤道役は一般公募で、一作目の今井均は大手建設会社の社員で、
社長から一作だけ許可を得て出演したらしいっす)

一作目の『嗚呼!!花の応援団』は――
一年ゴミ、二年奴隷、三年人間、四年神様という
大学の応援団のヒエラルヒーの中で悪戦苦闘する一年生コン
富山(香田修)と北口(深見博)の視点で物語が進む。
四年神様の団長、副団長、統制部長、リーダー長の四人組の横暴に耐える一年、二年の団員。
格好だけで弱そうなカマキリ眼鏡の団長・木村(沢田情児)と、
もみあげと髭のハゲ豚副団長・下村(坂田金太郎)がいい味出してます。
そんな四人組も、三年の親衛隊隊長・青田赤道(今井均)だけは腫れ物に触るような扱い。
ひとたび暴れだすと手に負えないのだ。
んで、応援団といえば団旗が命なんですが、
一年生コンビが団旗を虫干ししていたら、タバコのポイ捨てで団旗を焦がして穴を開けてしまう。
このままでは殺されてしまうと、寝ている青田赤道に罪をかぶせ――。
ライバルの浪華大応援団との『クローズ』ばりの大抗争(うそ)や、
大学対抗駅伝に途中から、青田が選手の身代わりで出場して優勝するなどハチャメチャ。
富山がヤクザから助けた商売女・初江(水原ゆう紀)に会いに行くと客を取っている最中で、
初江に向けて富山達応援団が、店の外から応援するという、
なんかちょっと狂気や悲哀を感じさせる終わり。


二作目の『嗚呼!!花の応援団 役者やのォー』は、
青田赤道役の井上治之がガタイもでかいし
原作のイメージ(外見)に一番近いのでは。
んで、なんといっても応援団OBの薬痴寺(なぎら健壱)が凄い!
仮病(本当に体調が悪い?)で応援団の練習を休んでいる団員に、
「役者やのォー」
と言いながら杖で叩きまくる。
夏休みの地獄の合宿でも薬痴寺先輩が大活躍。
北口がストリッパーの花園ローズ(片桐夕子)のヒモになったり、
青田が水商売の女・貴子(宮井えりな)に騙されたり、
最後はなぜかラグビー――。
青田が質屋の親父(殿山泰司)に金の工面を頼むんですが、
その質屋の娘・みすず(千うらら)がまたキャラが立っている。
この映画を観終わったら、男なら誰でも
「役者やのォー」
と口癖のように言ってしまう。
一作目を観て、1970年代の邦画によくあるバカエロ映画だな。
としか思わず、二作目以降は観なくてもいいかと思ったんですが、
『役者やのォー』は観て良かったっす。
見逃していたら後悔したっす。
けっして名作ではないけど迷作!


三作目の『嗚呼!!花の応援団 男涙の親衛隊』は、
青田赤道役の本間進が嵌ってないし、
後半は赤道の父・青田玄道(陶隆司)の剣道の話しがメインになっていて
ストーリーが全然面白くないので駄作かな。
走行中の電車内でのミミズ獲りのシーンが見所かな。
薬痴寺先輩が出てくるのに
「役者やのォー」って決めゼリフ言わないし。
宣材写真を見ると、青田赤道がセーラー服の女子高生に求愛しているんですが、
私が見逃したのか、セーラー服の女子高生なんか出てこなかったんですが……。


私の勝手な応援団のイメージは、バンカラ――
体育会系、喧嘩、恐い、ヤ○ザ予備軍(すんませんイメージです)などや、
あと(1980年代の)大川興業くらいなんですが、
嗚呼!!花の応援団』で一、二年の団員がやらされる余興が大川興業っぽくて、
影響を与えているのかなぁ。

そーとー前にラジオで聴いたんすが、
嗚呼!!花の応援団』(二作目か三作目)のロケを
多摩美術大学付近でやっていたみたいで、
休憩中のなぎら健壱の所へ
まだ素人だった竹中直人宮沢章夫が訪ねていって会話したとか。