サイグレアニマン

サイケ、プログレ、アニメ、漫画、映画などの覚書

好きなもの目録 その414 鈴木則文

鈴木則文監督作品は良い意味で馬鹿馬鹿しくて面白いので
(頭を使わなくていいエンターテインメント作品)
好きな監督なんですが、初見が一番面白いっていうか、
何度も観ると厭きるというか、深みが無いというか、
芸術性とか高尚とかクソ食らえの下品なエロとギャグが持ち味なんで、
それが嵌らないと微妙になるんで、
好きだけど、岡本喜八五社英雄深作欣二、などには及ばず、
石井輝男と同じくらいってのが私の評価です。

私は今までに鈴木則文監督の映画を38作品くらい観てるんすが、
5、6年とか10年くらい前に観たっきりの作品が多くて内容を殆ど憶えていません。
『温泉みみず芸者』
『徳川セックス禁止令 色情大名』
『トラック野郎 度胸一番星』
『吼えろ鉄拳』
文学賞殺人事件 大いなる助走』
などが面白かったかな。

鈴木則文監督作品は
「好きなもの目録 その395 鈴木則文の温泉みみず芸者」
「好きなもの目録 その408 鈴木則文のトラック野郎」
で取り上げたんすが、
ここでは、鈴木則文監督のそれほどでもない作品のメモをしていきます。
後から追記していくと思う……わからんけど。


標題:鈴木則文B級映画

分類:映画>邦画>コメディ

■題名:ドカベン

監督:鈴木 則文

原作・出演:水島 新司

脚本:掛札 昌裕

音楽:菊池 俊輔

出演:
橋本 三智弘
高品 正広 (高品 剛)
永島 敏行
川谷 拓三
中村 俊男 (中村 ブン)
飯塚 仁樹
山本 由香利 (山本 ゆか里)
マッハ 文朱
吉田 義夫
小松 方正
南 利明
佐藤 蛾次郎
中田 博久
田辺 節子
清水 昭博
無双 大介
舟久保 信之
勝 光徳
城 春樹
森 祐介 (森 烈)
高橋 利道
水島 新太郎

発表年:1977年

製作国:日本

評価:C ★★△前後

■雑記:
鈴木則文監督の実写映画版『ドカベン』を
10年くらい前に観たことあったんすが、
東映シアターオンライン」でやってたので久しぶりに視聴。

漫画原作の実写化って色々問題があるっていうか批判を受けるじゃないっすか。
ゴルゴ13 - 佐藤 純弥』
ルパン三世 念力珍作戦 - 坪島 孝』
『瞳の中の訪問者 - 大林 宣彦』
などや実写版『ドカベン』などの
1970年代の漫画実写化作品もバカにされがちですが、
観てみるとそんなに酷くはないです。
実写版『ドカベン』も、『ドカベン』なんで野球のスポ根映画を期待して観ると、
漫画の最初の方の柔道編が物語の中心で
野球は最後の方に水島新司先生の徳川監督がノックするだけっていう
続編が予定されていたのか拍子抜けな終わり。
前に観た時は、実写版『ドカベン』は酷いっていう評判を聞いていたけど、
実際観てみると原作漫画に忠実で漫画的表現を実写に落とし込んでいて
結構面白くて、やっぱ自分の目で確かめないと他人の評価は当てにならないな
と思ったんすが、久しぶりに観直したら
鈴木則文作品を沢山観たこともあり普通かなって感じでした。

最初、本屋の店員が『ドカベン』の単行本を持ってるんすが、
27巻?まで発刊されてた頃みたい。
屏風の虎退治みたいに『ドカベン』を実写化してほしいって
銭将軍が一球さんに無理難題をいうんすが、
看板を突き破って山田太郎が登場するっす。うそ
映画が公開されたのが1977年なんすが、
私は『マカロニほうれん荘』が大好きで
マカロニほうれん荘』の連載が読みたくて
1978年頃に初めて買った週刊漫画雑誌が
週刊少年チャンピオン』なんすよ。
その頃の『週刊少年チャンピオン』の人気は凄くて、
全週刊少年漫画雑誌の中で一番売れてました。(今では信じられないけど)
んで、『マカロニほうれん荘』目当てで『週刊少年チャンピオン』を買うと、
大体、巻頭カラーは『ドカベン』が多かったかな。
子供の私は一話完結のギャグ漫画が好きだったので、
ストーリー(続きモノ)漫画でスポーツ漫画の『ドカベン』には興味が無かったっす。
ドカベン』は人気があるので読んではみるけど、
話の途中からだし試合展開が遅いしで当時は面白さがわからなかったっす。
後でアニメを観たり、漫画も大人になってから最初から途中くらいまで読んだかな……。
水島新司先生の漫画は、小中学生の頃、『男どアホウ甲子園』『一球さん』などを読んで、
アニメ『野球狂の詩』を好きで観ていたくらいかな。

それで、実写版『ドカベン』なんすが、
長島徹(永島敏行)の投げたボールが
山田太郎(橋本三智弘)が間違って振ったマスコットバットの風圧で
ストレートがドロップになったり、
山田がトタンガッパ着たり、
岩鬼正美(高品正広)が相手を骨折させると
イワキっていう複雑怪奇骨折になったりなど漫画的表現がいっぱい。
良い点は、岩鬼役の高品正広が嵌ってて、
嗚呼!!花の応援団』の青田赤道役とか合いそう。
サチ子役の女の子が元気で可愛い。
見所は、川谷拓三の殿馬かな。

 

■題名:パンツの穴

監督:鈴木 則文

音楽:惣領 泰則

出演:
山本 陽一
菊池 桃子
矢野 有美
岩本 宗規
笠原 潔
田中 浩二
山中 康仁
豊原 功補
河合 宏 (和興)
井川 比佐志
春川 ますみ
ハナ 肇
土田 早苗
白木 万理
高沢 順子
武田 久美子
マリアン
服部 まこ (服部 真湖)
清水 章吾
出光 元
小島 三児
島田 洋七
たこ 八郎
上田 馬之助
武田 鉄矢 (※音声のみ)
魔夜 峰央

発表年:1984

製作国:日本

評価:C ★★△

■内容・雑記:
『パンツの穴』公開当時の私は十代の中高生だったんすが、
『BOMB』を読んでいる同級生とかに
『パンツの穴』が映画化されかなりエッチらしい。とか
菊池桃子が可愛い。とかけっこう話題になってました。
日本版『ポーキーズ』が企画コンセプトらしいんすが、
1980年代は『グローイング・アップ』がテレビ放送されたり、
ちょっとエッチな青春映画が中高生の男子に人気があったっす。
当時の私はエッチなモノは好きですが、
邦画やアイドルに興味が無かったので
『パンツの穴』っていうエッチなおバカ映画があるっていうのだけ記憶して、
実際に観たのは公開から30年くらい経って、
鈴木則文が監督しているので興味を持ってやっと視聴したって感じっす。
初見は凄く面白く感じたんすが、数年ぶりに観直したら
やっぱ鈴木則文作品を沢山観たこともあり普通かなって感じでした。
『パンツの穴』の上映時間は112分くらいで、
1970年代の鈴木則文作品より時間が長いんで、
なんか少し間延びしているように感じるかな。
ドカベン』の方が東映のプログラムピクチャーなんで
映画としてのまとまりが良いかな。

んで、『パンツの穴』なんすが、
下品というか健康的なエロとギャグとスカトロ満載のいつものコーブン映画。
『トラック野郎』の世界を中学生の青春に置き換えた感じかな。
よく盗撮が問題になってますが、
(1970年代頃からなのか)1980年代は『投稿写真』とか流行っていて
カメラ小僧とかがいたなぁ。エロ本の自販機とか懐かしい。
ガキの頃、チンチンを股に挟んで女の子!とかやったなぁ。
菊池桃子の弟役の男の子は大人になりバッファロー・ビルと名乗り
羊たちの沈黙』に出ます。うそ)
――など懐古な想いが蘇るっす。

博多から多摩市立緑ヶ丘中学に転校して来た木村一郎(山本陽一)は、
同じクラスの近藤桃子(菊池桃子)に一目惚れし、
橋守(岩本宗規)と山田進(笠原潔)と仲良くなる。
ある日、ムキンポ(木村一郎のあだ名)は
畑で堆肥を撒いていたおじさん(ハナ肇)の手伝いをして自宅に招かれるが、
そこは同じクラスの大石麻衣(矢野有美)の家だった。
桃子と麻衣の可愛いタイプの違う二人を好きになるムキンポ。
またある日、ムキンポと高橋と山田の三人がデパートに行き、
高橋と山田はトイレに入っているのがムキンポだと思い込み、
不良高校生の谷田部(豊原功補)に悪戯をしてしまい、
怒った谷田部を静めようとしたムキンポが
誤って谷田部をクソ塗れにして大激怒させてしまう。
ムキンポの処遇をめぐり高校生の不良グループと
堂園健太郎(田中浩二)を中心にした中学生グループの大決闘に発展するが、
クソ塗れの大乱闘に呆れた通りがかりのUFOの宇宙人(武田鉄矢)が
ションベンをかけ水に流す。
(『竹取物語 - 市川 崑』の最後にUFOが現われるオチに影響を与えたかも?うそ)
んで、体調が悪く体育を休んだ小山英介(山中康仁)がトイレに行く途中、
女子更衣室に忍び込んで下着を物色していると、
女子が戻ってきたので慌ててロッカーに隠れたが突然便意を催し、
小山が好きな麻衣のロッカーの中で漏らしてしまうという悲惨なことになり、
小山は転校することになり、あだ名が地獄のロッカーになるんすが、
麻衣も小山のことが好きだったみたいで二人は仲良くなり、
堂園が落としたロケットペンダントの写真から
桃子のことが好きなことがクラス中にバレ、
それが嬉しかった桃子は堂園と付き合うようになるしで、
ムキンポは二兎を追う者は一兎をも得ずでダブルに失恋する。
私的には、菊池桃子より矢野有美の方が好みだなぁ。とか
豊原功補がこの頃から活躍しているのに驚く。
ラ・ムー(菊池桃子)だからか、(冗談っす)
麻衣のロッカーの扉に
うる星やつら』のテンちゃんみたいな人形が吊り下げられてる。
ムキンポと桃子がデートで行く表参道のカフェバー「KEYWESTCLUB」?は、
カリブ・愛のシンフォニー』でも使われてたなぁ。


カリブ・愛のシンフォニー』は、
鈴木則文監督なのにエロとギャグとスカトロが無くて、
松田聖子神田正輝のメキシコ観光地巡り新婚旅行映画で誰得?って感じ。
東映系の俳優が少ないと鈴木則文の持ち味が出ないのかな。
「人間は結果じゃないと思う。
やるかやらないか、生きたか生きなかったかだ」
「人間は一人で生まれ一人で死ぬ。その間にあるのは戦いなんだ」