サイグレアニマン

サイケ、プログレ、アニメ、漫画、映画などの覚書

好きなもの目録 その351 西谷弘の容疑者Xの献身

春夏秋冬と新しいテレビドラマが始まると
面白そうな(興味を引いた)ドラマを5、6作品くらい観るんすが、
だいたい1、2話くらいで挫折して最後まで観る作品は少ないです。
NHK大河ドラマ』を途中で挫折しないで最後まで観たのが
真田丸』くらいしかなくて、
新選組!』『鎌倉殿の13人』もいつか最後まで観ればいいや……と
途中で視聴が止まってるんすが、
『どうする家康』はまだ惰性で観続けてます。
『どうする家康』は歴史ドラマとしては徳川家康の生涯くらいみんな知ってるだろう……
っていう前提なのか創作や枝葉が多くて軽い感じなんすが、
歴史にそれほど興味ない人とかには観やすいのかな?
脚本が古沢良太なんで、いつか面白くなるだろうと観続けているんすが、
服部半蔵山田孝之)と本多正信松山ケンイチ)のキャラが良いくらいで見所が少ないかな。
でも、ボーッと流し観出来て途中で苦痛になることはまだ無いんでなんとか……。
登場するのかわからないけど早く真田昌幸・幸村親子が出てこないかな。
お市の方北川景子)の侍女・阿月(伊東蒼)は、
お市の方織田信長に小豆袋を送った逸話にかけてるみたいなんすが、
伊東蒼は『空白 - 吉田 恵輔』で万引きを疑われて逃走、
『さがす - 片山 慎三』では万引きした父を迎えに爆走、
『どうする家康』でも長距離を走らされて、そんな役ばっかなのか?

テレビドラマの劇場版(映画)とか、
テレビドラマ版が人気があったから劇場版になるんだろうし、
(テレビドラマ放送前より映画化前提のドラマもあるとは思いますが)
映画だとテレビよりスケールが大きくなると思うんで
全部とは言えないけど面白いモノが多いイメージかな。
それを逆算して、
イチケイのカラス』と『TOKYO MER~走る緊急救命室~』が劇場版をやるくらいなんで、
テレビドラマも面白いのかなと思いゴールデンウィーク前後くらいに観たっす。
(『イチケイのカラス』は「スペシャル」を除いて一ヶ月くらい前に観たんで
もう記憶が曖昧っす。「スペシャル」は最近観たっす)
両作品ともなぜか1話をチェックしてなくて未視聴だったので
ちょっとでも面白ければいいなと軽い気持ちで1話を観たら
両作品とも面白かったので最終話まで一気見!
『TOKYO MER~走る緊急救命室~』は
コード・ブルー -ドクターヘリ緊急救命-』の地上版って感じかな。
主人公・喜多見幸太役の鈴木亮平が凄く良い人なんすが、
顔とかアップになると真面目な場面でも
『HK 変態仮面』『孤狼の血 LEVEL2』とか思い出して、なんか笑っちゃうんすよ。
いつ相手の目を潰すのか、そればかり気になって……うそ。
イチケイのカラス』は、
第3話で『容疑者Xの献身』『真夏の方程式』を、
第10話で『ディア・ドクター』なんかを連想したっす。
イチケイのカラス』の本放送時、食堂などで
「食券を発動します」っていうギャグが流行っていたのかな?
主人公・入間みちお役の竹野内豊に慣れて『さまよう刃』を観るとギャップに驚くかも。
昔の同僚に竹野内豊にソックリの男がいたんすが、
そいつは性格が良くなかったので、そいつと竹野内豊が重なって見える時があるんすが、
竹野内豊は性格が良さそうで安心。


福山雅治が主演してる
『ラストマンー全盲の捜査官ー』観てるんすが、
仕込み杖の居合切りで悪人を斬りまくるのが凄い……うそ。
そして『沈黙のパレード』も観たんすが、
「どうして目糞は目頭から出るのか。実に面白い」
って台詞があるかなと期待したんすが、
龍馬伝』じゃないんで当然ありません。

泣ける映画っていうと、難病で愛する人を失うとか、
困難に立ち向かう家族愛とかの映画が普通なんだろうけど、
私の泣ける映画は『容疑者Xの献身』かな。
観直してると最初の方の、
石神が花岡靖子の弁当屋に行く場面から泣けてくる……。
無関係の第三者を犠牲にするのはいただけないけど。


標題:ガリレオ 容疑者Xの方程式

分類:映画>邦画>ミステリー

■題名:
容疑者Xの献身
真夏の方程式
沈黙のパレード

監督:西谷 弘

原作:東野 圭吾

脚本:福田 靖

音楽:
菅野 祐悟
福山 雅治

出演:
福山 雅治
北村 一輝
柴咲 コウ (※『容疑者Xの献身』『沈黙のパレード』)

(※下記『容疑者Xの献身』)
堤 真一
松雪 泰子
金澤 美穂
長塚 圭史
ダンカン
鈴木 卓爾
品川 祐
益岡 徹
林 泰文
林 剛史
福井 博章
伊藤 隆大
真矢 みき
高山 都

小松 彩夏
渡辺 いっけい
福井 裕子
三浦 誠己
森岡
天田 益男
八木 亜希子
石坂 浩二
リリー・フランキー

(※下記『真夏の方程式』)

風吹 ジュン
前田 吟
白竜
青木 珠菜
豊嶋 花
山﨑 光
田中 哲司
西田 尚美
塩見 三省
根岸 季衣
吉高 由里子
永島 敏行
神保 悟志
綾田 俊樹
筒井 真理子

(※下記『沈黙のパレード』)
飯尾 和樹
戸田 菜穂
田口 浩正
酒向 芳
岡山 天音
川床 明日香
清水 伸
山田 キヌヲ
出口 夏希
村上 淳
吉田 羊
檀 れい
椎名 桔平

発表年:
2008年
2013年
2022年

製作国:日本

評価:
A ★★★★★
C ★★○
D ★★
(※『容疑者Xの献身』が評価:A で、『真夏の方程式』が評価:C で、
『沈黙のパレード』が評価:D ですが、作品の出来は同レベルです。
容疑者Xの献身』の話と登場人物が私の好みで、
真夏の方程式』『沈黙のパレード』の話が普通というだけで、
C や D だからといって評価が低いわけではありません)

■内容・雑記:
映画『容疑者Xの献身』を観た後に、
テレビドラマ『ガリレオ』を第2シーズンの途中くらいまで観たかな?
もう記憶に無いっす。

容疑者Xの献身
石神哲哉(堤真一)は、高校の数学教師で人生に絶望していたが、
アパートの隣の部屋の花岡靖子(松雪泰子)美里(金澤美穂
母娘に生きる希望を貰う。
花岡母娘が、押しかけてきた別れた二番目の夫・富樫慎二(長塚圭史
を殺したことを隣の騒音で察した石神は母娘に助け舟を出す。

アリバイトリックじゃなくて、入れ替わりトリックなんすが、
石神が失意から首を吊ろうとするところに花岡母娘が引越しの挨拶にやってくる。
とりあえず自殺を止め貰った洗面用具をさっそく使おうと石神は銭湯に行くが、
そこで、洗い場の石鹸に足を滑らせ頭を打ち気絶した富樫慎二と
河川敷のホームレスがすり替わってしまう。
という『鍵泥棒のメソッド』みたいなトリックじゃないっす。

花岡靖子は、幸薄そうな元ホステスで、
突発的にDVが酷い別れた夫を娘と協力して殺してしまうんすが、
美人なんで天才数学者の石神が無償で手助けするんすが、
美人じゃなかったら助けなかったのか?
そもそもブスだったら男に付き纏われることもなかったので、
美人には美人の苦労があるんだな。

靖子に気がある昔の恩人・工藤邦明(ダンカン)は、
ダンカンなんで絶対何か裏がある悪い人だと思ったら、そーでもなかった。
石神が靖子のストーカーで工藤に嫉妬心を抱いている――
と思わせて……てのが上手い。
論理的(数学的)頭脳の持ち主でも、
社会的つながりがある美人>社会的つながりがないホームレス
っていう価値観の残酷な話で、
泣けるからオールOKとはならないのが残念なところかな。
そもそも、普通に富樫の死体を見つからないように処理してれば
(ヤクザ以外)誰も探さないし行方不明で終わったのでは?

『ヒート』『フェイス/オフ』『DEATH NOTE』みたいな、
湯川学(福山雅治)と石神哲哉の天才同士の駆け引きの話が好きかな。
アパート暮らしとかは、隣の騒音が気になるんすが、
『聴かれた女 - 山本 政志』
『おと・な・り - 熊澤 尚人』
とか、隣の部屋の物音の映画。


真夏の方程式
天才物理学者の湯川学(福山雅治)は、
海底鉱物資源開発のアドバイザーとして玻璃ヶ浦に向かう電車の中で
柄崎恭平(山﨑光)という少年と出会う。
その少年の親族が経営する緑岩荘に偶然泊まる。
同じ泊り客の塚原正次(塩見三省)は元刑事で、
15年前の三宅伸子(西田尚美)殺しの真相を追い
関係者の川畑節子(風吹ジュン)に話を訊こうとするがけんもほろろ
川畑重治(前田吟)と恭平が花火で盛り上がった夜の翌朝、
堤防で塚原正次が転落死していた。

仙波英俊(白竜)は刑期を終えてるし、
成実(杏)を罪に問えないと思うので、知らん振りして放っておけば、
川畑重治は別に塚原正次を殺す必要はなかったと思うんすが。
ミステリーというより家族愛の人情話。


容疑者Xの献身』では、
衝動から花岡靖子の娘・美里が富樫慎二を殴打するのがきっかけで殺人に至るし、
真夏の方程式』では、
衝動から川畑節子の娘・成実が三宅伸子を刺殺するし、
未成年の少女は何をするのかわからなくて怖い!
容疑者Xの献身』で、
湯川学と石神哲哉が登山するんすが、
吹雪の中、石神が自殺するか真相を感づいて邪魔な湯川を
見捨てるか殺すかするんじゃないかと思ったっす。
真夏の方程式』で、
湯川学と成実がシュノーケリングするんすが、
海の中、成実が自殺するか真相を感づいて邪魔な湯川を
見捨てるか殺すかするんじゃないかと思ったっす。

ガリレオシリーズ』の原作や二次創作のことはわからないんすが、
湯川学が海外に行っていて所在不明とか、
事件・事故に巻き込まれて意識不明とかで難解な事件が解決できない時、
内海薫や岸谷美砂みたいな美人捜査官を
収監中の石神哲哉のところに派遣して捜査協力してもらう
羊たちの沈黙』や『スマホを落としただけなのに 囚われの殺人鬼』
っぽい話がみたい。


『沈黙のパレード』
アガサ・クリスティの『オリエント急行殺人事件』みたいな物語を狙ったんだと思うけど、
成功しているとはあまりいえないかな。
周りのみんなから愛される少女が殺され、
犯人と思しき周りのみんなから憎まれる男が殺される――
果たして男を殺したのは誰なのか?
パレード場面など『容疑者Xの献身』『真夏の方程式』より豪華で制作費がかかってそう。

居酒屋をやっている並木祐太郎(飯尾和樹)真智子(戸田菜穂)夫婦には
娘二人がいて、長女・佐織(川床明日香)は歌の才能があり将来を嘱望され、
次女・夏美(出口夏希)は舞妓さんを目指しているんすが、
実は、佐織は祐太郎の親友・戸島(田口浩正)と真智子との不義の子であり、
佐織自身も恋人・高垣智也(岡山天音)がいながら
歌唱指導を受けている音楽プロデューサー・新倉直紀(椎名桔平)と不倫し妊娠してしまう。
それを知り怒った高垣と新倉の妻・留美檀れい)は共謀して佐織を殺す。
新倉は自分の地位と名誉を守るため
死体の処理を頼んだ蓮沼寛一(村上淳)の口を塞ごうと
蓮沼に恨みを持つ増村栄治(酒向芳)を焚き付け、
ゆるキャラ「キクノン」を使い窒息死させる。
草薙(北村一輝)は以前、蓮沼を罪に問えなかったことが今回の事件を起こした自責の念で沈黙。
――みたいな物語ではないっす。
アリバイ作りにパレードを利用したんだと思うけどまどろっこしいし、
ガリレオシリーズ』だからだろうけど、
わざわざ液体窒素を使うのも不自然かな。
増村が並木に相談せず、増村一人で蓮沼を人気の無い場所(供花村とか)
に連れ出し殺せばいいだけのような……。
増村役の酒向芳はここ数年くらい映画やドラマでよく観るオッサン。
湯川に追い詰められる並木や留美が酒や紅茶に毒を入れるんじゃないかと
ハラハラしたっす。
罪に問えなかった犯罪者を
被害者に関係する地域の共同体の人々が協力して殺害・隠蔽工作するってのは、
『BORDER 警視庁捜査一課殺人犯捜査第4係』の「連鎖 (「第3話」)」でもあったけど、
ミステリーなんかではよくある話なのかな。