「新東宝【公式】チャンネル」でやってる
『乾杯!女学生』って映画の情報は何もなかったんすが
監督が井上梅次だからなんとなく観始めて、
当時(1954年頃)の女学生の恋と友情と家庭環境や学業や成人に向かう悩みなどの
青春映画なのかなと思って観てたんすがちょっと違くて、
雪村いづみの軽快なジャズ映画で面白かったのでメモ。
新東宝の映画は玉石混交でイロモノっていうか、
石井輝男や中川信夫などの作品のイメージが強くて、
私はそんなに作品数観てないけど、
『野良犬 - 黒澤 明』
『西鶴一代女 - 溝口 健二』
『煙突の見える場所 - 五所 平之助』
『たそがれ酒場 - 内田 吐夢』
などが名作で、
『地獄 - 中川 信夫』
『黒線地帯 - 石井 輝男』
『地平線がぎらぎらっ - 土居 通芳』
などが面白かったかな。
雪村いづみは、江利チエミと美空ひばりとの三人娘で有名らしいすが、
私は名前くらいしか知らなくて、
美空ひばりは超有名だし、私も物心がつく頃には知っていたと思うし、
歌が凄い上手いのはわかっていたんすが、
『悲しき口笛 - 家城 巳代治』とか東映の出演作とか観て
改めて素晴らしいエンターテイナーだと思い、
江利チエミは
『ひばり・チエミの弥次喜多道中記 - 沢島 忠』などを観て、
私は美空ひばりより江利チエミの方が気になったりしたんすが、
雪村いづみが、美空ひばりと江利チエミに並んで三人娘って言われるのが
『乾杯!女学生』を観てなんとなくわかったっす。
凄い魅力的っす、トンちゃん。
美空ひばりと江利チエミと雪村いづみの三人娘だけじゃなく、
昔の芸能人って歌や踊りの基本がしっかりしていて
プロフェッショナルでエンターテイナーとして一流だなと思う。
アイドルとかは素人臭いのが魅力になることもあるけど。
標題:キンチョーキンチョー 井上梅次と雪村いづみの乾杯!女学生
分類:映画>邦画
■題名:乾杯!女学生
監督:井上 梅次
音楽:大森 盛太郎
出演:
雪村 いづみ
井波 静子
谷口 香
小沢 路子
荒木 邦子
市村 雅子
中山 昭二
南風 洋子
久保 菜穂子
夏川 静江
沢村 貞子
千秋 実
鬼頭 雅子
宇田 勝太郎
井上 大助
内海 突破
山田 長正
菊地 双三郎
水の江 瀧子
高田 稔
レイモンド・コンデ
与田 輝雄
松本 文男
海老原 啓一郎
河辺 公一
吉本 栄
宮川 協三
安藤 八郎
中村 八大
渡辺 晋
南 広
発表年:1954年
製作国:日本
評価:保留
■内容・雑記:
有名なシャンソン歌手・峰村京子(水の江瀧子)の娘・夕子(雪村いづみ、ニックネーム:トンちゃん)は
進学に有利で寄宿舎もある平和学園に転校する。
父親がいないトンちゃんは学園入学に不利なので
父親は作曲家のカズオ・ミネ(高田稔)だと嘘をついている。
トンちゃんは寄宿舎に入り、舎監の和田先生(南風洋子、ニックネーム:キャロン)や
寄宿舎の女学生ミタムラ・ヨシコ(井波静子、ニックネーム:チビちゃん)達と仲良くなるが、
学園の有力者の娘・竹山君子(谷口香、ニックネーム:サボテン)とは反りが合わず何かと対立する。
トンちゃんはサボテンから寄宿舎に伝わる怪談を聞かされ夜中にトイレに行けなくなり、
怖いのでチビちゃんと連れションに行くがサボテン達に驚かされ尿意も引っ込む。
またサボテン達が驚かしに来たと思い泥棒を捕まえたトンちゃんとチビちゃんは
藤山校長(夏川静江、ニックネーム:餡蜜)や吉本副校長(沢村貞子、ニックネーム:DDT)に褒められるが、
先生達のニックネーム一覧表がバレ叱られる。
投書したサボテンとトンちゃんはステゴロ勝負(キャットファイト)をするが
市川キヨシ先生(中山昭二、ニックネーム:シェーン)に仲裁される。
サボテンから父親のことを問い詰められたトンちゃんは
郵便局でバイトをしている大助君(井上大助)に
父親(カズオ・ミネ)のふりをして手紙を送ってくれるように頼みなんとか誤魔化したが、
そんな時にカズオ・ミネがアメリカから帰朝するニュースが入り、
カズオ・ミネに会わせろというサボテン達寄宿生の圧力に困ったトンちゃんは
カズオ・ミネのもとを尋ねるがけんもほろろに追い返される。
しかし、偶然出会った広岡というオジさんにカズオ・ミネの偽物になってもらい窮地を脱する。
寄宿舎の前に和田先生宛の手紙と共に捨て子が置かれていて
学校(校長)に隠し寄宿舎でトンちゃん達女学生が育てることになる。
んで、それがサボテンの投書でバレて和田先生が学園を辞めることになるんすが、
赤ちゃんは和田先生の親友で藤山校長の娘・芳子(久保菜穂子)の子だとわかり、
なんかみんな号泣していつの間にか解決。
平和学園の創立50周年記念日に本物のカズオ・ミネが来ることになり
トンちゃんは人生の悲哀を感じるのであった。
トンちゃんはメガネっ娘で鼻を弄るのが癖で、
あだ名を付けるのが得意なんすが、
『生きる』の小田切とよとか『プラネテス』のギガルト先生とか
あだ名を付けるのが好きなキャラが出てくるなぁ。
稲葉先生(千秋実、ニックネーム:スポンジボール)は惚けていて面白い。
金目の物が無い女子寮に忍び込んだ泥棒はきっと下着ドロか変質者だと思う。
広岡のオジさんが実は本物のカズオ・ミネだったというご都合主義なんすが
それはいいとして、
リハーサルも無しで突然初めてのバンドと合わせて歌うトンちゃんの凄さ……。