サイグレアニマン

サイケ、プログレ、アニメ、漫画、映画などの覚書

気になるもの目録 湯浅弘章の志乃ちゃんは自分の名前が言えない

2021年3月に書いた駄文の再録っす。

なんか私は、
下妻物語 - 中島 哲也』『花とアリス - 岩井 俊二』
『ベイビーわるきゅーれ - 阪元 裕吾』とかの、
女性(少女)二人組みの女性バディものの作品が好きみたいなんで、
(認めたくないけど、自分の好みは自分自身ではよくわからないっす……)
ホラー映画を観て荒んだ心を癒すため
『ワンダフルワールドエンド - 松居 大悟』『少女邂逅 - 枝 優花』
累 -かさね- - 佐藤 祐市』
そして『さよならくちびる - 塩田 明彦』
とか観てたんすが、『さよならくちびる』から
志乃ちゃんは自分の名前が言えない - 湯浅 弘章』
をなんとなく連想して、
『志乃ちゃんは――』前に観た時けっこう面白かった印象があったので、
久しぶりにまた観返したっす。(※当時)

『さよならくちびる』は、
ハル(門脇麦)とレオ(小松菜奈)のインディーズの女性ギター・デュオ
しのかよ……じゃなくてハルレオが解散ライブツアーを通じ
自分達の関係を見つめ直し新たな旅立ちをする話かな。
作詞・作曲をハルがやっていてレオは添え物って感じの
サイモン&ガーファンクル的な関係にレオがコンプレックスを感じてるんすが、
ホール&オーツのジョン・オーツ的な立場で良いと思う。
ハルはガチレズ勢なことに悩み、
ローディー兼マネージャー兼サポート・ミュージシャンのシマ(成田凌)は
元バンドマンで、ハルのことが好きだけど、ハルはレオのことが好きで、
レオはシマのことが好きっていう三角関係。
門脇麦小松菜奈は女優にしては歌が上手いかな、
特に門脇麦は上手いと思うんすが、
本職ではない俳優が歌手やギタリストなんかの役で演奏する場面とか観ると、
私はなんか恥ずかしくなっちゃうんすよ。
あと、サイケ好きとして印象に残ったのが、
レオがレコード店で手に取ったアルバムをシマに訊ねるんすが、
『THE END OF THE GAME - PETER GREEN』
を取り上げてるっす。

累 -かさね-』は、
漫画をちょっとだけ読んだことあるけど詳しい内容は憶えていないっす。
自分の醜い顔とキスした相手の顔を交換する作用がある口紅を使って
女優として生きる淵累(芳根京子)の話なんすが、
交換する相手が丹沢ニナ(土屋太鳳)なんで、
外見上ほとんど土屋太鳳がメイン。
私は土屋太鳳が苦手で、
芳根京子は『チャンネルはそのまま!』『コタキ兄弟と四苦八苦』なんかの
コメディ演技が好きだし、演技力がある方だと思うんすが、
『累』は、土屋太鳳の演技が凄いです。
土屋太鳳をあまり好きじゃない人も『累』を観れば
土屋太鳳を見直すかも。
顔がニナの累が演出家の烏合零太(横山裕)と初体験したとか軽く話すんすが、
演劇(リハーサル)と現実が混ざった映画なんで、
烏合の赤ちゃんを妊娠したと思い込んだ累が
フォークやナイフを自分の股に突っ込みかき回し血だらけになり
赤ちゃんがいないの……と迫り烏合が変死する事件とか
ニナが昏睡している間にあったんだろうなぁ……それは『喰女 -クイメ-』。
ホラー映画を観ていた後遺症が残ってたっす。
口紅を使い切ったら、他に在庫があるのか?


標題:加代ちゃんは自分の作詞が歌えない

分類:映画>邦画>青春映画

■題名:志乃ちゃんは自分の名前が言えない

監督:湯浅 弘章

原作:押見 修造

脚本:足立 紳

音楽:まつき あゆむ

挿入歌:
あの素晴しい愛をもう一度
翼をください
世界の終わり (※THEE MICHELLE GUN ELEPHANT
青空 (※THE BLUE HEARTS

出演:
南 沙良
蒔田 彩珠
萩原 利久
小柳 まいか
池田 朱那
柿本 朱里
中田 美優
蒼波 純
山田 キヌヲ
奥貫 薫
渡辺 哲

発表年:2018年

製作国:日本

評価:C ★★☆

■内容・雑記:
大島志乃(南沙良)は、人前だと上手く話すことが出来ず(吃音症で)悩んでいる。
高校入学をきっかけに友人を作り楽しい学校生活を夢見ていたが
最初の自己紹介で失敗し最悪の状態に陥り
クラスにいてもいなくても誰も気にしない、ぼっち状態になる。
校舎裏で一人で昼食を食べていると、
同じクラスの岡崎加代(蒔田彩珠)が通りかかるのを見かけ後をつけると
加代は一人で音楽を聴いていてノリノリ。
盗み見しているのがバレ、加代は去ってしまうが、
自転車置き場で志乃が倒した自転車が加代に当たり、
そのことを謝ろうとするが上手く言葉が出ない。
話せないなら書けばいいと加代からメモ帳を貰った志乃は
「おちんちん」の一発ギャグでなんとか加代と仲良くなる。
加代の家に遊びに行った志乃は、加代がギターを弾くことを知り、
何か歌ってくれとせがむ。
笑わないことを条件に弾き語りを始めた加代のあまりの音痴っぷりに
志乃は思わず笑ってしまう。
バカにされたと思い怒る加代から絶交された志乃はある日の放課後、
街で加代を見かけストーカー。
カラオケ店に入ろうとした加代は、そこで中学のクラスメイトとばったり再会し、
音痴をバカにされる。
そこに割って入った志乃により加代の旧友は逃げ、
二人はカラオケをすることに。
志乃が歌はスムーズに歌え美声なことに驚いた加代は
二人でコンビを組み学園祭に出ようと提案。
ユニット名をハルレオ……じゃなくて、しのかよと決めて
路上ライブで経験値を積んでいたら、
そこに偶然クラスメイトの菊地強(萩原利久)が通りかかり
二人がしていることがバレてしまう。
クラスで浮いている菊地が強引に志乃と加代の二人の中に入り込もうとするのに
拒否感で不登校になる志乃。
そのまま、志乃と加代の仲は離れていき、
学園祭には加代が一人で出場する。
そこで加代は志乃に対する思いを歌い、それに呼応して
志乃は自分の心の叫びをあげる。

普通の明るい青春映画だったら、
志乃と加代と菊地のバンドが学園祭で注目を浴びてみんなの見る目が変わる。とか
菊地が身を引いてしのかよ復活。とか
学園祭で志乃の気持ちを知った加代と仲直り。とか
心が叫びたがってるんだ。』みたいに、
志乃が普通に話せるようになる。とかになるんだろうけど、
原作(漫画)の最後がどーなってるのかわかりませんが、
二年生になってクラス替え?で志乃と加代は別々のクラスに別れ疎遠になり、
加代は一人作曲に勤しみ、
菊地は一人校舎裏で昼食を食べる孤独の便所飯、
そして志乃に新しい友人が出来て終わり。っていう
なんかシリアスな最後っす。
学校とか最初が肝心で、そこで失敗すると友達グループに入れず、
そのまま暗い学校生活を送ることになっちゃう。
自分の居場所が無い菊地がしのかよの中に入りたいのはわかるんすが……。

志乃が自己紹介で言葉に詰まった時に
「お、お、お、お、お……、おさむちゃんです!」
「お、お、おむすびが食べたいんだなぁ」
とかボケてればクラスの人気者に……ならないだろうなぁ。
菊地のボケにも反応無くてしらけてたし。

志乃が話せなくなった原因は、子供の頃はお喋りだったが、
お城(ラブホテル)から父が他の女と出てきたのを母に告げ口したせいで両親が離婚になり、
それから話すと腹が痛くなる呪いにかかったから。うそ
大人になった志乃と加代は偶然バイト先のクリーニング工場で再会し、
女性ギター・デュオしのかよを結成。
ローディーの菊地と共に全国ツアーをやるようになるっす。うそ

私はクールで音痴な岡崎加代役の蒔田彩珠の方が好みなんすが、
大島志乃役の南沙良は鼻水を垂らす熱演してます。
蒔田彩珠は『舞妓さんちのまかないさん』でもちょっとだけギター弾いていたな。