サイグレアニマン

サイケ、プログレ、アニメ、漫画、映画などの覚書

好きなもの目録 その210 ピンク・フロイドの狂気

NHK-FMの『夜のプレイリスト』をこの頃はあまり聴いていないんすが、
俳優・声優の山路和弘さん(妻は朴ロ(※王偏に路)美)の週に
ピンク・フロイドの『炎 ~あなたがここにいてほしい』
が放送されたみたいなんで「らじる★らじる」の聴き逃しで聴いたっす。
『夜のプレイリスト』でピンク・フロイドはけっこう流れていて、
『狂気』『アニマルズ』『ザ・ウォール』とか、
『炎 ~あなたがここにいてほしい』もパッパラー河合さんの週で放送されたし。
パッパラー河合さんは中学生時代にプログレに嵌って、
日本盤より安い輸入盤のプログレのアルバムを買うため
柏から秋葉原まで行っていたみたい。
当時日本一のマンモス校だった柏中(学校)は1500人くらい生徒がいて、
プログレ・ファンは俺(パッパラー河合)とヒロタ?君の二人だけ。
俺の人生で好きな曲を3曲選べと言われたら、
キング・クリムゾンの「スターレス」
荒井由実の「晩夏(ひとりの季節)」
この2曲を選ぶとか)

以下、『夜のプレイリスト』の伊藤なつみさんがパーソナリティーの週で、
『狂気 - ピンク・フロイド』が放送された時に書いた駄文の再録っす。
昔のブログの2008年11月15日と2008年12月27日と2009年1月17日と2010年1月18日などの記事の再編っす。

プログレッシブ・ロックを(好きで)聴いている人に、
何(バンドやアルバムなど)が好きか訊いて、
ピンク・フロイドの『狂気』――。とか答えたら、
ミーハーやニワカだとバカにされそうっすが、
極論すれば、
キング・クリムゾン、イエス、エマーソン、レイク&パーマー、ジェネシス
そしてピンク・フロイドの主要アルバムだけを聴いてるだけでプログレは十分っす。
マニアックでマイナーなプログレや、自分好みのB級なプログレや、
イギリス以外のプログレなど、手広く深く漁っても、
結局、クリムゾン、イエスELP、フロイドに戻ってきて落ち着くっす。
(※でも、ヴァン・ダー・グラフ・ジェネレーター、ジェスロ・タルソフト・マシーン
カン、マグマ、アレアなども同じくらい大好きっす)

上記の五つのバンドが五大プログレ・バンドと言われている(日本だけかな?)んすが、
ここ日本ではプログレといえば、
キング・クリムゾンピンク・フロイドというほど
(極一部で)この二バンドの知名度と人気が突出してます。
実際、音楽を聴いたことがなくてもバンド名は知っているとか。
(『ジョジョの奇妙な冒険』などの影響かな)
でも、海外では圧倒的にピンク・フロイド知名度と人気があって、
キング・クリムゾンってマイナーなんですよ。
海外では意外とジェスロ・タル知名度と人気がある。(日本は逆)
ピンク・フロイドって、プログレっていう狭いジャンルを超越して、
ロック、ポップスっていう広いジャンルで有名なんすよ。
(大きなハサミで小魚を爆音攻撃する新種のエビの名前になるくらい)

ピンク・フロイドって他の五大プログレ・バンドと全く違っていて、
同じプログレってジャンルとは思えない音楽性をしております。
人脈的な繋がりも、クリムゾン、イエスELPジェネシスはあるのに、
ピンク・フロイドってほとんど無いっす。
ソフト・マシーンとは仲良かったみたいですが……)
なんていうか音的にも孤高の存在っていうか、
クリムゾン、イエスELPはテクニックばりばりなのに、
フロイドのメンバーは味はあるけどテクニックがあるってわけじゃないし、
ジェネシスみたいにカリスマ・ボーカリストがいるわけじゃないし、
シド・バレットいたけど、すぐいなくなったし)
プログレ界では異端。

そんなピンク・フロイドですが人気、影響力は途方も無いです。
初期の『神秘』『ウマグマ』などのトリップ・サイケ的な音は
ジャーマン・ロックに影響を与えたし。

私がピンク・フロイドの名前を知ったのは、
洋楽を聴き始めた中学生くらいの頃かなぁ。
同じ洋楽好きのクラスメイトが、
ピンク・フロイドは凄い!」みたいなこと言っていたような記憶。
私は、『ベストヒットUSA』で
「アナザー・ブリック・イン・ザ・ウォール」のミュージック・ビデオを観たり、
FMラジオなんかでピンク・フロイドの曲を少しは耳にしたと思うんですが、
まったく興味を引かなかったなぁ。
その頃って、ノリの良い、わかりやすい曲の方が好きだったから。
それから時間が経ち、プログレを聴き始めた頃、
ピンク・フロイドのアルバムを持っている先輩から
ATOM HEART MOTHER』
『THE DARK SIDE OF THE MOON』
『WISH YOU WERE HERE』
『ANIMALS』
などの輸入盤CDを借りて聴いたんですけど、
キング・クリムゾンやイエスプログレに嵌りだした私には、
その全然方向性が違う音楽に、
なんかマッタリとした緊張感の感じられない雰囲気がして、
その時は、あまりピンク・フロイド良いとも思えず、
『狂気』を数回聴いて、他のアルバムは1回サラッと聴いただけで、
すぐCDを返しちゃったんですよね。
後に自分でCD買って、何度も聴くうちに、
その素晴らしさに気づくことになるんですが……。
いつも気づくの、理解するの遅いからなぁ、私は。バカだから……。

ピンク・フロイドを聴くようになって、私はサイケ好きなんで
『夜明けの口笛吹き』は一発で気に入ったんですが、
他のアルバムは、キング・クリムゾン、イエスELPに比べて
最初はあまり良さがわからなかったんすが、何度も聴いてるうちに心の奥底に響くというか、
心象風景を描いたような曲とか、ゆったりとリラックスできる曲とか、
しんみりと考えさせる曲が多くて、
他の五大プログレ・バンドに無い特別なモノがあるのがわかり好きになりました。
あとプログレには珍しくブルースギターなんすよねデヴィッド・ギルモアが。
普通プログレってジャズとかクラシック、
または民族音楽や現代音楽系のサウンドなんすが、
フロイドは音響は凝ってますがブルースロックが基本なんだと思います。
それがアメリカで受けた理由かなぁ。

一時、FEN(Far East Network:極東放送。今は AFN らしい)を聴ける地域に住んでいて、
BGM代わりに聴いていた頃、
ピンク・フロイドの「マネー」がしょっちゅう流れていたんですよね。
(あとドアーズの「ライダーズ・オン・ザ・ストーム」とか)
アメリカ人は「マネー」がそんなに好きなのか……。
レジスターのSEを聴く度に思いました。
なんかピンク・フロイド好きだよなぁ、アメリカ人は。
バカで陽気なイメージのアメリカ人の、ダーク・サイド、心の奥底に響くのか?
はたまたトリップ・ミュージックとして聴いているだけなのか?

『狂気』は長い期間バカ売れしたプログレのアルバムってだけで驚異!


標題:ピンク・フロイドの━▲∈狂気∋▼━

分類:音楽>洋楽>ロック>プログレ

■題名:
THE DARK SIDE OF THE MOON
狂気

名前:
PINK FLOYD
ピンク・フロイド

メンバー:
ROGER WATERS
ロジャー・ウォーターズ
DAVID GILMOUR
デヴィッド・ギルモア
RICHARD WRIGHT
リチャード・ライト
NICK MASON
ニック・メイスン

ミュージシャン:
CLARE TORRY
DORIS TROY
LESLEY DUNCAN
DICK PARRY

エンジニア:
ALAN PARSONS
アラン・パーソンズ

アートワーク (デザイン):
HIPGNOSIS (STORM THORGERSON)
ヒプノシス (ストーム・ソーガソン)

発表年:1973年

製作国:イギリス

評価:S ★★★★★★

■曲目:
01. SPEAK TO ME
___スピーク・トゥ・ミー
02. BREATHE
___生命の息吹き
03. ON THE RUN
___走り回って
04. TIME
___タイム
05. THE GREAT GIG IN THE SKY
___虚空のスキャット
06. MONEY
___マネー
07. US AND THEM
___アス・アンド・ゼム
08. ANY COLOUR YOU LIKE
___望みの色を
09. BRAIN DAMAGE
___狂人は心に
10. ECLIPSE
___狂気日食

『LIVE AT THE EMPIRE POOL, WEMBLEY, LONDON 1974』
『1974年にウェンブリーで行われた『狂気』のライブ音源』

『THE DARK SIDE OF THE MOON EARLY MIX (1972)』
『1972年アラン・パーソンズがエンジニアを務めた『狂気』のアーリー・アルバム・ミックス (未発表)』
01. BREATHE (IN THE AIR)
02. ON THE RUN
03. TIME
04. THE GREAT GIG IN THE SKY
05. MONEY
06. US AND THEM
07. ANY COLOUR YOU LIKE
08. BRAIN DAMAGE
09. ECLIPSE

■雑記:
『狂気』のレコーディング期間は半年に及び、
あまりに長期にわたって作業を続けたため、
メンバーとアラン・パーソンズが正常に音を判断できない状態に陥っており、
外部の人間の意見を仰ぎたいということでクリス・トーマスが招かれた。
(※Wikipedia からの要約)――らしいっすが、
こんな私も、プログレやサイケなどのアルバムを連続で聴いたり、
曲のバージョン違いを何曲も連続で聴いたりしていると、
どれが良くて、どれがあまり良くないのか判断できなくなってくるっす。
どれも良いように思えるし、どれも良くないように思えてくるっす。
プロの編集者が就かない同人作家の作品みたいなもんで、
三者のフィルター(耳や目)を通していないと、
一人勝手な自己満足なモノしかできないっす。

カウボーイビバップ』の「道化師の鎮魂歌」の東風の洗脳改造シーンで、
「ON THE RUN」がトランス風にアレンジされて使われていたんすが、
COWBOY BEBOP CD-BOX』を持っている先輩から
ブックレットを見せてもらったんですけど、
「ON THE RUN」と曲名は書いてあっても、
ピンク・フロイドのピの字も書いてなかったなぁ……。
作曲者の GILMOUR、WATERS、のGもWも無かったなぁ……。
曲の一部分ならクレジット無しでいいのかなぁ……と思ったっす。
(昔のことなんで、今はどーなっているのか知らない)


ピンク・フロイドって凄い人気あるんで、
真似たり同系統の音楽をやるバンドやアーティストが沢山あってもいいと思うんすが、
同レベルのバンドやアーティストって、なかなか無いっすよねぇ。
(あるかもしれないけど、私が知らないだけ)
スティーリー・ダン、ゴドレイ&クレーム (10cc)、
アラン・パーソンズ・プロジェクトなんかが、
ピンク・フロイドの音楽世界に近いんじゃないかと
私は思ってるんですが。

 

■追記のおまけ

ロジャー・ウォーターズは、ナチス親衛隊(SS)風の衣装を着たり、
反ユダヤ主義的な発言をしたりして物議を醸してます。

■題名:
THE DARK SIDE OF THE MOON REDUX
ダーク・サイド・オブ・ザ・ムーン・リダックス

名前:
ROGER WATERS
ロジャー・ウォーターズ

発表年:2023年

製作国:イギリス?

評価:保留

■曲目:
01. SPEAK TO ME
02. BREATHE
03. ON THE RUN
04. TIME
05. THE GREAT GIG IN THE SKY
06. MONEY
07. US AND THEM
08. ANY COLOUR YOU LIKE
09. BRAIN DAMAGE
10. ECLIPSE

■雑記:
『狂気』の50周年を記念してロジャー・ウォーターズが再録。
なんか曲中に歌というより語りがあって、音的に渋くジャジーな感じかな。
頑固爺さんが語る枯れた『狂気』って感じかな。