サイグレアニマン

サイケ、プログレ、アニメ、漫画、映画などの覚書

好きなもの目録 その188 カンのタゴ・マゴ

2月6日に指揮者の小澤征爾さんがお亡くなりになったんですが、
CAN(カン:クラウトロック、ドイツのプログレ)のボーカルだった
ダモ鈴木さんも2月9日にお亡くなりになったようです。
小澤征爾さんは「世界のオザワ」と評されていたんですが、
ダモ鈴木さんもプログレ界では日本を飛び出して世界的な人だと思ので、
「世界のダモ」と評されていいと思います。

2017年1月末に
カンのドラマーのヤキ・リーベツァイトが亡くなった時に書いた記事の再録。


カンは「愛は勝つ」が有名な日本人のシンガーで……(そっちはKAN)
とか冗談言ってる場合じゃないんですが、
日本ではプログレクラウトロックを聴く人以外には
CAN(カン)のことを知らない人がほとんどだと思うけど、
後のパンク、ニュー・ウェイヴ、オルタナティヴ・ロック、エレクトロニック・ミュージック、
ポスト・ロックなどに大きな影響を与えた――と言われるくらい凄いバンド。

そのカンのドラマーのヤキ・リーベツァイトのドラミングは、
メトロノームって言われるくらい正確で機械(非人間)的な特徴がある。
ノイ!のクラウス・ディンガーやグルグルのマニ・ノイマイヤーとか
ドイツ人の(プログレの)ドラマーって、なんか変で良いんですよ。

カンは、ボーカルがマルコム・ムーニーの初期の頃も最高なんですが、
日本人ボーカルのダモ鈴木がいた頃が絶頂期だと思うので、
『タゴ・マゴ』を目録に。
ダモ鈴木がいた頃のカンの代表アルバムは、
動の『タゴ・マゴ』、静の『フューチャー・デイズ』というか、
技の『フューチャー・デイズ』、力の『タゴ・マゴ』みたいな感じで甲乙つけがたいっす。
『フューチャー・デイズ』は後で、「好きなもの目録」に取り上げます――
と書いたけど、いつになることやら……)


標題:ダモ鈴木のカンのタゴ・マゴ

分類:音楽>洋楽>ロック>プログレクラウトロック

■題名:
TAGO MAGO
タゴ・マゴ
EGE BAMYASI
エーゲ・バミヤージ

名前:
CAN
カン

メンバー:
HOLGER CZUKAY
ホルガー・シューカイ
IRMIN SCHMIDT
イルミン・シュミット
JAKI LIEBEZEIT
ヤキ・リーベツァイト
MICHAEL KAROLI
ミヒャエル・カローリ
DAMO SUZUKI
ダモ 鈴木

発表年:
1971年
1972年

製作国:ドイツ

評価:
S ★★★★★★
A ★★★★★

■曲目:
『TAGO MAGO』
『タゴ・マゴ』
01. PAPERHOUSE
02. MUSHROOM
03. OH YEAH
04. HALLELUWAH
05. AUMGN
06. PEKING O
07. BRING ME COFFEE OR TEA

(40TH ANNIVERSARY EDITION)
(タゴ・マゴ・40th・アニヴァーサリー・エディション)
『LIVE 1972』
??. MUSHROOM
??. SPOON
??. HALLELUWAH

『EGE BAMYASI』
『エーゲ・バミヤージ』
01. PINCH
02. SING SWAN SONG
03. ONE MORE NIGHT
04. VITAMIN C
05. SOUP
06. I'M SO GREEN
07. SPOON

■雑記:
嘘か本当か、『タゴ・マゴ』ってアルバム名は、
ヤキ・リーベツァイトがタゴマゴ島(イビサ島東岸にある無人島)で自殺を図ったことがあるかららしい。
「OH YEAH」でダモ鈴木のボーカルが英語で聴き流していると
「一人でそこに座ってる、頭のイカれたヤツ、虹の上からショーベン――」
と日本語が聴こえてくるので驚く。
「HALLELUWAH」のドラミングは人間業とは思えない。
「AUMGN」は混沌とした曼荼羅世界が太古の原始的なリズムにより、
人間の細胞の奥深く眠る記憶、人類が原形質から進化する以前の記憶を呼び起こそうとするかのように、
その神聖な音声(オーム)は響いた……『孔子暗黒伝』みたいなの。うそ
「PEKING O」のアヴァンギャルドっぷりが大好き!
ダモ鈴木の早口言葉のような、うがいをしながら喋っているようなスキャットが凄い。

『エーゲ・バミヤージ』は、
傑作の『タゴ・マゴ』と『フューチャー・デイズ』に挟まって小品って感じで印象が薄いんすが、
『タゴ・マゴ』と『フューチャー・デイズ』の中間って感じで聴きやすいかな。


■題名:
THE LOST TAPES
ザ・ロスト・テープス

名前:
CAN
カン

メンバー:
HOLGER CZUKAY
ホルガー・シューカイ
IRMIN SCHMIDT
イルミン・シュミット
JAKI LIEBEZEIT
ヤキ・リーベツァイト
MICHAEL KAROLI
ミヒャエル・カローリ
DAMO SUZUKI
ダモ 鈴木

録音年:1972年~1973年

製作国:ドイツ

評価:S ★★★★★△

■曲目:
『THE LOST TAPES: CD1』
『ザ・ロスト・テープス:DISC 1』
03. EVENING ALL DAY
09. BUBBLE RAP

『THE LOST TAPES: CD2』
『ザ・ロスト・テープス:DISC 2』
06. SPOON (LIVE)
07. DEAD PIGEON SUITE
08. ABRA CADA BRAXAS
09. A SWAN IS BORN

『THE LOST TAPES: CD3』
『ザ・ロスト・テープス:DISC 3』
05. MESSER, SCISSORS, FORK AND LIGHT
10. MUSHROOM (LIVE)
11. ONE MORE SATURDAY NIGHT (LIVE)

■雑記・備考:
『ザ・ロスト・テープス』のダモ鈴木在籍時の曲だけ。
「DEAD PIGEON SUITE」は「VITAMIN C」の原型。

 

イギリス以外の国の好きなプログレ・バンドを各国一つだけ選べと言われたら、
フランスはマグマ、イタリアはアレア、そしてドイツはカンっすね。

映画『ノルウェイの森 - トラン・アン・ユン』のサウンドトラックで
カンの曲が使われているみたいっす。

私がプログレに嵌るまで、
ヤキ・リーベツァイトのドラムなんて聴いたことないと思ってたんすが、
昔の私はデペッシュ・モードが好きで『ウルトラ』も持ってるんすが
「ザ・ボトム・ライン」でヤキがドラムをやっていたとは。
もっと前に、ユーリズミックスの『イン・ザ・ガーデン』で
ヤキのドラムを聴いてたっす。