サイグレアニマン

サイケ、プログレ、アニメ、漫画、映画などの覚書

好きなもの目録 その215 舛田利雄の対決と血斗

『完全な遊戯 - 舛田 利雄』を芦川いづみが出演してるんで観たんすが、
最初の方は影も形も無くて30分くらい経ってやっと芦川いづみが登場!
宮崎駿アニメのヒロインみたいな性格の松居京子(芦川いづみ)が
大木壮二(小林旭)達学生に騙され陵辱され自殺するっす……。
壮ちゃんとデートしてる時の京子の嬉しそうな表情と、
拉致監禁陵辱され壮二に騙されたことを知った京子の表情の落差が凄いっす。
芦川いづみ好きで寝取られ好きにはたまらん作品になっとります。うそ
有名大学の学生達がレイプ事件を起こしても
上級国民の子弟などで示談で有耶無耶になることが昨今でもあるんすが、
そんな遊び感覚で罪悪感の無い大学生に人生を滅茶苦茶にされる家族の話なんすが、
京子の兄・松居鉄太郎(葉山良二)がヤクザなのに大学生よりなんか弱くて情けない。


2017年6月の再録。

舛田利雄監督の『対決』を視聴したんすが思ってた以上に良くて、
『対決』の続編というか姉妹(兄弟?)作品らしい
『血斗』も楽しみにして視聴したっす。
舛田利雄監督作品は、昔の邦画の中ではスケールが大きく、
ダイナミックで迫力がある。
監督の演出が良いのか、撮影・美術・照明などのスタッフが良いのか、
画面構成が際立っていて、アクションのキレがある。
脚本(ストーリー)はオーソドックスだけど。
私は舛田利雄監督の映画が大好きってほどじゃないけど、
今までで36作品くらい観てるかな。
フィルモグラフィー(関わった作品のリスト)を見ると、
二百三高地』などの大作、『宇宙戦艦ヤマト(劇場版)』のアニメ、
ノストラダムスの大予言』のカルト映画など、
スペクタクルなアクション映画を中心に色んな作品を撮ってる。
巨匠なのに娯楽映画ばかりで芸術映画をあまり撮ってないせいか、
世間や映画評論家などの評価はあまり高くないようなイメージ。
でも、観て損をした。っていう作品はなく、どれも面白いっす。

んで、『対決』と『血斗』はクレジットタイトルの順番としては
満州常役の小林旭が主役だけど、
ほとんど高橋英樹とのダブル主演というより、
高橋英樹の演じる役が話の中心になる主役で、
小林旭の演じる満州常はお助けキャラというかジョーカー。
(私が観たことのある舛田利雄監督・高橋英樹出演の映画は
上を向いて歩こう』『狼の王子』『人生劇場』くらい)

典型的な任侠映画舛田利雄の手にかかると一味違うんで
『対決』と『血斗』を目録に。
恋人を仇に奪われ穢される寝取られ好き必見! うそ


標題:舛田利雄の対決と血斗 ○二郎(高橋英樹)対満州常(小林旭

分類:映画>邦画>ヤクザ映画

■題名:
対決
血斗

監督:舛田 利雄

出演:
高橋 英樹
小林 旭
北林 早苗
三条 泰子
安部 徹
青木 義朗
武藤 章生
杉江 弘

(※下記『対決』)
中谷 一郎
和泉 雅子
玉川 伊佐男
葉山 良二

(※下記『血斗』)
松尾 嘉代
河村 弘二
浜田 寅彦
小高 雄二
郷 鍈治
高品 格
深江 章喜

発表年:1967年

製作国:日本

評価:
B ★★★☆くらい
B ★★★◎~B ★★★○くらい

■内容・雑記:
『対決』は――
大正時代?を舞台にした任侠映画
芝寅一家の直二郎(高橋英樹)達と助っ人の満州常(小林旭)は、
抗争相手の高安一家に殴り込み潰す。
勝利に浮かれ大宴会中を高安一家の残党に襲われ、
暗闇の中、芝田寅吉親分(安部徹)が何者かに殺される。
その場をおさめるため、
代貸の銭山(青木義朗)と直二郎の兄・清太郎(中谷一郎)のどちらが自首するか揉め、
ダチョウ倶楽部状態になり、なぜか直二郎が罪を被り網走刑務所送り。
刑務中に何者かからの刺客に襲われ九死に一生
出所後、故郷に帰るが町や人々の状況は一変していた。
銭山が一家の親分になり、兄は破門されアル中のホームレス。
実は、銭山と兄と高安一家の代貸・益子(玉川伊佐男)が組み、
満州常に芝寅親分を殺させ、
親分から目をかけられ跡目候補だった直二郎を遠くにやり一家を乗っ取る策略だったと知る。
兄は銭山に嵌められ見る影も無く、
直二郎の恋人・おしん(北林早苗)は娼婦に身を落とし病んでいる……。
怒り爆発で暴れまわる直二郎だが多勢に無勢、益子達に捕まり拷問。
直二郎を救い出したのは、憎い親分の仇・ご存知、満州常!

『血斗』は――
昔気質の福吉一家は新興の山辰一家との出入(一家をあげての喧嘩)を準備していたが、
一家の人数は大差でまともには勝負にならない状態。
ヤクザから堅気になった舟大工の清二郎(高橋英樹)に助っ人を頼もうと、
兄貴分の代貸・弥吉(杉江弘)が訪ねて行くが留守で、
山辰一家の親分の息子達・四兄弟に襲われ殺される。
清二郎は福吉一家に戻ることを決意し、
福井吉蔵(河村弘二)親分に金で雇われた満州常(小林旭)と共に抜け駆けし、
山辰一家に奇襲をかけると山岡辰吉(安部徹)親分を脅し町から追い出す。
勝利に浮かれ大宴会中の福吉一家は戻ってきた山辰一家に襲われ全滅。
宴会に呼ばれなかった清二郎と満州常は無事だったが、
福吉親分は契約の切れた満州常に見殺され、
清二郎が慕う福吉親分の娘・昌江(松尾嘉代)は山岡兄弟に凌辱され連れ去られる。
それから三年後、姿を消していた清二郎は故郷に舞い戻るが町や人々の状況は一変していた。
町は山辰一家に牛耳られ、舟大工の親方(浜田寅彦)は廃人同然。
清二郎の思い人・昌江は山岡兄弟の長男・虎太(青木義朗)の情婦となり
娼館の女将におさまっていた……。
親方の娘・鈴(北林早苗)を助け、昌江と会っていた清二郎だが
山辰一家に囲まれ多勢に無勢、山岡兄弟に捕まり拷問(船上に吊るされる)。
清二郎を救い出したのは、
旅役者の坂東菊弥(三条泰子)のロープ(ヒモ)・ご存知、満州常!


『対決』『血斗』とも話の流れは一緒で、
二つの対立するヤクザ一家があって、
(芝寅一家対高安一家、福吉一家対山辰一家)
高橋英樹演じる○二郎の属する一家が
出入や殴り込みで勝ったと喜んで宴会しているところを襲われる。
それから数年後、○二郎が戻ると
恋人は(今風に言うと)風俗に沈められ状況は一変している。
怒り狂い暴れる○二郎だが捕まり拷問。
○二郎を救い出し、復讐の手助けをする満州常――って展開。

『対決』に比べて、『血斗』は途中まで明るいコメディ調なんで
(人が何人か切られているけど)説得(脅迫)?して
山辰一家を町から追い出して安心していると、
突然、凄惨な福吉一家全滅と恋人の凌辱になるんで振り幅が大きい。
満州常のキャラが『対決』より『血斗』の方がおちゃらけている。
『対決』を陰とすると『血斗』は陽かな。
『血斗』の音楽は伊部晴美なんですが、もろ西部劇のサントラなんで、
『血斗』は舞台を日本の大正時代?に移した西部劇って感じ。
『血斗』っていうタイトルのせいか、『対決』に比べて
血しぶきは飛ぶし、腕は切り落とされるしで残虐。
なのに満州常が明るくふざけているので、どこかアンバランス。
『対決』では、直二郎は(満州常以外)復讐を果たし、
罪は兄が肩代りする終わりなんですが、
『血斗』では、清二郎は山辰の息子達を殺すんすが、
肝心の山辰親分は無事で、清二郎と満州常が追ってからなんとか逃げて終わり
という消化不良な感じ。

○二郎はまったくの被害者で嵌められたと同情はしますが、
『対決』は、芝寅親分が直二郎に肩入れしてるのが原因ともいえるし、
『血斗』は、福吉親分が最大の功労者の清二郎と満州常を宴会に呼ばず、
清二郎には堅気に戻れと言い、
満州常には報酬を払ったから町から出て行けと言う薄情さと油断が遠因なんじゃ……。

○二郎の恋人、
『対決』のおしん(北林早苗)と『血斗』の昌江(松尾嘉代)は
○二郎と結ばれず仇に陵辱され落ちるところまで落ちる悲劇のヒロインなんすが、
昔の面影がないおしんに比べて、昌江は勝気さが少し残ってる。
グイン・サーガ』で男勝りの公女・アムネリスが愛妾に落ちたり、
『凄ノ王』で主人公の恋人・雪代小百合が不良グループに輪姦されたり、
日出処の天子』で明るく元気な刀自古が乱暴され陰のある静かな女性に変わったり、
ベルセルク』でキャスカが凌辱され精神崩壊したり、
――などなどの思い入れのある(好きな)キャラ(人物)が
主人公以外に寝取られる展開が好きな特殊性癖の人意外は、
『対決』のお光(和泉雅子)と『血斗』の鈴(北林早苗)っていう
代わりの清純なヒロインが用意されてるので安心してください。うそ