サイグレアニマン

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好きなもの目録 その319 出崎統の華星夜曲とおにいさまへ・・・

久しぶりに出崎統監督のOVA『華星夜曲』を観返したっす、三回目くらいかな。
15年くらい前に初めて観た時は結構面白く思ったんすが、
私の感受性が衰えたせいか、普通(平均的、いつも)の出崎アニメだな。
って感じで衝撃度は薄くなっていたっす。

私は、宮崎駿富野由悠季出崎統が三大アニメ演出家(監督)だと思うんすが、
世間では出崎統より押井守庵野秀明の方が有名な感じがして、
出崎統はもっと評価されていいと思う。
熱すぎる過剰な演出が避けられる世の中なのかも。

私の中では、
赤毛のアン - 高畑 勲』
『おにいさまへ・・・ - 出崎 統』
少女革命ウテナ - 幾原 邦彦』
が男性が観ても傑作の三大女性向けアニメだと思うので
『おにいさまへ・・・』を目録に。
(『おにいさまへ・・・』はネタしか書いてません。
あと付録で『華星夜曲』も)


標題:出崎統杉野昭夫の華星夜曲とおにいさまへ・・・

分類:アニメ>OVA

■題名:華星夜曲

監督・絵コンテ:出崎 統

キャラクターデザイン・作画監督:杉野 昭夫

演出:
篠原 俊哉 (※「第一楽章」「第四楽章」)
水谷 貴哉 (※「第二楽章」「第三楽章」)

美術監督
小林 七郎 (※「第一楽章」)
阿部 行夫 (※「第二楽章」「第三楽章」)
水谷 利春 (※「第四楽章」)

撮影監督:
高橋 宏固
松嵜 泰三

原作:平田 真貴子

脚本:今泉 俊昭

音楽:見岳 章

声優:
野沢 那智
武藤 礼子
鈴木 弘子
小川 真司
関 俊彦
佐久間 レイ

発表年:1989年

製作国:日本

評価:B ★★★△

■雑記:
『華星夜曲』は大正時代を舞台にした昼メロOVA
1990年代前半くらいのOVA全盛時代の作品って
様々な事情で物語の途中で終わるモノが多くて、
『華星夜曲』もなんか中途半端なとこで終わってます。

大正時代、侯爵令嬢の羽生燁子は進歩的な考えの持ち主で、
同い年のメイド・内田沙羅を対等な友人として扱っていた。
二十歳の誕生日を迎え、燁子と沙羅は
燁子の車の運転で銀座に出かけるが裏道で車がエンコしてしまう。
チンピラに絡まれた燁子と沙羅は
沙羅の弟・純一朗の兄貴分ヤクザの鷹に助けられる。
高潔で優しい銀行の頭取の息子・西園寺清州という完璧な婚約者がいる燁子だが、
ヤンキーや不良が好きな非日常に憧れる女子だったので鷹に一目惚れ。
沙羅が清州に憧れていることに気づいている燁子は、
パーティーの夜、沙羅を自分と入れ替わらせ部屋に残し清州を誘い、
燁子は鷹との逢い引きに向かい、それぞれ初体験をしようと企むが……。

なんか沙羅って疫病神っていうかトラブルメーカーなんすよ、
沙羅は清州に拒絶され、燁子も鷹に振られるんすが、
それが元で沙羅はメイドを辞めるんすが、
燁子を世間知らずという沙羅の方が世間知らずっていうか、
給料が良いからって売春を前提としたカフェーに勤めて、
鷹の世話になるのが嫌だからもっと条件の良いカフェーに移ろうとして
騙されて遊廓に売られるし。
鷹は沙羅に惚れてるんで遊廓から救い出すんすが、
それが元で親分や組と揉めて命を狙われる始末。
しかし、証文があるのか知らないけど、金を受け取った描写が無いのに、
遊廓の花井仁吉が沙羅に拘るのはしつこく感じるんすが、
沙羅は支度金貰ったのに使っちゃったのか?
関東大震災後は、沙羅は鷹を探して街を彷徨いて
鷹を追う組員達に捕まり、沙羅を逃がすために三郎が犠牲になるしで。

まぁ実際には、最初から沙羅と鷹は組んでいて、
沙羅か弟が車に仕掛けをして裏道に誘い込みそこでエンコ、
燁子を仲間のチンピラに襲わせそこを鷹が助けるっていう芝居をして、
燁子を鷹がものにして侯爵家の財産を食い尽くし、
沙羅は清州を手に入れ玉の輿っていう計画だと思う。うそ
なんか原作の漫画を読んだことないんですが、
原作だと燁子と清洲がチンピラに絡まれて鷹が助けるみたいなんで、
アニメのヒロインは沙羅だけど、漫画のヒロインは燁子なのかな?
最終話の「第四楽章 ……そして、上海へ」では、
震災で鷹が死んだと聞いた燁子が諦めて清州のモノになるんすが、
よせばいーのに清州が鷹を神戸で見かけたとか言うし……。
案の定、燁子は鷹を追いかけて上海へ、
東京駅で鷹を待つ沙羅は清州と偶然再会する。って終わり。
この後、沙羅と鷹は結ばれないんすが、
燁子と鷹の間に生まれた子供と沙羅と清州の間に生まれた子供が
運命の出会いをして結ばれます。うそ
燁子は鷹を自分のモノに出来ないなら殺して!とか狂ってるんすが、
サロメ』の、預言者カナーンの首を所望するサロメって感じ。
清州は燁子一筋で沙羅の据え膳を食わないんすが、
自分の家のメイドに手を付けたり女郎と遊んだりしてるんで
寄ってくる女には興味無いんだと思う。うそ
燁子と沙羅より、青葉組組長の娘・奈美の方が私は好みなんすが、
再登場しないままOVAは終わってます。

昔に比べて地震が多いっすが、
関東大震災第二次世界大戦後の引き上げとか、
今と違ってネットや携帯が無いから待ち合わせや人捜しが大変で
それだけで引っ張る話が成立するなぁ。
大正時代といえば大正ロマンって感じで憧れるんすが、
実際は貧富の差が酷くて『華星夜曲』みたいなことは無いだろうなぁ。
沙羅の住んでる下町からお化け煙突が見える描写があるんすが、
実際には関東大震災後にお化け煙突が作られたみたいっす。
大正とか昭和初期の時代が舞台でヤクザや遊廓とか出てくるんで、
『陽暉楼』『吉原炎上』などの
五社英雄監督に『華星夜曲』を実写化してもらいたかったかな。

 

分類:アニメ>テレビ

■題名:おにいさまへ・・・

監督・等:出崎 統

キャラクターデザイン・作画監督:杉野 昭夫

撮影監督:高橋 宏固

音楽:羽田 健太郎

発表年:1991年~1992年

製作国:日本

評価:S ★★★★★◎くらい

■雑記:
※ウソしか書いてません。

<登場人物>
御苑生 奈々子:
何も欲しくないって顔をして、全てを奪い去るドロボウ猫。
女を売り物にした媚びた性格で、学園の中心人物達を次々に篭絡する。
ゴミの分別が苦手。(カミソリは燃えないゴミ)

折原 薫:
不治の病(貧乳)を患っている。
ボーイッシュでバスケットボールなどスポーツ万能なのが
少女革命ウテナ』の天上ウテナのキャラ付けに影響を与えたと
私は勝手に考えているっす。

一の宮 蕗子:
ビニール傘を道路に不法投棄する中年マダム。
秘義剣山落としによりソロリティの実権を握り学園を暴力支配。

朝霞 れい:
「はなれの三じゅすとさま」という異名を持つ。
一じゅすとは赤木ナオコに絞殺され、
二じゅすとは零号機で自爆したので、三人目のじゅすとだから三じゅすと。
宮様の「おらといっしょにそろりてぃさいくだ!!」って言葉に弱い。
殺風景な部屋や薬の常用などが
新世紀エヴァンゲリオン』の綾波レイのキャラ付けに影響を与えたと
私は勝手に考えているっす。
メンヘラのヤク中。
朝からカレーを食べるているのは誰だ? 朝霞れい、なんちて

信夫 マリ子:
キャラデザは楳図かずお
朱唇観音(鬼)に取り憑かれているので、唇が赤い。

三咲 綾:
イモ連隊隊長。マリ子の不倶戴天の敵。

有倉 智子:
ポニーテールは正義。奈々子の親友。
高校編入組じゃなかったらソロリティに入れるくらいのポテンシャルはあると思う、
私が一番好きなキャラ。
少女革命ウテナ』の篠原若葉のポジション。

※このブログは、みなさんが諸星大二郎の『妖怪ハンター』を読んでいる前提で
ネタを書いているので、わからない人はごめんなさい。


出崎統が演出するキャラクターは生命力というか力の迸りが凄くて狂気を感じる。
信夫マリ子の描写とか、ほとんど楳図かずおのホラー漫画。
少女革命ウテナ』第1話とかでウテナがバスケするのは
『おにいさまへ・・・』の薫の君のオマージュじゃないのかな。
薫の君が奈々子についての怪文書掲示板から剥がし取るシーンも、
ウテナ掲示板に貼られた若葉のラブレターを剥がすシーンの元ネタなんじゃ。


中途半端なメモっす。
アニメを観直してないので色々間違ってるだろうけど……知らん。
観直したら加筆するかも……。