サイグレアニマン

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好きなもの目録 その431 西村朗の不滅の国を求めて

作曲(家)の西村朗さんが9月7日にお亡くなりになり、
その追悼で放送された
NHK-FMの『現代の音楽』「追悼~作曲家・西村朗(1)(2)」と
『クラシックの迷宮』「作曲家・西村朗を偲んで」を聴いたメモですが、
主に『音楽詩劇「不滅の国を求めて」』だけのメモです。

NHKのサイトって、ちょっと時間が経つと(過去になると)
番組の曲目とか見れなくなるんで、
油断してると何を放送したのか調べるのが大変っす……。

現代の音楽』「追悼~作曲家・西村朗」の白石美雪と沼野雄司の会話によると、
西村朗は特に勤勉で、明るく優しい、年下(若い人)にも威張ることのない性格。
自分(西村朗)が一番素直に書いたのが「光の雅歌」で
作曲途中に武満徹が亡くなったことによる影響がみられる。
西村朗は内面の宇宙を探求した。2003年に大きな病気をして人生観が変わる。
白ワインに氷を入れて飲む。
「ケチャ ~6人の打楽器奏者のための」は、
曲が終わりかな? と思うとなかなか終わらなくて、最後ちょっとビックリする。
「ケチャ」とか聴くと
私はすぐ『交響組曲アキラ - 芸能山城組』を連想しちゃうっす。
「華開世界」は、道元
花々の蕾が時を得て次々に開花していくように、
人の人生を包む時空の中で、世界は一瞬一瞬毎に開花して輝き、
めくるめく生まれ続けていく――って言葉がもとになっている。
西村朗は少年時代にお坊さんになりたくて、
宗教的なものに強く惹かれてきた作曲家。


標題:西村朗の音楽詩劇

分類:音楽>現代音楽>放送音楽

■題名:音楽詩劇 不滅の国を求めて

作曲:西村 朗

語り手:寺田 路恵

歌:
宮原 卓也
渡辺 明

声優:
金内 喜久夫
神保 共子
坂部 文昭
塩島 昭彦
仲 恭司
田村 勝彦
赤司 まり子
鵜沢 秀行
小林 勝也
小野 洋子
三木 敏彦
三津田 健

音楽:
東京フィルハーモニー交響楽団
東京ブラスアンサンブル
パーカッション・グループ72
東京混声合唱
半田 淳子
西田 直文
広野 嗣雄

指揮:森 正

制作年:1979年

製作国:日本

評価:保留

■雑記:
1979年11月15日NHK-FMで放送。西村朗が26歳の時の作品。
台本はイズミキュウジ? って人らしいんすが詳細不明。
ギルガメシュ叙事詩』の世界と20世紀の戦争を重ね合わせるもので、
最後に銀色の蛇と銀色の戦闘機がイメージとして重なってくるところは、
三島由紀夫の「F104」を想起させもする。
西村朗の作曲家としての方向性、美意識や価値観
(アジア、東洋、根源的なもの、生命、生命力、死ぬこと、永遠への憧れ、
法悦境、陶酔境、光と闇のゾロアスター的な二元論、トワイライトゾーン、など)
を音として造形するため(力感溢れるカオスの造形というものに東洋の生命力みたいなのを考えると)
楽器としては打楽器や金管楽器、声楽ではバリトンを好んだ。云々(片山杜秀談)

戦闘機の設計技師が、
戦災孤児である自分が兵器である戦闘機を作っている矛盾にノイローゼになり、
何もかも放り出して永遠の旅に出たいと悩む物語と、
ギルガメシュ叙事詩』の英雄ギルガメシュが永遠の生命を求めて放浪する物語が、
交互だったり同時に進行する。
最後、震電ゴジラに特攻するみたいに、
設計技師が作った銀色の戦闘機に乗った英雄ギルガメシュ
森の怪物フンババに特攻します……うそっす。
銀色の蛇(銀色の翼)が命の草(永遠の生命)を咥えて逃げていって終わり。
五千年の昔、ギルガメシュの旅は終わりました。
しかし、現代の私達の旅は重く苦く何処までも続いていくのです。
生きねば。


ギルガメッシュギルガメシュ)って言葉は、
皆さん『ギルガメッシュないと』で知ったと思うんすが、うそ
私は石森章太郎の漫画『ギルガメッシュ』の単行本の一巻だけ持っていたので、
ギルガメッシュないと』が放送される何年も前から知ってたっす。
んで、『ギルガメッシュないと』の放送期間は、
私はテレビを殆ど観ていなかった時期なので名前は知っているけど番組を観たことないっす。

 

分類:音楽>現代音楽>電子音楽 (ミュージックコンクレート)

■題名:オード・フォー・エクスタシス (エクスタシスへの雅歌)

名前:西村 朗

電子音響:NHK電子音楽スタジオ

発表年:1981年

製作国:日本

評価:保留