ここ何年か、
私が好きだったり影響を受けた
漫画家、作家、監督、アニメーター、ミュージシャン、アーティスト、などの
訃報を聞くことが多く感じるんですが、
現役(創作活動のピーク)を過ぎ60歳以上でお亡くなりになった方々は
残念に思いますが寿命なので仕方がないとも諦めていて、
私はそれほどショックを受けないんですが、
(宮崎駿、山岸凉子、鴨川つばめ、ロバート・フリップ、
などの方々がお亡くなりになったらショックを受けると思うけど)
2010年の今敏監督の訃報には凄いショックを受けました。
まだ若く、これから何本も作品を発表してくれるものと期待していたので……。
私は『輪るピングドラム』が放送されていた2011年くらいまでは
アニメをけっこう観ていたんすが、
『あまちゃん』が放送された2013年くらいから
ドラマや映画(実写)の方を観ることが多くなって、
今ではあまりアニメを観てないっす。
(私の好みのアニメ作品が無いんで)
なんで、好きな今敏監督のアニメ作品も観返してなかったんですが、
久しぶりに『パーフェクトブルー』を観たんですが、やっぱ傑作!
2011年くらいまでは漫画やアニメの二次元に夢中だったので、
(三次元の女性も勿論好きですが)
アイドルや女優とかにそれほど興味が無かったのが
日本のドラマや映画を観るようになり
2013年くらいからアイドルはそれほどでもないけど、
女優に興味を持ったという遅い覚醒。
『パーフェクトブルー』は、日本のB級アイドルや女優が主役の話なんすが、
1997年の前頃って今と違ってアイドル冬の時代だったと思う。
『パーフェクトブルー』は有名作品なんで、
色んなところで論評され尽くしていると思うんで、
昔ブログに書いた駄文の再録くらいしか書いてません。
分類:アニメ>映画
原作:竹内 義和
脚本:村井 さだゆき
キャラクター原案:江口 寿史
美術監督:池 信孝
音楽:幾見 雅博
原画:
本田 雄
松原 秀典
新井 浩一
橋本 晋治
森田 宏幸
野田 卓雄
浜崎 博嗣
山下 高明
橋本 晋治
高橋 しんや
仲 盛文
磯 光雄
他
声優:
岩男 潤子
松本 梨香
辻 親八
古川 恵実子
新山 志保
秋元 羊介
塩屋 翼
篠原 恵美
堀 秀行
江原 正士
陶山 章央
三木 眞一郎
大倉 正章
北野 誠
他
発表年:1997年
製作国:日本
評価:S ★★★★★○
■雑記:
2008年12月に書いた駄文を追記・修正して再録。
今敏監督のアニメは大友克洋監督のアニメと押井守監督のアニメの
後継者というか系統に入るんじゃないかなと思います。
『パーフェクトブルー』を私が最初に知ったのは
『月刊ニュータイプ』の広告だと思います。
海外の映画祭で評判になったなどの煽りで今度DVDが発売されるみたいなの。
その前に記憶が定かじゃないんですが、
一時期『誠のサイキック青年団』を雑音混じりの中聴いていた時があって、
そこで作家の竹内義和さんの原作が今度アニメになるっていう話題を
聞いたような聞かなかったような……。
あとまたうろ覚えなんすが
私に色々影響を与えた映画好きの先輩達が映画観にいって
面白かったと言っていたのが頭にあったと思います。
『スプリガン - 川崎 博嗣』みたいに大友克洋が関わっていることにも興味を惹かれたし。
『パーフェクトブルー』のDVDが発売された当時、
私がアニメを本格的に観始めた頃なので
良さそうなアニメだっていうんで買ってみたんすね。
(1999年1月2日に、『機動警察パトレイバー2 THE MOVIE』『少女革命ウテナ Vol.1』
『CLOSE TO THE EDGE - YES (輸入盤の中古)』などと一緒に購入。
アニメとプログレに嵌まり始めた頃なんで、今から見ると当たりばかりで震える。うそ)
アニメって色々なジャンルのものがあるじゃないですか。
でも不思議と『パーフェクトブルー』みたいな
サイキックホラー(サイコホラー)って少ないような感じが。
モンスターが出てきたり、吸血鬼だったり、
スプラッターでグチョグチョみたいなのはありますが、
精神的な恐さ、人間の恐さを扱ったアニメってあまり無いと思うっす。
『パーフェクトブルー』の詳しいことは書けませんが
アイドルの主人公・未麻がストーカーに狙われる恐怖、
やりたくない仕事(ヘアヌードやドラマのレイプシーン)
のストレスで憎い相手を刺殺する悪夢を観ると
本当にその相手が殺され、ひょっとして自分が……
と自分自身が信じられなくなる恐怖。
そして最大の恐怖が自分の部屋にいるものと思っていたら、
実はマネージャーの部屋だったのに気付く時の背筋の凍る恐怖。
ほんとこのシーンはゾッとしました。
その後の追いかけっこも窓ガラスに映る現実と
マネージャーの幻想を対比して
第三者から見ると滑稽だけどやっている本人達の必死さが恐い。
霧越未麻(岩男潤子)と日高ルミ(松本梨香)が恐怖の追いかけっこをしてる場所は、
当時のマッドハウスがあった阿佐ケ谷のアーケード商店街じゃなかったかな。
美術の赤色が際立っていて、狂気を予見させる。
ダーレン・アロノフスキー監督の
『レクイエム・フォー・ドリーム』『ブラック・スワン』とかが
『パーフェクトブルー』のインスパイアだとか。
今敏作品は夢や妄想や狂気を題材にしていてもどこか理知的な感じ。
今監督って現実と空想・作り物との対比や入れ替えが上手いし。
その頂点が『千年女優』かなぁ
『千年女優』ほんとに凄いんすよレイアウトとか。
現実から映画のシーン、映画のカットから現実へってのが。
(『スローターハウス5 - ジョージ・ロイ・ヒル』の影響みたい)
でも一番最初に観た時、
最後の台詞でズッコケましたが……。
「好きな人を追いかけている自分が好き」っての。
あとで観直すとあくまでも女優なんだからこの台詞もありだな
とは考え直しましたが。
『千年女優』の他にも
『東京ゴッドファーザーズ』
『妄想代理人』
『パプリカ』
と名作・佳作ぞろいです。
あと今監督作品って言えば全作品じゃないですが
平沢進の音楽が聴きモノですぞ。
(『パーフェクトブルー』にも、
平沢進のマンドレイクや P-MODEL ネタがあるみたいですが、どこかわからんす)
あと、今敏監督って絵コンテが緻密で
そのままレイアウトに使えるって有名じゃないですか。
絵コンテが凄い監督って他に
宮崎駿、梅津泰臣、沖浦啓之とか色々思い浮かべるんすが、
絵がとんでもなく上手いってのはいいなぁ。憧れます。
2024年の春ドラマ
『Destiny』
『くるり~誰が私と恋をした?~』
の第1話を観たんすが、
ラブストーリーにサスペンスやミステリーを加えたのが流行りなのかな?
『Destiny』は、石原さとみや亀梨和也や田中みな実などが
二十歳前後の大学生役をやってるんすが、
それから何年後かが舞台なんで老けててもしょうがないかと思ったら、
田中みな実が女子大生のまま死んだっす……。
いっそのこと岩下志麻みたいにセーラー服姿になってほしかった。うそ
『テレビ東京開局60周年記念連続ドラマ 95』の松本穂香は
岩下志麻を見習って女子高生役やってるのに……うそ。
『くるり~誰が私と恋をした?~』は、生見愛瑠が主演なんでなんとなく観る。
めるるのことは知らなかったんすが、
『セクシー田中さん』に出演しているめるるを観て、
引退した好きな××シー女優に似ていて気になってるんすよね。うそ
『くるり』で、ガラスに映った自分と対峙する場面とか観て、
ちょっと『パーフェクトブルー』を連想。
『パーフェクトブルー』はガラスや鏡などを使うのが本当に上手い。
日本の映画やドラマで『パーフェクトブルー』や『ダブルバインド』みたいなのをやってほしいな。
(実写映画『パーフェクトブルー 夢なら醒めて』や
ラジオドラマ『ダブルバインド』とかあるみたいっすが未観未聴)
地上波のドラマではオッパイや毛ボーン、残酷な描写が無理なんで、
動画配信サービスや WOWOW とかじゃないと
サイコホラーもののドラマってやれないんだろうけど。
ちょっと追記で、
『蛇の道 (1998年) - 黒沢 清』がセルフリメイクされたからか、
「角川シネマコレクション」でやってたんで久しぶりに観直したんすが、
新島直巳(哀川翔)と娘が数式を道路に書いているのを見て
『妄想代理人』の謎の老人が数式を書いているのを連想したっす。
『WEEKEND BLUES - 内田 けんじ』で、
ローラーブレードを履いて金属バットで襲ってくるヤツが登場するんすが、
『妄想代理人』の少年バットを連想したっす。
その世界の構造を数式で表すとか、金属バットを持ってローラーブレードを履いた人とか、
元祖というか大元、有名な作品があるんだろうなぁ。知らんけど