サイグレアニマン

サイケ、プログレ、アニメ、漫画、映画などの覚書

好きなもの目録 その292 梅津泰臣のキャラクターデザイン

私はアニメーター(キャラクターデザインや作画監督)の中では
昔から梅津泰臣が大好きなんで目録に。

何度も書いているんすが、若い頃(十代)の私は漫画至上主義で
宮崎駿作品以外のアニメ(特にテレビアニメ)を評価していなかったので
アニメのスタッフの名前とかあまり知らなかったっす。
(監督で名前を知っていたのは
宮崎駿高畑勲富野由悠季出崎統押井守、くらいかな。
キャラクターデザインや作画監督で名前を知っていたのは
安彦良和湖川友謙杉野昭夫美樹本晴彦、くらいで、
あと当時のオタク仲間がいのまたむつみ好きだったので知っているくらい)
漫画好き(オタク)な仲間とつるんでいたんすが、
私以外の人間は漫画と同時にアニメも好き……っていうか、
アニメの方が好きな人間の方が多くて、その影響もあってか
漫画やアニメに興味の無い同年代の普通の人間に比べれば
私はアニメのことを知っていたとは思うっす。
それで、当時のオタク仲間の集まりではよくアニメの鑑賞会というか
アニメ映画やOVAレンタルビデオで借りてきてダビングをしてたっす。
私の所持しているビデオデッキを友人宅に持って行ってダビングしたりするので、
アニメ好きの仲間が借りてきたビデオをダビングするついでに私もダビングして貰ってたっす。
なもんで、1980年代当時の有名なOVAはけっこう観てたっす。
(ダビングしなかったけど、『DAICON IV OPENING ANIMATION』とかも観てた)
んで、『超時空要塞マクロス』のスタッフが作ったOVAの名作
メガゾーン23』も当然観てて良かったので、
続編の『メガゾーン23 PART II 秘密く・だ・さ・い』も観たっす。
当時の私は『メガゾーン23』を観てもキャラクターデザインの
美樹本晴彦平野俊弘の違いもよくわからなかったんすが、
メガゾーン23 PART II』の美樹本晴彦梅津泰臣の違いはさすがにわかったっす。
メガゾーン23』とあまりにも違う『PART II』のキャラデザは
アニメ好きの仲間にはあまり評判がよくなかったかな。
私は平野俊弘のキャラデザも好きだったんすが、
それ以上にリアルで劇画調な梅津泰臣のキャラデザに魅了されて、
あまりアニメーターの名前などを注目しないのに
メガゾーン23 PART II 秘密く・だ・さ・い』を観て
私の頭の中に梅津泰臣の名前がインプットされたっす。
(それまでに『幻魔大戦』や『機動戦士Ζガンダム』を観てたけど
梅津泰臣を意識することはなかった)
1998年に初めてDVDプレーヤーを手に入れて、
最初に購入したソフトが『A KITE VOL.1』と
『黄星(※恥ずかしいんで匿名にしたけど『YELLOW STAR』)』の二本だったくらい
梅津泰臣が好き。

梅津泰臣の代表作は
ウィザード・バリスターズ 弁魔士セシル
だと思うんすが……すんません、うそっす。
代表作は『A KITE』『KITE LIBERATOR』や『MEZZO FORTE
だと思うんすが……ちょっとエロいんで後にして、
キャラクターデザインをしたマイナーなOVAのメモ。


標題:梅津泰臣のキャラクターデザイン

分類:アニメ>OVA

■題名:ロボットカーニバル
プレゼンス

監督・脚本・キャラクターデザイン:梅津 泰臣

美術:山川 晃

音楽:久石 譲

声優:森次 晃嗣

発表年:1987年

製作国:日本

評価:B ★★★☆
(「プレゼンス」のみ)

■内容・雑記:
主人公は妻と娘のいる幸せそうな家庭を持つサラリーマン。
唯一の不満は妻がキャリアウーマンで女性的な魅力に欠けること。
なもんで隠れ家で密かに美少女ロボットを工作。
そしたら美少女ロボットが自我を持って自分に迫ってきたんで
怖くなって破壊。
孫娘を持つ老人になった主人公は昔の思い出――
美少女ロボットのことを回想。
すると美少女ロボットの幻影が現われ主人公を天国に誘うのであった。
みたいな感じかな。

作画は当時の最高レベルで、手の動きや服の皺など
この難しいキャラクターデザインを動かすのか……って驚嘆する。
美術も壁紙や絨毯に細かい模様が描かれていて
普通のアニメでは観られない精緻なモノ。
ストーリーは意味があるようでないようなおまけって感じ。
主人公の声をモロボシ・ダンがやってる。

人間に混じってロボットが普通にいる世界みたいなんすが、
ロボットのおっさんが子供たちに悪戯されても周りは騒がないし、
ゴミ置き場に廃棄されたロボットがあったりと
ロボットに対する扱いがぞんざい。
ロボットの首が取れたりするんで、
主人公が則巻千兵衛で少女を則巻アラレと考えると
Dr.スランプ』の影響がある……わけないか。
主人公は『ファイブスター物語』のファティマ・マイスターや
谷崎潤一郎の『青塚氏の話』に憧れていたのかも。うそ
現代の音楽』の「21世紀の様相 ▽作曲家・久石譲を迎えて」を聴いたんすが、
『ロボットカーニバル』の話を期待していたんすが……うそっす、
ミニマル・ミュージックなどの現代音楽を放送する番組なんで)
当然何も語ってません。


■題名:LILY-C.A.T.

監督:鳥海 永行

キャラクターデザイン:梅津 泰臣

デザイン:
森木 靖泰
天野 喜孝

脚本:星山 博之

声優:
沖田 浩之
勝生 真沙子
阪 脩
榊原 良子
田中 秀幸
千葉 繁
大竹 宏
大塚 周夫
玄田 哲章
山田 栄子

発表年:1987年

製作国:日本

評価:C ★★○

■内容・雑記:
惑星探査のためコールドスリープについた宇宙船の乗員達が目覚めると、
何者かによって勝手に漂流物を収集されていた。
その漂流物は未知の人喰いバクテリアで既に船内は汚染されていた。
乗員達の中に身分詐称の人物が二人紛れ込んでいるという情報に疑心暗鬼になる中、
次々に乗員達は発病もしくはバクテリアに襲われる!

ネタバレっすが、
社長令嬢ナンシーの飼い猫リリィとそっくりのドラえもん……じゃなくて
恐ろしく精巧なネコ型ロボットが別にいて宇宙船をコントロールしてるんすが、
スリードされているんで途中までわからないっす。
話はほとんど『エイリアン』や『遊星からの物体X』っす。
ネコ型ロボット登録番号23703 LILY-C.A.T.は、
『エイリアン』のアッシュ(アンドロイド)や
2001年宇宙の旅』のHAL 9000(人工知能)みたいな役割。
最後にジローとナンシーの二人がスペースシャトルで脱出するんすが、
向かった惑星に無事着陸できるかわからないし、
(『インターステラー』の水の惑星や氷の惑星みたいのだったら最悪だし)
二人もいつバクテリアが発症するかわからない状態だしで
あまり希望のない終わり。

ジローの声が下手だなと思ったら沖田浩之で、
アーノルド・シュワルツェネッガーみたいなキャラがいるなと思ったら声が玄田哲章
服の着替えや銃器などの小物の演出や作画が丁寧。
梅津泰臣のキャラデザを完全には再現されていないけど、
当時としては良くできたアニメだと思う。


■題名:夢枕獏 とわいらいと劇場
夢蜉蝣

キャラクターデザイン・作画監督:梅津 泰臣

声優:
山寺 宏一
鶴 ひろみ

発表年:1991年

製作国:日本

評価:D ★☆
(「夢蜉蝣」のみ)

■内容・雑記:
文緒をストーカーする永室の行動とか、
ちょっとだけ山岸凉子の「ハーピー」を連想したっす。

「四畳半漂流記」は、
橋本晋治のキャラデザがキモくて、
なんか『笑ゥせぇるすまん』みたいな雰囲気。
ルシフェルのキャラデザと動きがディズニーアニメのヴィラン(悪役)みたい。

「深山幻想譚」は『ゆるキャン△

「骨董屋」は、
キャラデザが地味だけど監督・脚本など大平晋也なんで出来が良い。
クズの芸術家崩れが昔の女との修羅場を再び体験。
骨董屋の店名が縁奇堂なんすが
ギルガメシュ叙事詩』のエンキドゥとの関係は不明。


■題名:KI・ME・RA

監督:横田 和

キャラクターデザイン・作画監督:梅津 泰臣

音楽:鷺巣 詩郎

発表年:1996年

製作国:日本

評価:C ★★△

■内容・雑記:
種の存続が危機的な宇宙人ヴァンパイアのマザー(キメラ)が地球で繁殖しようと大奮闘! うそ
スペースバンパイア』みたいな感じかも。
キメラは両性なんすが外見が美少年なんでホモアニメっぽい。
「夢蜉蝣」もそうなんすが、美少女とかに精気や血を吸われるのが定番だな。
作画は梅津泰臣を堪能できて良いんすが、話はあまり面白くない。

 

私は、梅津泰臣大好きなんで関わっている作品をなるべく観ようとしてるんですが、
昔、OVAの『キャシャーン』がDVDで発売された時、
キャラデザ・作画監督梅津泰臣だからって凄い期待して買って観たんですが、
なんか微妙な出来で、(見所はルナのオッパイくらい)
それでタツノコプロOVA作品には興味なくなって、
キャラデザ・作画監督梅津泰臣
OVAの『GATCHAMAN』『新破裏拳ポリマー』をスルーしてたんすが、
観たら作画が安定してるしけっこう出来が良い作品で、
もっと前にチェックしとけばよかったと後悔したっす。


■題名:GATCHAMAN

監督:福島 宏之

キャラクターデザイン・作画監督:梅津 泰臣

メカニックデザイン:山根 公利

音楽:
MAURICE WHITE
モーリス・ホワイト
BILL MEYERS
ビル・メイヤーズ

声優:
小野坂 昌也
石井 康嗣
根谷 美智子
松本 梨香
立木 文彦
沢木 郁也
石塚 運昇
塩沢 兼人
折笠 愛
田中 信夫
大友 龍三郎
岩男 潤子
青野 武
子安 武人

発表年:1994年~1995年

製作国:日本

評価:保留

■内容・雑記:
<話>
01. ガッチャマンVSタートルキング
02. 謎のレッドインパルス
03. ファイナルカウント0002

科学忍者隊ガッチャマン』は、子供の頃観た憶えはあるんですが
内容とかはまったく憶えてないっす。それのリメイク版なのか?

今世界中で、新型コロナウイルスによる不況やデモなんかで不穏な空気が覆い、
テロや内戦、第三次世界大戦ってな状況を感じるんですが。
昔の私は単純に、戦争の直接の原因って偶発的な出来事や
双方の誤解や譲歩をしなかったことなどだと思ってたんですが、
今の私は、なんか紛争や戦争をするのを前提に、
前々から仕掛けられた罠というか時限爆弾みたいな
棚上げになっていた国際問題を頃合いを見て爆発させているんだな。と
どちらが正しいとかの正当性は関係なく、
自分たちの国益のためにわざと喧嘩売ってるんだな。と
国内問題を外交問題に転化する意味もあるんだろうけど。
んで、その世界平和を脅かし世界を支配しようとしている組織の名がわかったっす!
(気象兵器・地震兵器・HAARPケムトレイル、環境改変で世界支配をもくろむ)
その名は、ギャラクター!

氷河期に宇宙からやってきたギャラクターの総裁X(目玉のおやじ)は、
超テクノロジーで人類を裏から操っていたらしいっす。
んで、愚かなる人間どもの時代は終わりを告げたらしく、
おとなしくわがギャラクターの支配を受け入れなければならないらしいっす。
「これは大いなる宇宙の意思である」とか
「逆らうことなど出来ぬのだ」などと意味不明な供述をしており
誇大妄想、ちょっと頭の病院に行ったほうがいい。
まぁ言葉に行動がついていかないと、ハイハイわかりましたお薬出しておきますね。
で終わる話なんすが、
タートルキングとかの超巨大メカで都市を破壊しまくるんで手に負えない。
タートルキングは低気圧を発生させて台風になるし、
南極で見つかったピラミッドみたいな
デストラクト・ウェーブ・システム?は、地震を起し津波をよぶし、
やっぱこの頃の天変地異はギャラクターの仕業だったんだな。
ギャラクターが世界征服をした後の支配者のトップが、
ぶりぶりざ……ベルク・カッツェなんですが、
能力的性格的に問題あるような……。
いいとこは
「ギャラクターに栄光あれ!」って言うときのポーズくらい。

で人類の科学力を圧倒するギャラクターなんすが、
なぜかガッチャマンには勝てない。
そして南部博士がなぜギャラクターの存在を知っていて、
それに対抗できる科学忍者隊を作れたか?
などが最後に明かされる(暗示される)んですが、
なんと! 総裁Xに対するガッチャマンXみたいな宇宙意思がっ!
よく、良い宇宙人と悪い宇宙人みたいに、
地球人に味方する宇宙人と、
地球人を下等生物として支配したり悪さする宇宙人がいる。
みたいなこと言われるじゃないっすか。
今現在の世界の不安定状況を作っているのは
裏で闇で蠢く悪い宇宙人のせいだったんすよっ!
な、なんだってー!!

ストーリーはダイジェストっぽくてそんなにたいしたことないけど、
やっぱ見所は、梅津泰臣のキャラデザ。
昔の『科学忍者隊ガッチャマン』も当時としては劇画調でスタイリッシュだったんすが、
1994年頃の作品としてもファッションとか奇抜。
特に南部博士の博士と思えないファッションセンスと……
そ、それヅラ?みたいな浪花のモーツァルトっぽい髪型とか凄い。
みみずくの竜はサーファーだし、
燕の甚平はスケートボーダーとかラップとかやってそうだし。
残念なのが白鳥のジュンの活躍シーンが少ないというか、
私服とか私生活がもっと見たかったなぁ。

しかしギャラクターの戦闘服とか意味あるのかなぁ?
防御力ほとんどないし、セイウチみたいな牙付きマスクとか。センス最悪なんすが。
ガッチャマンに対するギャラクター最強のジュピター忍団なぜか四人組なんすよ。
一対一の戦いで一人足りないじゃん。とか思ってたら
みみずくの竜がゴッドフェニックスにお留守番ってのを見越した上でのことみたい。
さすがギャラクターの戦術分析力。
(いや、ただ単にアニメスタッフがそーしただけっすが)

音楽が EARTH,WIND & FIRE の
モーリス・ホワイトやビル・メイヤーズ。
EARTH,WIND & FIRE 嫌いじゃないし好きな方なんですが、
でも正直ガッチャマンには合ってないような。
海外展開も睨んでの起用とかなのかな。

南部博士が提唱するマントル計画ってのは、
マンションで違法風俗店を営業すること……ではないと思います。


■題名:新破裏拳ポリマー

監督:新房 昭之

キャラクターデザイン・作画監督:梅津 泰臣

メカニックデザイン:石浜 真史

音楽:矢野 立美

声優:
置鮎 龍太郎
青野 武
宮村 優子
藤本 譲
安井 邦彦
根谷 美智子
たてかべ 和也
大友 龍三郎
玄田 哲章
子安 武人
松本 保典
折笠 愛

発表年:1996年~1997年

製作国:日本

評価:保留

■内容・雑記:
監督は『化物語』(物語シリーズ)や『魔法少女まどか☆マギカ
などで一時代を築いた南澤十八……じゃなくて新房昭之
新房監督は『ぱにぽにだっしゅ!』以降はじけてメジャーになった感じですが、
私は『月詠 -MOON PHASE-』『コゼットの肖像』以前の作風の方が好みです。
『てなもんやボイジャーズ』『ザ・ソウルテイカー ~魂狩~』など、
単色で画面をまとめたり、ステンドガラスや凝ったレイアウト、
1970年代テイストの変なノリとか
江戸川乱歩とか夢野久作っぽい設定とか好きっす。

んで『ポリマー』なんすが
最初に西田さんていうポリマー開発した博士の助手が出てきて
女ポリマーに変身するんですよ。コレがいいっ!
このまま女ポリマーで話が進めばいいんすがそれだとアレなんで……。
主人公(鬼河原武)のもとへ西田さんからポリメットが届けられるんすが
西田さん、武のこと好きだったのかな?
西田さん死んだ後もポリメットの中からあれこれ武に教えます。
(『シン・仮面ライダー』のマスクになった本郷猛みたいなもんかも)

OVAなんでアクションシーンの作画が凄まじいっす。
中澤一登、大橋誉志光、石浜真史吉成曜とか凄いメンツ!
なんか梅津監督の『MEZZO FORTE』の雛形って感じで、
ちょっと寒いギャグのズッコケ探偵モノの要素が少し。
惣流・アスカ・ラングレーの演技そのままの宮村優子がテル役で
物語に花を添えています。

この作品もOVAの宿命か、売れないと続編が作られないせいか、
最後の黒幕、鬼河原武(ポリマー)の兄と思われる
パルサーとの対決も描かれないまま……残念です。