サイグレアニマン

サイケ、プログレ、アニメ、漫画、映画などの覚書

気になるもの目録 田中登と田中真理

ブログは公開なんで、
「好きなもの目録」や「気になるもの目録」では、
好きなエッチな作品や人物などについて書かないことにしてるんすが、
日活ロマンポルノ(1971年から1988年頃の作品)は、
近年ではエロ目的というより映画芸術的に評価されていると思うので
取り上げるっす。

私はあまり日活ロマンポルノを好きではないっす。
日活の一般向映画よりも、
日活ロマンポルノは収録期間や製作費などが半分以下らしいので、
日活ロマンポルノは映像が安っぽく雑で、出演している俳優も
一般向映画に出演している俳優と比べると容姿が微妙で演技も稚拙に思え、
内容(ストーリー)も整合性に欠け陳腐に思えるから。
同じポルノ、ピンク映画でも、
東映ポルノ(東映ピンキー・バイオレンス)は、そのバカバカしさと奇妙さ、
石井輝男鈴木則文の監督作品があるんで好きなんすが。
園子温監督作品とか、下品なエロにエキセントリックな演出、
俳優に無理をさせてる……ようなのが日活ロマンポルノっぽく感じる。
園子温監督は日活ロマンポルノより
石井輝男深作欣二などを目標にしているのかもしれないけど。
十年くらい前とかに、
日活ロマンポルノで評価が高い有名な作品を何本か観たんですが、
悪くはないけど一般向映画に比べると……。
私が凄い面白いって思える作品があまりなかったので
日活ロマンポルノはあまり追っていません。

私は思春期とかに日活ロマンポルノを知ったと思うんすが、
田舎に住んでいる私が、長野に行ったり東京近郊に住むようになって、
繁華街とかで日活ロマンポルノのポスターや看板を見かけると恥ずかしくて
その道を通り辛いなぁ。と避けたり。
中学生の頃に、日活ロマンポルノの紹介が載っているので
『映画の友』を友人が欲しがっていた思い出くらいで、
私はエロは好きですが日活ロマンポルノにあまり興味がなかったです。
実際観てみてもそれほどいやらしいとも感じず。

近年はコンプライアンスに厳しいっていうか、
エロ関連に厳しい状況になり、
AV出演強要被害防止法案や、ビニ本を販売したまんだらけ書類送検
――など、猥褻と思われるエロ関係のソフトが抹消されていく方向を感じるので、
日活ロマンポルノも観れなくなる未来になるかも。

「好きなもの目録」で、
田中登監督の『丑三つの村』をいつか取り上げようと思ってるんすが、
『官能教室 愛のテクニック』を観たら、
けっこう変で印象に残る場面があったので
「気になるもの目録」で取り上げようかなと思い、
田中真理が出演している田中登作品を目録に。


標題:田中登田中真理の日活ロマンポルノ

分類:映画>邦画>エロ

■題名:
夜汽車の女
好色家族 狐と狸
官能教室 愛のテクニック

監督:田中 登

脚本:
宮下 教雄 (典厩 五郎 ※『夜汽車の女』『好色家族 狐と狸』)
中島 丈博 (※『官能教室 愛のテクニック』)

音楽:
坂田 晃一 (※『夜汽車の女』)
奥沢 散策 (山本 直純 ※『好色家族 狐と狸』)
多摩 零 (玉木 宏樹 ※『官能教室 愛のテクニック』)

出演:
田中 真理

(※下記『夜汽車の女』)
続 圭子
織田 俊彦
雪丘 恵介
桂 知子
丹古母 鬼馬二

(※下記『好色家族 狐と狸』)
保留

(※下記『官能教室 愛のテクニック』)
中村 良二
益富 信孝
絵沢 萠子

発表年:1972年

製作国:日本

評価:
C ★★△
不明
C ★★○

■雑記:
『夜汽車の女』
考古学者の水城(雪丘恵介)には、
裕美(続圭子)と冴子(田中真理)の美人姉妹の娘がいて、
大学の研究室では、妹の冴子はヤリマンで有名で
水城家に出入りする助手達と肉体関係にあった。
姉の裕美と助手の有川(織田俊彦)が結婚することになり、
姉大好きっ娘の冴子は二人の仲を邪魔するために有川を誘惑する。
んで、有川は同じ水城の娘なんで冴子に乗り換えようとするんすが、
冴子は不義の子で水城と血が繋がっていないので、
水城の後を継ぎたい有川は裕美との元サヤを求めるクズ。
裕美と冴子と有川の三角関係の話で、
どこらへんが「夜汽車の女」なのかわからないんすが、
裕美と有川が信州の山奥に旅行に出かけたのを、
冴子が夜汽車に乗って追いかけるんすよ。
夜汽車には冴子の他に写真家(丹古母鬼馬二)とモデルや、
途中から瞽女さんが乗ってきて、
突然、葛の葉(信太の狐)みたいなのを三味線で歌いだすっていう
シュールな演出がされてます。

姉妹からバカにされている水城家のメイドのひろ子(桂知子)は
水城の性欲処理もしてるんすが、
家政婦は見た!』みたいに暗躍して家庭を崩壊に導く。
顔は、田中真理>続圭子>桂知子なんすが、
おっぱいは、桂知子>続圭子>田中真理かな。
丹古母鬼馬二の写真家は、キーフ
(『黒い安息日』『アフィニティー』などのジャケットデザインで知られる)
みたいな写真を撮ってるのかな。
助監督は長谷川和彦


『官能教室 愛のテクニック』
高校生のイサオ(中村良二)は、
女体育教師の菊地育子(田中真理)との妄想で頭がいっぱいで勉強が手につかない。
友人達は水商売の女性・おはる(絵沢萠子)で初体験を済ませ
イサオにも勧めるが育子先生で童貞を卒業するんだと断固拒否!
育子と化学教師の森本(益富信孝)が付き合っているのを知ったイサオ
二人の仲を引き裂こうと森本とおはるの濡れ場を育子に見せる。
色々と工作しても二人が別れないので、
イサオは森本を殺す決心をし、化学の実験で森本を爆発させる。
森本は命に別状はなかったが性的不能になってしまう。
それでも育子は森本と結婚する意志に変わりはなかった。
それで、イサオのあまりのしつこさに育子は根負けしイサオに身を委ねるんすが、
それは赤ちゃんを授かるためだった……。

イサオのアクロバット・オナニーっていうか妄想が凄くて、
育子を鉄格子に監禁して放水する場面とか、
茶店のトイレでイサオが育子を襲い、拒否され頭を冷やしなさいと言われ、
便器に顔を突っ込み口に含んだ水を育子の着てるシャツに吹き掛ける場面とか、
育子と森本の絡みでの葡萄とトマトを使った果物プレイの場面とか面白いっす。

サッカーをやっていた元カレが育子に付き纏うんすが、
怪我で足が不自由で振られるんすが、
森本が不能になっても育子が別れないのは、
身体的障害は関係なく元カレは後ろ向きな性格で、
森本は性格が良いからみたい。

『夜汽車の女』もそうなんすが、
日活ロマンポルノの女性はノーブラが多くて、
服を脱ぐとすぐ裸っす。
育子はバレーボール部の顧問でバレーボールの特訓を
ブルマ姿でやってんすがノーブラなんすよ。
男子校なんで襲われない方がおかしい状態。
田中真理はバレーボールの人気ドラマ『サインはV』に出演してたみたいなので、
当時の観客はそれを連想して観てたのかな。
『夜汽車の女』で田中真理が剃刀を振り回していたんすが
『官能教室 愛のテクニック』でも剃刀で襲ってくるっす。

 

昨今、映画監督のハラスメント(セクハラやパワハラ)が問題になってますが、
昭和の邦画を観ると体育会系のハラスメント三昧って感じ。
相米慎二監督の『雪の断章 -情熱-』で
斉藤由貴を荒波のテトラポッドの上に立たせるのを観て
落ちたら死ぬなと思ったり、
『風花』で小泉今日子に雪原を長時間歩かせるのを観て
凄い寒そうだな凍傷になりそうと思ったんすが、
田中登監督の伊藤晴雨と妻をモデルにした
『発禁本「美人乱舞」より 責める!』で
女優を雪積もる寒中の池に入らせるのを観て
映画のためとはいえ狂ってると思う。

好きなもの目録 その107 イエスのライヴ1975

エスのアラン・ホワイトがお亡くなりになったみたいです。
ちょっと前に、ヴァンゲリスの訃報を聞いて残念に思ったばかりなのに……。
アラン・ホワイトはビル・ブルーフォードに比べられ、
それほど評価は高くないかもしれませんが縁の下の力持ちっていうか、
個性豊かなメンバーを支えるイエスに欠かせない存在かな。
私は『海洋地形学の物語』『リレイヤー』のドラムがけっこう好きです。
ドラムセットを盗んだ犯人はアラン・ホワイトの家族に返してあげてください。

そして、デペッシュ・モードのアンディ・フレッチャーも
お亡くなりになったみたいです。
私はデペッシュ・モード好きなんですが、
恥ずかしながら、メンバーの顔と名前をよく知らないんです。
学生の頃、デペッシュ・モードの『ヴァイオレーター』を買ったんすが、
友人とデペッシュ・モードの話を大声でしていて
「『ヴァイオレーター』買ったよ。『ヴァイオレーター』最高!」
みたいな会話を授業終わりにしてたら、周りの学生の反応が変な感じを受けたんすが、
ひょっとして『ヴァイオレーター』が「バイブレーター」に聞こえたのかも……と危惧。
そんな感じで、アルバムをだいたい輸入盤で買って聴いていたので、
写真や映像とかでメンバーの区別がつかないっす。
(1980年代のミュージック・ビデオとかは観てるけど)


私がプログレッシブ・ロックを本格的に聴きだしたのが
1998年の夏からなんですが、最初に嵌ったプログレ・バンドがイエス
1980年代に『ベストヒットUSA』で、
ロンリー・ハート」と「リーヴ・イット」のミュージック・ビデオを観て好きだったので、
アルバム『ロンリー・ハート (90125)』の中古CDを軽い気持ちで買ったのが
泥沼のプログレ地獄に落ちるきっかけだったっす。
んで、半年後くらいの翌年1999年の1月末くらいに、
日本コロムビアから発売された
『ライヴ 1975』
『ライヴ・イン・フィラデルフィア 1979』
を買うくらいになってたっす。
そこ(『ライヴ 1975』)で全盛期のイエスの演奏を観て感動したんですよ。
(その時はまだ、『リレイヤー』や『トーマト』も買ってなくて
聴いたことがない曲もあったけど)

1970年代のイエスのライブ映像がどのくらいあるのか知りませんが、
『イエスソングス』はリック・ウェイクマンがいるけど、
大曲(『海洋地形学の物語』や『リレイヤー』の曲)が少なく、
映像と音質が悪いし、
『ライヴ・イン・フィラデルフィア 1979』は選曲がいまいちなので、
当時のライブの全容がわかり、
パトリック・モラーツの面白い顔も見れる貴重性から
『ライヴ 1975』を目録に。


標題:イエスのライブ映像

分類:音楽 (ミュージックビデオ)>洋楽>ロック>プログレ

■題名:
LIVE 1975 AT Q.P.R.
ライヴ 1975

名前:
YES
エス

メンバー:
JON ANDERSON
ジョン・アンダーソン
CHRIS SQUIRE
クリス・スクワイ
STEVE HOWE
スティーヴ・ハウ
ALAN WHITE
アラン・ホワイト
PATRICK MORAZ
パトリック・モラーツ

録画年:1975年

製作国:イギリス

評価:S ★未確定

■曲目:
01. INTRODUCTION - SOUND CHASER
___イントロダクション~サウンド・チェイサー
02. CLOSE TO THE EDGE
___危機
_____THE SOLID TIME OF CHANGE
_____着実な変革
_____TOTAL MASS RETAIN
_____全体保持 (トータル・マス・リテイン)
_____I GET UP, I GET DOWN
_____盛衰
_____SEASONS OF MAN
_____人の四季
03. TO BE OVER
___トゥ・ビー・オーヴァー
04. THE GATES OF DELIRIUM
___錯乱の扉
05. I'VE SEEN ALL GOOD PEOPLE
___アイヴ・シーン・オール・グッド・ピープル~ムード・フォー・ア・デイ
06. LONG DISTANCE RUNAROUND
___遥かなる想い出
07. THE CLAP
___ザ・クラップ
08. AND YOU AND I
___同士
_____CORD OF LIFE
_____人生の絆
_____ECLIPSE
_____失墜
_____THE PREACHER/THE TEACHER
_____牧師と教師
_____APOCALYPSE
_____黙示
09. RITUAL
___儀式
10. ROUNDABOUT
___ラウンド・アバウト
11. SWEET DREAMS
___スウィート・ドリームス
12. YOURS IS NO DISGRACE
___ユアズ・イズ・ノー・ディスグレイス

■備考・雑記:
1975年5月10日、イギリスのクイーンズ・パーク・レンジャーズでのライブ。
DVDだと二枚で、
「イントロダクション~サウンド・チェイサー」から「ザ・クラップ」までがVOL.1、
「同士」から「ユアズ・イズ・ノー・ディスグレイス」までがVOL.2と別れています。
お馴染みのストラヴィンスキーの『火の鳥』の終曲が流れ出し、
エスのライブが始まるなぁ。ってイントロダクション。
白い緞帳が開いて、全員白い衣装の5人が登場。
最新アルバムが『リレイヤー』の頃のツアーなので、
白で統一しているのかな?
(『リレイヤー』のアルバムジャケットが白が基調なんで)
ジョン・アンダーソンはカルト教団のグルって感じの白い簡素な衣装。
スティーヴ・ハウとパトリック・モラーツの衣装は、
なんか『伝説巨神イデオン』のバッフ・クランが着てそうな感じ。
クリス・スクワイアの白いジャケットには、
背中や肘やフロントに赤い薔薇の模様があるんだけど、
魔太郎がくる!!』をリスペクトしているのかも。うそ
アラン・ホワイトは(ホワイトだけに)白いタンクトップにジーパン。
一曲目の「サウンド・チェイサー」は、サウンドチェックも兼ねているのか、
各楽器の音量調整が悪く、
スティーヴ・ハウのギターの音がほとんど聴こえない。
(映像で指使いが観れるのが救いだけど……)
「危機:盛衰」は、大量のスモークで舞台上が観えない。
「遥かなる想い出」は、
パトリック・モラーツのピアノのインプロビゼーションが聴ける。
ライブ開始は明るかったのに、だんだん暗く(日が暮れる)なっていく。
「同士」は、クリス・スクワイアのハーモニカ(ブルースハープ?)が観れる。
「儀式」は、クリス・スクワイアのベース・プレイを堪能。
ジョン・アンダーソンとクリス・スクワイ
(あとスティーヴ・ハウもかもしれないけど映像ではよくわからない)
がパーカッションに加わり大迫力の打楽器大会で(太鼓で)太古のリズムを刻む。
んで大熱狂のうちに終わり、興奮冷めやらずアンコールに突入。
舞台袖に引っ込んだメンバーが再び登場するんですが、
ここでこのライブの最大の見所がっ!
パトリック・モラーツが舞台に登場するときにこけるんすよ。
それを見たスティーヴ・ハウが、モラーツを蹴る素振りをするという、
今まで築き上げた感動を台無しにするモラーツのドジっ子ぶり。
アンコールの「ユアズ・イズ・ノー・ディスグレイス」では、
スティーヴ・ハウとパトリック・モラーツが、
ギターとキーボードでインプロの掛け合いしているので、
仲は悪くないんだろうけど。

ライブのセット(美術)のデザインはロジャー・ディーンなんだろうけど、
今観るとショボい。
ライブの前半は明るかったのでスモークくらいだった演出が、
後半は暗くなったので照明の演出が派手にあるんですが、
平面の小さいミラーボールがキラキラと輝くのがうら寂しい。

ライブ音源(ライブ・アルバム)を聴くだけだと、
どんな演奏をしているのか想像するしかないんですが、
映像があると凄さがもっとわかって良い。
音だけだと、ジョン・アンダーソンは歌以外は暇そうでいいなぁ。
(楽器演奏部分が長いから)って思うんですが、
実際は、フルート吹いたり、サイドギター弾いたり、
タンバリンや各種のパーカッションを叩いたりで大忙し。
(「錯乱の扉」では、爆発音のサウンドエフェクト用に
キング・クリムゾンの『アースバウンド』みたいな
VCS3シンセサイザーに繋げたパーカッションを叩いているみたい?)
全盛期のスティーヴ・ハウのギターの指使いや、
ペダルスティール・ギターやダブルネック・ギターの演奏を観れるし。

クリス・スクワイア好きの永野護が16歳の時に、
「前衛クラシックの王者 イエスオンステージ」っていう、
この頃?のメンバーのフィギュアを作ってるっす。


■おまけ

■題名:
THE VERY BEST OF RICK WAKEMAN CHRONICLES
LIVE1975
(RICK WAKEMAN IN CONCERT)
ライヴ1975

名前:
RICK WAKEMAN
リック・ウェイクマン

録画年:1975年

製作国:イギリス?

評価:保留

■曲目:
01. CATHERINE PARR
___キャサリン・パー
02. GUINEVERE
___王妃グィネヴィア
03. JOURNEY TO THE CENTRE OF THE EARTH
___地底探検
_____THE JOURNEY
_____旅路
_____THE RECOLLECTION
_____追憶
_____THE BATTLE
_____戦い
_____THE FOREST
_____樹海
04. CATHERINE HOWARD
___キャサリン・ハワード
05. MERLIN THE MAGICIAN
___魔術師マーリン
06. ANNE BOLEYN/REPRISE FROM THE FOREST
___アン・ブーリン~樹海

■備考・雑記:
1975年2月4日、オーストラリアのメルボルンシドニー・マイヤー・ボウルでのライブ。

リック・ウェイクマンが初っ端から日本批判。
LとRの(発音の)区別が無いとか、
英語圏に戻ってこれて本当に嬉しいとか、
あーだこーだ……。
白いマントに身を包み、金髪で長髪のリック・ウェイクマンは、
まさに魔術師かエルフのようなんですが、
顔はちょっとゴブリンが入ってるかな。
カメラワークが悪いというか、リックの手元がキーボード群に隠れて、
その華麗な指使いがあまり見えない。
(後半に少し指使いが見えるけど)
ミラーボールが、イエスの『ライヴ 1975』と同じように出てくるんですが、
こっちはちゃんと球体です……しかし、なんか変な手作り感があるっす。
当時はミラーボールを作るのが難しかったのかな?
『地底探検』の演出で怪獣が出てくるんすが、
円谷プロに頼めばよかったんじゃ……ただの空気嫁なんすが。
(怪獣は当時、二体で百万円したみたいっす)
ちゃちいんで庵野秀明監督に『シン・地底探検』を作ってもらうしかない。うそ
ステージ上手に語りの人(テリー・タプリン)が、
エマニエル夫人(シルビア・クリステル)が座るみたいな籐椅子に座り、
ナレーションしている。
(演奏中はただ黙って座っているだけ)
アシュレイ・ホルトとゲイリー・ピックフォード・ホプキンスの
ツインボーカルなんですが、プログレ系では無いハードロック系の歌唱。
ヴァードン・ウィリアムス指揮で、
現地のメルボルン・フィルハーモニック・オーケストラと、
メルボルン・チェンバー・クワイアの演奏は、
リハーサル不足なのか、あまり上手さを感じないかな。
まぁ、兎に角、
全盛期のリック・ウェイクマンのプレイが堪能できてお勧めです。
カレー食いながら演奏するシーンとか見たいなぁ。
(イエスをゴレンジャーに例えると、
リック・ウェイクマンキレンジャーのポジションなのか?)

気になるもの目録の目次

「好きなもの目録」で取り上げるか微妙なモノを
「気になるもの目録」っていう別枠でメモすることにしました。
後で「気になるもの目録」から「好きなもの目録」に
変更するかもしれないので通し番号はつけません。

一般的に評価が高いモノや、出来(内容)が良いモノでも
私の好みじゃないモノや、
逆に、一般的に評価が低いモノや、出来(内容)が良くないモノでも
私の好みなモノなんかを「気になるもの目録」で取り上げます。
評価は主に B ★★★○以下の作品になると思う。

目録なんで、タイトルと作者名などのちょっとしたデータしか書いてません。
私の備忘録(メモ)みたいなモノで、
評価(良い・悪い)の判断は、私個人の好き・嫌いのみで決めているので、
あまりあてになりません。
適当な感想と思い出しか書いてません。


「気になるもの目録の目次」

気になるもの目録 藤井秀剛の狂覗
気になるもの目録 森義隆の聖の青春
気になるもの目録 橋本愛アバター
気になるもの目録 間諜、十七人の忍者 大血戦
気になるもの目録 田中登田中真理
気になるもの目録 跋扈妖怪伝 牙吉
気になるもの目録 曽根中生嗚呼!!花の応援団
気になるもの目録 黒沢清勝手にしやがれ!!シリーズ
気になるもの目録 武正晴のイン・ザ・ヒーロー
気になるもの目録 BORDER 警視庁捜査一課殺人犯捜査第4係
気になるもの目録 滝田洋二郎天地明察
気になるもの目録 前田弘二のまともじゃないのは君も一緒
気になるもの目録 田宮二郎の夜の配当
気になるもの目録 ザ・ウィンド・イン・ザ・ウィロウズ (※サイケ / 好きなもの目録 その212 を気になるもの目録に変更)
気になるもの目録 BRAVE NEW WORLD の IMPRESSIONS ON READING ALDOUS HUXLEY (※プログレ / 好きなもの目録 その238 を気になるもの目録に変更)
気になるもの目録 PYTHAGORON (※電子音楽 / 好きなもの目録 その174 を気になるもの目録に変更)
気になるもの目録 CREATION OF SUNLIGHT (※サイケ / 好きなもの目録 その208 を気になるもの目録に変更)
気になるもの目録 松居大悟のワンダフルワールドエンド (※好きなもの目録 その359 を気になるもの目録に変更)
気になるもの目録 沖田修一子供はわかってあげない
気になるもの目録 加藤彰と風間杜夫の秘本袖と袖
気になるもの目録 主に泣いてます (※ドラマ)
気になるもの目録 1960年代の怪談映画 怪談残酷物語
気になるもの目録 ローランド・クリックのデッドロック
気になるもの目録 ジョン・ブアマンの殺しの分け前 / ポイント・ブランク
気になるもの目録 クリスチーナ・リンドバーグのゼイ・コール・ハー・ワン・アイ~血まみれの天使~
気になるもの目録 ルチオ・フルチの幻想殺人
気になるもの目録 伊達勇登の旋風の用心棒
気になるもの目録 小寺勝之高橋しんやSci-Fi HARRY サイファイハリー
気になるもの目録 高橋良輔ガサラキ GASARAKI
気になるもの目録 越智博之と恩田尚之太陽の船ソルビアンカ
気になるもの目録 中村隆太郎小中千昭神霊狩 / GHOST HOUND (※好きなもの目録 その178 を気になるもの目録に変更)
気になるもの目録 園村健介の BAD CITY
気になるもの目録 菱田正和陰陽大戦記
気になるもの目録 佐藤雄三のバイオ・ハンター (※好きなもの目録 その330 を気になるもの目録に変更)
気になるもの目録 浦田保則とさとうけいいちと羽山賢二の魔界転生 (※好きなもの目録 その332 を気になるもの目録に変更)
気になるもの目録 ポーパーズのマジック・ピープル
気になるもの目録 JR. AND HIS SOULETTES の PSYCHODELIC SOUNDS (※好きなもの目録 その224 を気になるもの目録に変更)
気になるもの目録 湯浅弘章志乃ちゃんは自分の名前が言えない (※好きなもの目録 その360 を気になるもの目録に変更)
気になるもの目録 呪われたジェシカ、ロバート・アルトマンのイメージズ
気になるもの目録 PUBLIC NUISANCE の GOTTA SURVIVE
気になるもの目録 OFEGE の TRY AND LOVE (※好きなもの目録 その139 を気になるもの目録に変更)
気になるもの目録 TRINITY CHURCH IN THE CITY OF NEW YORK, LARRY KING の WITH ANGELS AND ARCHANGELS (※好きなもの目録 その291 を気になるもの目録に変更)
気になるもの目録 SNK のアテナ (※アーケードゲーム / 好きなもの目録 その132 を気になるもの目録に変更)
気になるもの目録 ポール・レヴィンソンのトゥワイス・アポン・ア・ライム
気になるもの目録 ROBERT JOHN GALLO のサウンズ・オブ・モディフィケーション
気になるもの目録 LINDSAY BLUE の LOVE ALL LIFE
気になるもの目録 WERNER PIRCHNER の EIN HALBES DOPPELALBUM
気になるもの目録 ビリー・ジョエルアッティラ ATTILA (※好きなもの目録 その112 を気になるもの目録に変更)
気になるもの目録 WOO の WHICHEVER WAY YOU ARE GOING, YOU ARE GOING WRONG
気になるもの目録 小沼雄一咲-Saki- (※ドラマと映画)
気になるもの目録 山本薩夫
気になるもの目録 STEVE DUNSTAN の MAGNETIC FIELDS
気になるもの目録 CHURCHILL'S チャーチルズ (※サイケ / 好きなもの目録 その227 を気になるもの目録に変更)
気になるもの目録 マッドストーン (※映画)
気になるもの目録 LA BELLE EPOQUE (EMI'S FRENCH GIRLS 1965-1968)
気になるもの目録 橋本忍の幻の湖
気になるもの目録 武智鉄二の紅閨夢

※上記随時追記。

気になるもの目録 間諜、十七人の忍者 大血戦

二、三年くらい前に、
沢島忠監督の『股旅三人やくざ』を観て、
戦後(第二次大戦後)から1970年代頃の邦画は、
私が知らないだけで凄い監督がいっぱいいたんだなぁ……。
と改めて思ったんすが、
四月に「東映時代劇YouTube」で『間諜』をやっていて視聴して
面白くてなんかメモしとこうと思ったんすが、
いつも通り面倒臭いので放置してたら記憶が薄れる。

1960年代の日本では、
山田風太郎の「忍法帖シリーズ」や、
白土三平の『忍者武芸帳』『サスケ』『ワタリ』、
横山光輝の『伊賀の影丸』や藤子不二雄Aの『忍者ハットリくん』とか
忍者ものブームがあったのか、
けっこう忍者ものの映画が作られてるっす。
大映の『忍びの者』シリーズ、
『十七人の忍者 - 長谷川 安人』
『大忍術映画ワタリ - 船床 定男 / 倉田 準二』などなど。

んで、『十七人の忍者』の正式な続編ではないけど
『十七人の忍者 大血戦 - 鳥居 元宏』を観たら
まぁまぁ面白かったので、
松方弘樹が主演している忍者・間諜映画
『間諜』『十七人の忍者 大血戦』『忍びの衆』をメモしとこうと思ったっす。
(実写『伊賀の影丸』は松方弘樹・主演みたいだけど未視聴。
山内鉄也監督で、松方弘樹の父の近衛十四郎・主演の『忍者狩り』は
面白かったと思うんすが視聴したのが昔でうろ覚えで、
『怪竜大決戦』は松方弘樹・主演だけど特撮なんで今回は割愛)

『間諜』は、沢島忠作品を取り上げる時に
「好きなもの目録」で記すと思うんすが、
とりあえず「気になるもの目録」にメモしとくっす。
「好きなもの目録」にするか、
「気になるもの目録」にするか微妙なモノは
後で「気になるもの目録」から「好きなもの目録」に変更することもあります。


標題:松方弘樹の忍者間諜作品

分類:映画>邦画>時代劇

■題名:間諜

監督:沢島 忠

音楽:佐藤 勝

出演:
松方 弘樹
内田 良平
緒形 拳
三島 雅夫
野川 由美子
宗方 奈美
楠 侑子
田中 邦衛
鳳 啓助
京 唄子

発表年:1964年

製作国:日本

評価:B ★★★△前後

■雑記:
忍者映画とかでよくあるパターンなのか、
幕府に反旗を翻そうとする藩に忍や間諜が侵入し、
武器弾薬を爆破するっていうの。

松山征四郎(松方弘樹)と南新九郎(内田良平)と佐々木忠行(緒形拳
の三人は密命により武士の身分を捨て
倒幕の陰謀がある阿波蜂須賀藩に間諜として潜り込む。
三人は武士で腕は立つけど、
鬼輪番』みたいに幼少期から忍の訓練をしているわけでもなく、
粗相から処分(切腹)されたことにされ、身分を変え敵国に潜入する捨石。
南新九郎は島抜けした流れ者、佐々木忠行は藍工場の人足になるんすが、
松山征四郎は新米なんで、長年に阿波で間諜をしている作爺(三島雅夫)が
子供がいないから養子を取って結婚させるっていう設定で
征四郎を呼び寄せお千代(野川由美子)と夫婦にさせるっす。
征四郎は童貞だし役目で結婚したんでお千代に手を出さないんすが、
寝床でのお千代の後姿のうなじがエロいっす。
捕らえられた佐々木を助けるため阿波踊りの騒乱を利用して
堀(川?)の中に征四郎が入り遠景で阿波踊りの民衆っていう場面とか
凄い構図で感心する。
武器弾薬の秘密工作場が切り立った山の中にあるんすが、
滑り落ちるように崖を下っていく速さとか、
荷馬車に引き摺られる松方弘樹とか怪我しないのか心配になる。
先に間諜として入り込んでいた吉岡が怪しんでいた松葉杖の謎の男とか
伏線が色々ありそうでストーリーはそんな大したことないかな。

沢島忠は、ひばり(美空ひばり)映画などで知られているんすが、
デビュー作『忍術御前試合』は、まだ『大忍術映画ワタリ』系の
子供騙しの荒唐無稽な忍術描写なんすが、
それに比べると『間諜』はリアル寄り。
私は、野川由美子を『必殺仕置人』で初めて認知したんすが、
はっきりとした顔立ちで勝気でおきゃんな性格っぽくて気になり、
その後、鈴木清順作品を視聴して好きになったんすが、
日活三人娘(吉永小百合松原智恵子和泉雅子
と並ぶかそれ以上の魅力があると思うんすが、
日活所属じゃなく清純系じゃないんで
東映東宝大映と当時の色んな映画会社に出演してるのかな。


■題名:十七人の忍者 大血戦

監督:鳥居 元宏

音楽:津島 利章

出演:
松方 弘樹
小川 知子
三島 ゆり子
南原 宏治
大友 柳太朗
嵐 寛寿郎
遠藤 辰雄 (遠藤 太津朗)
丹羽 又三郎
大木 実
近衛 十四郎
香川 良介

発表年:1966年

製作国:日本

評価:C ★★☆

■内容・雑記:
『十七人の忍者』は、二、三年くらい前に観たんで内容を殆ど忘れてるっす。
東映集団抗争時代劇」のはしりと評されてるらしいんすが、
忍者の行動がやたら現実的だった印象っす。
タイトルだけはその続編だけど内容は関係ないのが
『十七人の忍者 大血戦』
「たった一秒間!一人の人間が十人、二十人にふえる!」
(そんな描写は無いっす、JAROに相談されちゃうっす)

慶安四(1651)年、由比正雪が企てし謀反の陰謀が発覚、
その背後に紀州大納言頼宣(近衛十四郎)があり、
さらに甲賀組が加担せしことが伊賀組によって全て明らかにされ、
甲賀組の頭・甚左衛門(南原宏治)は、
松平伊豆守信綱(大木実)に呼び出され詰問される。
甚左衛門は甲賀七人衆の滝小六が無断で加担したことにして首を差し出す。
そして甲賀組は伊賀組に見張られる中、隙を見て紀州に脱出する。
伊賀組の頭・服部半蔵(大友柳太朗)は伊豆守の命により、
紀州に潜入し鉄砲・火薬の隠し場所を探り出そうとする。
味方の犠牲により田辺城の墨館にあることを突き止め奇襲するが
甲賀組の罠に嵌り窮地に陥る。
服部半蔵は仲間を助けるため、新三郎(松方弘樹)に後を任せ
自ら囮になって甲賀組に捕まる。
伊賀組の新三郎は、甲賀の大原三右衛門(嵐寛寿郎)と伊賀の女との間の子で、
両親は掟により処分され服部半蔵が育ての親。
そんな伊賀の新三郎も掟を破り甲賀甚左衛門の娘・結香(小川知子
と契りを交わしている『ロミオとジュリエット』『バジリスク甲賀忍法帖~』状態。
そこに新三郎に片思いしているせいで何かと強く当たる
伊賀組の小猿(三島ゆり子)が絡む。
んで、鉄砲・火薬の隠し場所を再度探るため、
新三郎は小猿にくノ一なんで女として田辺城に潜入し、
留守居役の青木左衛門?(遠藤辰雄)を誑かすように言うんすが、
小猿は新三郎と二人きりになると「好きな男の手で女にしてほしい」
とか心の内を打ち明けるんすが、
新三郎は「小猿のことは好きだけど、男と女の好きではない。妹のように思ってる」
みたいなこと言って抱きしめるだけなんすが、
それで決心がついた小猿は、死んだ城兵の囲い者のふりをして留守居役に近づくっす。
小猿「ご無体な
留守居役「よいではないか」
小猿「お待ちくださいっ」
留守居役「生娘でもあるまいに」
って感じに小猿は留守居役に犯されるんすが、
色里出身っていう設定だったのに処女だったんで正体がバレるっす。
伊賀では『鬼輪番』の性的な忍の術みたいなのは習得しないみたいで、
新三郎が小猿を抱かなかったことが裏目に出て小猿は切られるんすが、
死ぬ前に囚われている服部半蔵に隠し場所を伝える。
服部半蔵は紙に小便であぶり出しの図面を作り守り袋に入れ、
半蔵から新三郎の居場所を教えてもらおうと
大原三右衛門の手引きでやって来た結香に守り袋を渡す。
んで、まぁ色々あって、
服部半蔵甲賀甚左衛門が一騎打ちしてなんとか勝ち、
鉄砲・火薬の隠し場所の墨館を爆破!
新三郎と結香は結ばれ二人は去り、
半蔵は一人、松平伊豆守を出迎えて終わり。
安定した時代になったんで、伊賀と甲賀の両方とも滅んでいく……。

新三郎と結香の逢引の場面や、新三郎と小猿が抱き合う場面や、
小猿が留守居役に手籠めにされる場面とかの男女の絡みがある場面は、
なんかATGや官能映画みたい。
他の作品でもたまに見かけたと思うんすが、
伊賀組の中に丹波哲郎を若くしたような役者がいるんすが誰か不明。


■題名:忍びの衆

監督:森 一生

撮影:森田 富士郎

音楽:鏑木 創

出演:
松方 弘樹
峰岸 隆之介 (峰岸 徹)
本郷 功次郎
安田 道代 (大楠 道代)
南美川 洋子
藤村 志保
内田 朝雄
伊達 三郎 (伊達 岳志)

発表年:1970年

製作国:日本

評価:保留

■雑記:
二年くらい前に観たんすが内容を全然憶えてないっす。
松方弘樹東映から大映へレンタル移籍して
早世した市川雷蔵の後釜で『眠狂四郎』シリーズや、
『忍びの者』シリーズに出演してた頃の作品。
市川雷蔵松方弘樹では弥生系と縄文系、
しょうゆ顔とソース顔くらいの違いがあるんで無理があるかな。

気になるもの目録 橋本愛のアバター

まぁ、よくある定番のネタから……。
今年(2022年)に、ジェームズ・キャメロン監督の『アバター』の続編
アバター:ウェイ・オブ・ウォーター』の公開があるみたいなんで、
久しぶりに『アバター』を観てみたら、
女子高生がSNSサイトのアバター(ユーザーの分身のキャラクター)に嵌り、
援交からのおやじ狩りとかで金を手に入れてアバターにつぎ込んでいき、
仕舞いには殺人まで犯すっていう……
青い皮膚をした知的生命体ナヴィがいつまで経っても出てこないんで
変だなぁ……って思ったら、
能年玲奈橋本愛が共演している「ア」で始まる別の作品を観ていたっす。
そう、あの有名な『あまちゃー……』じゃなくて
邦画の『アバター (2011年)』だったっす。
(エンドロールで能年玲奈の名前があって、
何処に出ているのかわからなくて驚いたっす。
清水富美加はすぐわかるけど)


標題:ジェームズ・キャメロンじゃない和田篤司のアバター

分類:映画>邦画>サスペンス / ホラー

■題名:アバター

監督:和田 篤司

出演:
橋本 愛
坂田 梨香子
水沢 奈子
指出 瑞貴
大谷 澪
はねゆり
清水 富美加 (千眼 美子)
能年 玲奈 (のん)
佐野 和真
加藤 虎ノ介
紺野 まひる
滝藤 賢一
保積 ペペ
大島 蓉子
温水 洋一
鈴木 拓 (※お笑い芸人 ドランクドラゴン

発表年:2011年

製作国:日本

評価:C ★★☆くらい

■内容・雑記:
阿武隈川道子(橋本愛)は、
母・恭子(紺野まひる)と二人暮らしの母子家庭の女子高生。
道子の幼少期に、
同級生の阿波野妙子(坂田梨香子)の父・正征(滝藤賢一)の迷惑駐車により
救急車が遅れ、道子は早くに父を亡くす。
ある日、道子は母から誕生日プレゼントに携帯電話を貰い学校に行く。
道子の通う女子校ではSNSサイトのオバQ……じゃなくてアバQが流行っていて、
レアアイテムでアバターを着飾っている妙子が人気者で
クラスを牛耳り誰も逆らえず担任教師・溝口(加藤虎ノ介)も見て見ぬ振り。
道子は妙子に命令され強制的にアバQに入会し、
次第にアバターにのめり込んでいく。
超レアアイテムのバタフライ花魁を手に入れた道子は、
同級生の西園寺真琴(水沢奈子)と協力しアバター・サークルを作り
学校を支配し妙子に復讐をするが……。

西園寺真琴はレアアイテムを妙子に渡さなかったために
妙子とその取り巻きの片山理恵指出瑞貴)と仮屋由布子(大谷澪)から
壮絶なイジメを受けてるんすが、イジメの枠を超えていて
教師も知らん振りというかイジメに協力してるんで、
サスペンスというよりコメディ(社会風刺)と考えた方がいいかな。
中盤以降、学校や警察は何してるんだ?ってくらい
傷害や殺人事件が起こっても介入してこないし。
もしかして、女子校ってのは治外法権なのかも……うそ。
道子や西園寺は野暮ったくてイケてない女子なんで、
メガネで髪の量が多い長髪なんすが、
道子は自身のアバターを整形や着飾ったりしたように
現実でも整形して鼻の横のホクロとか取って美人に変身して、
片思いしていた妙子の彼氏・山之内佐野和真)を見返す。
西園寺の顔はなんか女装したココリコの田中とか家政夫のミタゾノみたい。
妙子は唇を舐める癖があるんすが、なんかエロい。
片山と仮屋が妙子から道子に乗り換えるのがよくあるパターンだけど面白い。
溝口は先生と生徒は対等でギブアンドテイクの関係を求める変態。
(狂覗的な溝口が妙子の横暴を許していたのは肉体関係があったから)

道子が全国制覇を目指すアバター・サークルの会員は
何故かガスマスクを被ってるんすが、
アバターのアイテムにガスマスクがあるからかな)
「金の斧 銀の斧」とか「森永 金のエンゼル 銀のエンゼル」じゃないけど、
道子や幹部は金とか銀とか銅とかのガスマスクを被ってる……特注?
最後は有り勝ちっすが、アバQは廃れ新しいSNSサイトのラキラクに流行が移り
道子は女王の座から滑り落ちて最初に戻るループ構造かな。

能年玲奈は、妙子や道子がクラスの女子達にアバターを見せびらかしている場面の
左側にいるポニーテールの女子高生だと思うけどその他大勢で、
清水富美加の方が台詞も有って目立ってる。
アバター』のプロデューサーや監督なんかは、
連続テレビ小説 あまちゃん』の大人気をみて
能年玲奈にもっと良い役をやらしておけば……と後で思ったかな?
アバター』は、
目立たない女性がチャンスを掴んでトップに立つが没落する話なんすが、
アバター』では目立たなかった能年玲奈
あまちゃん』で大ブレイクしてトップに立つが
その後に干されるっていうのを予見した映画かもしれない。うそ

好きなもの目録 その380 南極物語 ANTARCTICA

ヴァンゲリスエヴァンゲロス・オディセアス・パパサナスィウ)
が5月17日にお亡くなりになったみたいです。
また一人、偉大なアーティストが逝去され残念です。
「好きなもの目録」で、
私がヴァンゲリスのアルバムで一番くらいに好きな『天国と地獄』や
「好きなもの目録 その666 666 アフロディーテズ・チャイルドの不思議な世界」
をやる予定だったので、それまで元気でいてほしかったです。
エスのキーボードがリック・ウェイクマンから
パトリック・モラーツに代わる前に、
エスヴァンゲリスが演ったデモテープとか残ってないのかな?
ヴァンゲリス逝去関連で、
クラウス・シュルツェも4月26日にお亡くなりになったのを今頃知る。
私の好きなサイケ、プログレ系のアーティストはもう高齢だから、
これからも悲報が続くのかな……。


2021年7月24日に書いた記事を下記に転載。

暑気払いに、蔵原惟繕監督の『南極物語』を観る。
南極に置き去りにされた犬達が(南極だけに)難局を乗り越え生き残る話。
ヴァンゲリスのサントラを夏になるとよく聴くんすが、
映画の方は30年以上前に観たか観ないか記憶に無いっす。


標題:蔵原惟繕ヴァンゲリス南極物語

分類:映画>邦画

■題名:南極物語

監督:蔵原 惟繕

音楽:
ヴァンゲリス
VANGELIS

出演:
高倉 健
渡瀬 恒彦
夏目 雅子
岡田 英次
神山 繁
山村 聡
佐藤 浩市
江藤 潤
野口 貴史
長谷川 初範
日下 武史
荻野目 慶子
岸田 森

ナレーション:小池 朝雄

発表年:1983年

製作国:日本

評価:B ★★★★~B ★★★☆くらい
(※犬好きなら評価:A だと思うけど、私はどちらかというと猫の方が好きなんで)

■雑記:
映画の内容は誰もが知ってるように、
新型コロナウイルスの脅威による人類滅亡の危機が迫る中、
宇宙よりも遠い場所にある南極は辛うじて影響が無かったのだが、
南極基地に物体Xが同化した一匹の犬が現われ
次々に隊員が襲われパニックに……うそ。
南極に置き去りにされた犬達が次に人間が来るまで生き残る話なんすが、
犬を人間に置き換えれば、火星に置き去りにされた宇宙飛行士の
『オデッセイ - リドリー・スコット』みたいに思えるかも。
日本に帰ってきたタロとジロは、パーティーで出た寿司を見て
南極のクラックで食べた魚を思い出すのであった……『キャスト・アウェイ』かよ。

映像と犬の頑張りは凄いけど、物語は普通かな。
食料(餌)の無い南極で鎖に繋がれた犬達の生態が詳しく描かれるんすが、
鎖から脱出した犬の順番とか、クラックで魚漁り、アザラシ狩り、
崖から落ちたり海に落ちたり、シャチに襲われたり、オーロラを見たり、
犬の死んでいく順番など詳しく観測してるんだったら助けろよスタッフ……
と思うけど創作なんだろうな。
私の思い込みで、南極に再度戻った潮田暁(高倉健)が
ヘリコプターから昭和基地を見下ろすと、
ヘリの音に気付いたタロとジロが走り寄ってくるってイメージだったんすが、
ヘリ上から一匹の犬の死体を発見するだけで、
昭和基地に降り立った後に、鎖に繋がれたまま死んだ犬の発見などをしていて、
少し時間が経ってからタロとジロが恐る恐る近づいて来たっす。
(人間不信になってなければいいけど……)

南極物語』は、フジテレビ(フジサンケイグループ)で大々的に宣伝されて
大ヒットして当時の邦画の歴代映画興行成績1位になったほど。
フジテレビの『オレたちひょうきん族』の「タケちゃんマン」や
テレビアニメ『さすがの猿飛』などでパロディにされタイアップしてんすが、
『熱帯夜』ってドラマでもラジオDJのおすぎとピーコが出てくる場面で、
ラジオブースの机の上に、ヴァンゲリスの『南極物語』のアルバムが置いてある。
輪るピングドラム』の登場人物の名前が
南極物語』の出演俳優からとってるみたいっす。

 

分類:音楽>サントラ>映画

■題名:
南極物語
ANTARCTICA

名前:
ヴァンゲリス
VANGELIS

出身:ギリシャ

発表年:1983年

製作国:日本

評価:A ★★★★☆

■曲目:
01. 「南極物語」メイン・テーマ
___THEME FROM ANTARCTICA
02. 極地のこだま
___ANTARCTICA ECHOES
03. 生きるための戦い
___KINEMATIC
04. 白夜の歌
___SONG OF WHITE
05. 生命の神秘
___LIFE OF ANTARCTICA
06. 南極の想い出
___MEMORY OF ANTARCTICA
07. 未知とロマンの南極
___OTHER SIDE OF ANTARCTICA
08. 奇跡の生存
___DELIVERANCE

■雑記:
前に「好きなもの目録 その248 ヴァンゲリスブレードランナー」で、
サントラもキャッチーな『炎のランナー』や『南極物語』が好きで、
それらのアルバムに比べると
ブレードランナー』のサントラは評価が下なんすが――
とか書いたんすが、なんか評価が違ってる……。
私の評価は適当なんで気にしないでください。

南極物語』の映画を観てからサントラを聴くと、
曲に合わせて南極での犬達の映像が浮かぶようになるっす。

私がヴァンゲリスを知ったのは
炎のランナー』『南極物語』『ブレードランナー
と立て続けに凄いサントラを発表していた1980年代だったんで、
プログレ畑の人だとは最初知らなかったっす。

夏は他に『エスキモー - ザ・レジデンツ
アイスランド - リシャール・ピナス』なんかを聴いて涼んでます。


東京2020オリンピック頃に書いた記事なんでおまけ。

■題名:
CHARIOTS OF FIRE
炎のランナー
20世紀フォックス映画 オリジナル・サウンドトラック「チャリオッツ・オブ・ファイアー」)

名前:
VANGELIS
ヴァンゲリス

出身:ギリシャ

発表年:1981年

製作国:イギリス

評価:A ★★★★★

■曲目:
01. TITLES
___タイトルズ
02. FIVE CIRCLES
___五輪
03. ABRAHAM'S THEME
___アブラハムのテーマ
04. ERIC'S THEME
___エリックのテーマ
05. 100 METRES
___100メートル
06. JERUSALEM
___エルサレム
07. CHARIOTS OF FIRE
___炎のランナー (チャリオッツ・オブ・ファイアー)

■メモ:
82年度アカデミー賞4部門受賞(オリジナル作曲賞、最優秀作品賞他)
パリ・オリンピックの100メートル競走で火花を散らす2人の若者の
苦悩と喜びを描いた映画「炎のランナー」のオリジナル・サウンドトラック。

アルバムの解説から――
映画「CHARIOTS OF FIRE」について
オリンピック史上において現代は危機の時代といえる。
大企業や政府の官僚達は、
ついにクーベルタン男爵が唱えた最初のオリンピックの理想以外のものまでを、
大会に求めるようになってしまったのだ。
その結果オリンピックは崩壊の危機に瀕している。
だが昔はこうではなかった。
モスクワ、モントリオール大会、ひいてはブランデージ会長、
ヒットラーの登場以前、若者達は自分自身の意思のみで五輪の下に集まった。
彼らは自らの目的、夢によって闘志を燃やし、最も足の速い者、最も強い者、
最も崇高なものに対して、自分自身の為に戦いを挑んだのである。
そうした若者の中に Eric Liddell (エリック・リデル)と
Harold Abrahams (ハロルド・アブラハムズ)がいた。
エリックはスコットランド人宣教師の息子で父の跡を継いだが、
第2次世界大戦で戦死。
ハロルドはリトアニアユダヤ人。
彼は英国正教会の偏見と権力に対して戦い、
オリンピックでは100M競技で優勝できた最後のイギリス人、
且つ唯一のユダヤ人となった。
リデルとアブラハムズは、1924年世界で最も速いランナーとなった。
しかも彼らはあくまでも自らの意思のみによってそうなったのである。
彼らは、彼らの内なる意思によって走った。
リデルは神への信仰にも似た気持ちで走る事にかけ、
アブラハムズは彼の人生に常につきまとって離れなかった
屈辱と偏見を乗り越える為に走り続けた。
そして二人共金メダルを手にした。
“Chariots of Fire (火の馬車)”に乗って彼らは戦い、
ついには時の専制君主国粋主義を排除してしまったのだ。
だが今日、こうしたモンスターは輝かしいオリンピックの理想を破壊しつつある。
この危機を前にしてリデルとアブラハムズの物語が再び語られるべきなのである。
これから聖火をともすであろう若者達の心に、
あの輝かしい原初のオリンピック精神を蘇らせる為に……。
(※日本語だとアブラハムズはエイブラハムスとも表記)

好きなもの目録 その373 市川崑の犬神家の一族

市川崑監督の映画は30作品以上観てるんすが、
品質の高い映像作品を量産していて凄いと思うんすが、
ちょっと醒めているというか神目線というか
三者的な突き放した対象物描写をしているように感じるかな。
私が好きなのは『鍵』『黒い十人の女』『股旅』
犬神家の一族 (1976年)』『悪魔の手毬唄』などかな。
特に『股旅』と『犬神家の一族 (1976年)』は
私の好きな邦画の上位に入るくらい大好き。

火の鳥』を観て、
ミッシェル・ルグランの『火の鳥』テーマ音楽と
安室奈美恵の「CAN YOU CELEBRATE?」がなんか似てると思い、
ナギ(尾美としのり)が
「オロ(風吹ジュン)、お前、女だったのか……」って台詞が
『大豆田とわ子と三人の元夫』で、
とわ子の母つき子の恋人・國村真が男だと思ったら
女(風吹ジュン)だった驚きにシンクロする。

市川崑監督の石坂浩二金田一役の「金田一耕助シリーズ」を目録に。


標題:市川崑石坂浩二金田一耕助シリーズ

分類:映画>邦画>ミステリー

■題名:
犬神家の一族
悪魔の手毬唄
門島
女王蜂
病院坂の首縊りの家

監督:市川 崑

原作:横溝 正史 (※出演:『犬神家の一族』『病院坂の首縊りの家』)

脚本:
久里子亭 (※市川 崑 / 日高 真也)
長田 紀生 (※『犬神家の一族』)

音楽:
大野 雄二 (※『犬神家の一族』)
小杉 太一郎 (※箏曲「双輪」:『犬神家の一族』)
村井 邦彦 (※『悪魔の手毬唄』)
田辺 信一 (※『犬神家の一族』以外)
深町 純 (※シンセサイザー演奏:『悪魔の手毬唄』)
江草啓介カルテット (※ジャズ演奏:『病院坂の首縊りの家』)

撮影:長谷川 清

出演:
石坂 浩二
加藤 武
大滝 秀治
小林 昭二
草笛 光子
三木 のり平
沼田 カズ子 (沼田 和子 ※『病院坂の首縊りの家』以外の出演と『犬神家の一族』『悪魔の手毬唄』『病院坂の首縊りの家』の結髪)
坂口 良子 (※『犬神家の一族』『獄門島』『女王蜂』)
辻 萬長 (※『犬神家の一族』『悪魔の手毬唄』『獄門島』)
三谷 昇 (※『犬神家の一族』『獄門島』『病院坂の首縊りの家』)
常田 富士男 (※『悪魔の手毬唄』『女王蜂』『病院坂の首縊りの家』)
白石 加代子 (※『悪魔の手毬唄』『女王蜂』『病院坂の首縊りの家』)
高峰 三枝子 (※『犬神家の一族』『女王蜂』)
あおい 輝彦 (※『犬神家の一族』『病院坂の首縊りの家』)
三條 美紀 (※『犬神家の一族』『病院坂の首縊りの家』)
小沢 栄太郎 (※『犬神家の一族』『病院坂の首縊りの家』)
岸 惠子 (※『悪魔の手毬唄』『女王蜂』)
岡本 信人 (※『悪魔の手毬唄』『病院坂の首縊りの家』)
東 静子 (※『悪魔の手毬唄』『獄門島』)
司 葉子 (※『獄門島』『女王蜂』)
ピーター (池畑 慎之介 ※『獄門島』『病院坂の首縊りの家』)
中井 貴惠 (※『女王蜂』『病院坂の首縊りの家』)
萩尾 みどり (※『女王蜂』『病院坂の首縊りの家』)

(※下記『犬神家の一族』)
島田 陽子
金田 龍之介
地井 武男
川口 恒
川口 晶
原 泉
仁科 鳩美
大関 優子 (佳那 晃子)
寺田 稔
守田 比呂也
岸田 今日子
三國 連太郎
三ツ矢 雄二 (※写真のみ)

(※下記『悪魔の手毬唄』)
若山 富三郎
仁科 明子 (仁科 亜季子)
高橋 洋子
永野 裕紀子
永島 暎子
北 公次
大和田 獏
潮 哲也
渡辺 美佐子
頭師 孝雄
中村 伸郎
辰巳 柳太郎
冨田 恵子
川口 節子
原 ひさ子
林 美智子
日笠 潤一
山岡 久乃

(※下記『獄門島』)
佐分利 信
大原 麗子
内藤 武敏
太地 喜和子
浅野 ゆう子
一ノ瀬 康子
中村 七枝子
武田 洋和
東野 英治郎
松村 達雄
稲葉 義男
上條 恒彦
池田 秀一
荻野目 慶子
荻野目 洋子

(※下記『女王蜂』)
仲代 達矢
神山 繁
伴 淳三郎
沖 雅也
佐々木 勝彦
佐々木 剛
中島 久之
石田 信之
冷泉 公裕
武内 亨
高野 浩幸
花上 晃

(※下記『病院坂の首縊りの家』)
佐久間 良子
桜田 淳子
草刈 正雄
清水 こう(※糸偏に宏)治
入江 たか子
久富 惟晴
河原 裕昌 (河原 さぶ)
早田 文次
菊地 勇一
林 ゆたか
山本 伸吾
林 一夫

発表年:1976年~1979年

製作国:日本

評価:
S ★★★★★☆
S ★★★★★○
A ★★★★◎
B ★★★☆
B ★★★◎

■雑記:
ネタバレだらけっす。

犬神家の一族 (1976年)』
探偵の金田一耕助石坂浩二)は、
犬神家の遺産相続に懸念を感じた顧問弁護士の助手・若林に呼ばれ
信州の那須に赴くが面会する前に若林は毒殺されてしまう。
若林に代わり犬神家の顧問弁護士・古館恭三(小沢栄太郎)から改めて依頼され
犬神家の複雑な人間関係の謎を解き明かす……のか?

犬神財閥の創始者・犬神佐兵衛(三國連太郎)には母親の違う三人の娘、
松子(高峰三枝子)、竹子(三條美紀)、梅子(草笛光子)がいて、
松子は夫が亡くなっているのかいなくて息子の佐清あおい輝彦)がいて、
竹子は夫が寅之助(金田龍之介)で息子の佐武(地井武男)と娘の小夜子(川口晶)がいて、
梅子は夫が幸吉(小林昭二)で息子の佐智(川口恒)がいる。
佐智と小夜子は付き合っていて小夜子は妊娠している。
佐清、佐武、佐智のいずれかと結婚することにより
犬神家の遺産を相続する立場になる野々宮珠世(島田陽子)は、
神官・野々宮大弐の妻・晴世(仁科鳩美)と犬神佐兵衛の間に生まれた子供の娘で、
佐兵衛の実の孫。
佐兵衛が女工の青沼菊乃(大関優子)に生ませたのが青沼静馬。

松子が自分の息子・佐清に遺産相続させたくて、
珠世の命を狙ったり、佐武や佐智を殺すんすが、
佐武を殺す場面を佐清と静馬に目撃され、
それをネタに静馬に脅された佐清が犬神家に怨みを持つ静馬と一緒に
家宝の「斧、琴、菊(よきこと聞く)」に死体を擬装したっす。

顔に大怪我を負った青沼静馬がゴムマスクをして佐清に成り代わっているんすが、
なんで佐清ビルマから日本へすぐに復員しなかったのかは、
自分の説得失敗で三角山の部隊を全滅させてしまった僕は、
とても日本へ帰る気持ちにはなりませんでした。
ビルマで僧になり野晒しになっている日本兵の死体を埋葬し、
竪琴を弾いていたので……それは『ビルマの竪琴』。好きビルマの竪琴聴く

兄と恋人を殺され頭がおかしくなった小夜子が持っているウシガエル?は、
最初の場面の犬神の屋敷近くで鳴いていたのを捕まえたのかも。うそ


悪魔の手毬唄
青池リカ(岸恵子)の夫・青池源治郎が恩田幾三に化け一人二役になり、
由良敦子(草笛光子)との間に泰子(高橋洋子)、
司咲枝(白石加代子)との間に仁礼文子(永野裕紀子)、
別所春江(渡辺美佐子)との間に千恵(仁科明子)を孕ませたんで、
リカの娘・里子(永島暎子)と泰子と文子と千恵は母親が違う姉妹。
リカの息子・歌名雄(北公次)が泰子と恋仲になったり、
仁礼嘉平(辰巳柳太郎)に歌名雄と文子の結婚を迫られたり、
千恵は有名人なのに里子は顔に痣がある日陰者だったりしたのが
リカが殺しに走る動機かな。
お庄屋の多々良放庵(中村伸郎)が、
リカに恩田は夫だとチクらなければ殺人は起きなかったし、
なぜモテるのか不思議な歌名雄が
知らないとはいえ妹と結ばれるようなことがなかったら悲劇は起きなかったのに……。
(それだと物語にならないけど)

由良の隠居・五百子(原ひさ子)が殺人が起こってからじゃないと
手毬唄の続きを思い出さないのが歯痒いというかギャグ。
謎の老婆おはんや手毬をする日本人形みたいな幼女達や
葡萄酒樽に浸かる文子の死体とかジャパニーズホラー的な不気味さがある。

放庵の別れた何番目かの妻・おはんが鬼首村に姿を現してから事件が起きるんすが、
映画『おはん』みたいに、
放庵はおはんを捨てて、亀の湯の女将リカのヒモをしていた――ことから、
原作の名前がおりんだったのをおはんに変えたんだと思ったら、
(うそっす。まったく思ってないっす)
『はなれ瞽女おりん』と重なるのを避けたみたい。


『獄門島
鬼頭与三松(内藤武敏)の三人の娘・
花子(一ノ瀬康子)、雪枝(中村七枝子)、月代(浅野ゆう子)が次々に殺されるんすが、
梅の木に逆さ吊りにされたり、道成寺の釣鐘とかギミックが凝っているけど、
最初の動機が鬼頭嘉右衛門(東野英治郎)の遺言ってのが
(雪枝と月代は違うけど)どーにも解せない。
島の権力者だったとはいえ俳句仲間に、
わしが死んだらバカな三姉妹を俳句に見立てて始末してね……
ってお願いされても、さすがに実行しないでしょ。
座敷牢から逃げた与三松のその後の安否がよくわからない。
了然和尚(佐分利信)の台詞が聞き取りづらい。
了沢(池田秀一)は通常の三倍速く伝法を受ける。うそ


『女王蜂』
大道寺智子(中井貴恵)は、旧皇族の血筋を受け継いでいて、
それを知ってか男達が群がってくるんすが、
中井貴恵は女王蜂って感じではないかな。
市川崑監督は、俳優に代理を立てず若い頃の演技もさせるんすが、
速水銀蔵(仲代達矢)の大学生姿には、
『こころ』の森雅之に通じる無理してる感が凄くて苦笑するっす。
九十九龍馬(神山繁)が寄木細工の扉の部屋で
どうやって殺されたのかよくわからんっす。
短刀の飛んでくる勢いや角度とか謎。


病院坂の首縊りの家
法眼弥生(佐久間良子)と五十嵐猛蔵(久富惟晴)の
間に生まれた私生子が山内冬子(萩尾みどり)で、
冬子と法眼琢也(菊地勇一)の娘が山内小雪桜田淳子)。
法眼弥生と琢也の娘が法眼由香利(桜田淳子)なんで
姉妹というか叔母と姪の関係なんで由香利と小雪が瓜二つ。
冬子は出生の秘密を知り母(弥生)を訪ねていったら、
妹(由香利)に妾と詰られ琢也が母娘姦していたショックから首を縊ったのかな?
とにかく法眼の家系が複雑なんでよくわからんっす。
小雪と血の繋がらない義理の兄・山内敏男(あおい輝彦)は、
小雪のことが好きなんすが、容姿がソックリで高飛車な由香利にも惹かれるんで、
『みゆき』や男女逆にした『タッチ』って感じっす。
誤って由香利を殺してしまい自暴自棄になった敏男が自殺し、
自分の首を怨みのある法眼病院に風鈴みたいに吊るしてくれっていう
猟奇的なことを頼むから妙なことに……。
本條写真館の徳兵衛(小沢栄太郎)と息子の直吉(清水こう治)は、
山内敏男や由香利の事件の巻き添えというよりも、
よくあるエロ写真をネタに脅して金を強請ろうとした報い。

実は、京呉服問屋の一人娘・佐田千重子と北山杉の村娘・苗子は、
生まれてすぐ生き別れた双子で入れ替わっていたっていうトリック。うそ
それは山口百恵の『古都』っす。


市川崑監督の「金田一耕助シリーズ」全作に、
加藤武が橘や立花や等々力と名前を変えて同じ様なキャラの刑事役で登場して、
「よし、わかった!」とその場限りの当て推量をするんすが、
『幸福』にも剣持刑事課長として登場し
「よし、わかった」(「金田一耕助シリーズ」の時より声は小さめ)
と言ってるっす。
天河伝説殺人事件』でも仙波警部補として登場し
「よし、わかった!」と二回くらい言ってるっす。

 

■題名:犬神家の一族

監督・脚本:市川 崑

原作:横溝 正史

脚本:
日高 真也
長田 紀生

音楽:
谷川 賢作
大野 雄二

撮影:五十畑 幸勇

出演:
石坂 浩二
加藤 武
大滝 秀治
草笛 光子
三條 美紀
仲代 達矢
富司 純子 (藤 純子)
松坂 慶子
萬田 久子
松嶋 菜々子
尾上 菊之助
岸部 一徳
葛山 信吾
奥菜 恵
螢 雪次朗
池内 万作
松本 美奈子
永澤 俊矢
野村 信次
蓮佛 美沙子
中村 敦夫
嶋田 豪
尾藤 イサオ
石倉 三郎
林家 木久蔵
中村 玉緒
深田 恭子
三谷 幸喜

発表年:2006年

製作国:日本

評価:C ★★◎

■雑記:
野々宮たま世と三人の許婚って感じなんすが、
私はよく松たか子松嶋菜々子を間違えるっす。

2006年版『犬神家の一族』は、
1976年版『犬神家の一族』と物語や場面設定などほぼ同じで、
役者も役名や配役が違っていても
石坂浩二加藤武大滝秀治草笛光子三條美紀が重なっているんすが、
旧作から30年経っているんで加齢により加藤武大滝秀治の滑舌が少し悪い。
石坂浩二は、1976年版の時35歳くらいで、2006年版の時65歳くらいなのか。
2006年版の配役も豪華なんすが、1976年版の配役が完璧なんで
比べると見劣りするかな。
全体的に2006年版はテンポがゆっくりしているかな。
2006年版の良い所は、佐清(青沼静馬)のゴムマスクを被ったり捲ったりするときの
口元のフィット感が不気味で良い。

1976年版の小夜子は、川口晶でちょうどいい不細工加減だったんすが、
2006年版は奥菜恵なんで可愛すぎるかな。
松嶋菜々子と並んだりすると奥菜恵って背が小さいんだなと思う。
1976年版の那須ホテルの女中・はるは、
坂口良子で良い味出してるんすが、
2006年版は深田恭子なんで可愛すぎて女中に見えないかな。

犬神家の女中役で蓮佛美沙子が出てるみたいなんで、
ゴムマスクの静馬と女中が一緒に湖に飛び込み男女の体が入れ替わる
『転校生 -さよなら あなた-』みたいなトリックが
2006年版にあると思ったらなかったっす。当たり前

 

■題名:八つ墓村

監督・脚本:市川 崑

原作:横溝 正史

脚本:大藪 郁子

音楽:谷川 賢作

撮影:五十畑 幸勇

出演:
豊川 悦司
浅野 ゆう子
高橋 和也
宅麻 伸
岸田 今日子
岸部 一徳
萬田 久子
喜多嶋 舞
加藤 武
白石 加代子
神山 繁
吉田 日出子
石倉 三郎
石橋 蓮司
西村 雅彦
うじき つよし
井川 比佐志
姿 晴香
織本 順吉
小林 昭二
大沢 さやか
川崎 博司
今井 雅之
横山 通乃

発表年:1996年

製作国:日本

評価:C ★★○

■雑記:
野村芳太郎監督の『八つ墓村 (1977年)』があったとはいえ、
1970年代の石坂浩二の「金田一耕助シリーズ」の頃に
市川崑監督の『八つ墓村』が制作されていればよかったのに……。
市川崑版の岸部一徳の田治見要蔵も悪くはないんですが、
野村芳太郎版の山崎努の多治見要蔵が凄すぎて見劣りするかな。
岸田今日子の小竹&小梅が不気味可愛い。
豊川悦司金田一耕助も悪くはないんすが、
2006年版『犬神家の一族』の金田一耕助石坂浩二を起用しているので、
その十年前の『八つ墓村』でも石坂浩二にしてほしかったなぁ。

 

■おまけ

■題名:天河伝説殺人事件

監督:市川 崑

原作:内田 康夫

脚本:
久里子亭 (※市川 崑 / 日高 真也)
冠木 新市

音楽:
宮下 富実夫
谷川 賢作

撮影:五十畑 幸勇

出演:
榎木 孝明
財前 直見
日下 武史
山口 粧太
山口 真司 (山口 眞司)
岸田 今日子
岸部 一徳
神山 繁
岸 惠子
酒井 敏也
岡本 麗
奈良岡 朋子
出光 元
横山 道代 (横山 通乃)
木原 三貴
井上 博一
立原 麻衣
大滝 秀治
加藤 武
小林 昭二
常田 富士男
斎藤 洋介
貞永 敏
伊東 四朗
石坂 浩二

発表年:1991年

製作国:日本

評価:C ★★△

■雑記:
市川崑監督の「金田一耕助シリーズ」は戦後の日本を舞台にしてたんすが、
天河伝説殺人事件』はバブル景気頃の日本を舞台にしているのかな。
映像や美術は市川崑なんで美しくて良いんすが、、
金田一耕助シリーズ」と出演者が重なっているから
金田一耕助シリーズ」みたいなのを期待するんすが、
金田一耕助シリーズ」と違って殺害方法が普通で
見立て殺人とか不気味な人物が登場するとかなく、
能楽の世界を舞台にした正統派のミステリーなんで
あまり面白くない。
旅館の女将の岸惠子が手違いから愛する我が子を殺してしまうってのが
悪魔の手毬唄』っぽい。
追善能で「道成寺」を舞うのが、ちょっとだけ『獄門島』を連想。
仙波警部補(加藤武)が「金田一耕助シリーズ」を踏襲して
「よし、わかった!」と二回くらい言ってる。
最後の薪能で、
雨降らしの面を被った骨嵬にガサラキを召喚する場面が見所……うそ。