数寄なモノ目次録

サイケ、プログレ、アニメ、漫画、映画などの覚書

好きなもの目録 その10 山岸凉子の汐の声

私が一番好きな漫画は『マカロニほうれん荘』なんですが、
一番好きな漫画家は山岸凉子なんです。
アラベスク 第1部 + 第2部』
『メタモルフォシス伝』
『妖精王』
日出処の天子
などの長・中編の漫画や、
「学園のムフフフ」
「クリスマス」
シェリンクス・パーン」
などの心温まる短編、どの作品も大好きなんですが、
今回は精神異常や霊視などの精神的に恐怖を感じる短編漫画を目録に。
(長編の『アラベスク』や『日出処の天子』について書きたいんですが、
読み返すのに時間がかかるので当分先です)


標題:山岸凉子の恐怖漫画

分類:漫画>少女漫画>ホラー

■題名:
ハーピー
天人唐草
スピンクス
夜叉御前
汐の声

作者:山岸 凉子

発表年:1978年~1982年

製作国:日本

評価:S ★未確定

■内容・雑記:

ハーピー
学業不振によるノイローゼか、恋愛感情の裏返しなのか、
美人で成績優秀、そのうえグラマーで走るのも速い編入生の女子に
異常に執着する男子学生の話。
男子学生の視点で話(ストーリー)が進むので、
謎の女子学生は、本当にハーピー(女面鳥獣)ではないのか?
と思わせる構成が上手い。
ストーカーの話ともいえる。
同じ系統の女性視点からのストーカーの話で、
「バンシー 泣き女」がある。


「天人唐草」
厳しい父親の家庭に育った女性が、
抑圧され、自分から行動出来ない受身な性格になり、
それが正しいと考えていた。
しかし、父親が亡くなり、暴行を受けたことで、
それまでの価値観が破壊され
「ぎえーーーっ」に……。
1979年の作品だと思うけど、
小学館から出版されたハードカバーの『狐女・天人唐草』では、
「天人唐草」の最後のページに
1976年12月と印刷されている。誤植か?


「スピンクス」
母親の呪縛から心を閉じた少年が、
青年医師との接触により自我を取り戻す。
今の少女漫画の状況とか、まったく知らないんですが、
1979年当時の少女漫画雑誌『花とゆめ』に、
この作品が載ったというのが驚異的!
精神世界描写などSF的、前衛的でもある。
「天人唐草」で精神崩壊して、
「スピンクス」の病院に入るまでの話ともいえるのが「メデュウサ」。
間違って、中田雅喜の「ヒポンクス」を先に読まないように……それは私です。


「夜叉御前」
山深い一軒家に越してきた一家。
しかし、その家には鬼が棲みついていた……。
主人公視点(一人称)で物語が進み、
鬼や、おおいかぶさる黒い物は
心霊現象や幻覚だと思わせて実は……
という山岸凉子お得意の話。
家族構成が少しサザエさん一家に似ている。
主人公は母親をママと呼び継母を臭わせるし、
弟と妹がいて、赤ちゃん(女児だけど、タラちゃんの置き換え)を産むところが。
しかし……、この話(絵も)は怖い。


汐の声
『たたり - ロバート・ワイズ』とかに着想を得たと思われる幽霊屋敷の話に、
子供の頃人気があったが成長して落ち目の人間(子役など)の悲劇が絡んで凄く怖い。
母娘の霊が出るというある館。
心霊番組で泊り込み取材することになった
番組(テレビと雑誌)スタッフと出演者達がそこで見たものは!
私が、今まで読んだ全ての漫画の中で一番怖いと、
背筋が凍る恐怖を感じたのが、この漫画。
絵が残酷とか、気味が悪いとかの怖さではなく、
精神的にどんどん追い詰められていく怖さ、
自分だけしか霊を感じず、周りが話しを信じてくれない孤独感(疎外感)。
安達祐実芦田愛菜とかの子役を想像して読むのも良し。
同じ系統の心霊現象の話で、
「千引きの石」「わたしの人形は良い人形」などがある。


「負の暗示」
八つ墓村』や『丑三つの村』で有名な津山事件を題材にした漫画で、
山岸凉子全作品の中でも私が好きな作品の上位にくるんですが、
1991年発表なので除外しました。
同じ系統の実録物の話で、
「悪夢」「グリーン・フーズ」などがある。


自分が死んだことに気づかず霊になり彷徨う話。
(もしくは夢の中を彷徨う話)
「グール」「ストロベリー・ナイト・ナイト」
「ある夜に」「化野の…」「黄泉比良坂」「天鳥船」
「時じくの香の木の実」「雨女」「夜の馬」などがある。

トラブルメーカー(サイコパス)に家庭や生活を壊される話。
「黒のヘレネー」「狐女」「蛭子」
「蛇比礼」「星の素白き花束の…」などがある。
「蛭子」は、ねっとりした気持ち悪さを感じる作品で、
私は好きなんですが、
短編集に収録されているのをあまりみかけない。

あと、怖い話(シリアス)系は、
親兄弟(姉妹)の愛憎もの、不倫もの、神隠し(誘拐)もの、
などなどのバリエーションに、人間の業の深さを描いた作品。

簡略化(手抜き)された絵の作者(山岸凉子)が登場し、
(本人や知人、読者からの)体験談を物語る作品
「ゆうれい談」「夜の虹」「ゆうれいタクシー」「蓮の糸」
「タイムスリップ」「押し入れ」などがある。